7.5点/10点
※PS3版でのレビューです

総合格闘技イベント"UFC"を題材にしたアクションゲーム。製作は日本のユークスが担当。
デビューから7年間、選手を育成し選手人生を体験する"キャリア"のほか
UFCの実在の試合を再現する"クラシック"、"エキシビジョン"、オンラインなどのモードを収録。

直感的かつシンプルな操作でそれっぽく戦えるので、意外と敷居は低い。
グラウンドや関節技を仕掛けるタイミングなどは少し慣れが必要で
最初のうちは打撃戦に偏りがちだが、
一度慣れてしまえばグラウンドテクニックも駆使して思うように戦えるようになる。

残念なのは選手ごとの個性が薄く、差別化ができていないこと。
選手数が多いのはいいが、立ち技(キックボクシング/ボクシング/ムエタイ)と
寝技(柔道/レスリング\BJJ)のスタイルをそれぞれ組み合わせただけで、
キャラごとにモーションや技などが1から割り当てられているわけではないのはちょっと寂しい。
関節技のバリエーションの少なさや、部位ごとのダメージという概念が無いのも気になった。
特定の部位を攻め続けたら相応の影響が出るようになったりすると面白いのだが…。


オフラインでの実質的なメインモードとなるキャリアモードは、
正直、単調すぎてイマイチな出来。一応、スポンサーの概念や
スパーリングパートナー、CAMPなどの要素が入っているが、どれも中途半端で自由度が低い。
能力は自由に成長させられるが、選手の初期能力が低いので、
7年間のうちに立派なチャンプを作ろうとすると、優先的に上げる能力などが固定されがち。
試合では選手が成長しないので、キャリア終盤にはスパーリングを延々繰り返すハメになる。
体重別の5つの階級が選べるが、身体能力の上限が違うだけで、やること・やれることは全く同じ。
続編ではキャリアモードを全面的にリファインする必要があると思う。

クラシックモードは現実とほぼ同じことを再現しなくてはならず、
コアなUFCファン以外にとってはあまり面白いモードではない。

オンラインは海外のプレイヤーとの試合ではラグがひどく、操作もおぼつかない。
国内のプレイヤー相手なら、若干ラグによる違和感はあるが、一応遊べるレベル。


実質的な1作目ということもあり全体的に作りこみの不足が目立つ作品だが、
ポテンシャルはかなりのもの。THQは2011年までの権利を保持しているようなので、
UFC2010、2011に期待したい。

似非ログ
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