7点/10点

※映画は全く見ていません
※シングルモードのみのレビュー

○COD4エンジン
○様々なロケーションが楽しめる
×ボリューム不足
×カバー、テイクダウン(近接攻撃)が練りこみ不足
×シナリオ、ガイドが粗い

○COD4エンジン
ゲームエンジンはCOD4,COD:WaWで使われているものが採用されており、最高峰と呼ばれたCOD4の基本の操作感がほぼそのまま再現されています。グラフィックはややボケやテクスチャの粗さが目立つ部分もありますが、全体的には良好です。

○様々なロケーションが楽しめる
戦争ではなく映画007を題材にしたゲームなので、いろいろなロケーションが楽しめます。建物内から電車の上、ベニスの街まで。1vs多数の銃撃戦から、潜入まで。移動可能範囲が少し狭いと感じるマップも少なくありませんが、かなりの手間を掛けて作られているマップも多く、戦争モノに飽きたFPSファンにとっては結構新鮮に写ると思います。

×ボリューム不足
普通にプレイすれば、多少つまづいても5時間足らずでキャンペーンモードがクリア可能です。いくら何でもこれはボリューム不足と言わざるを得ないでしょう。

×カバー、テイクダウン(近接攻撃)が練りこみ不足
COD4,WaWと違い「カバー(遮蔽物に身を隠す)」が導入され、近接攻撃もナイフではなく「テイクダウン」という投げやパンチ・キックのコンボに置き換えられています。それらを含めたプレイ感覚は、全体的に「アンチャーテッド」を彷彿とさせますが、全編三人称視点で展開する「アンチャーテッド」と違い、本作は一人称視点が基本で、カバー時・近接攻撃時に三人称視点に切り替わるという違いがあります。これが厄介者で、カバーに入っているのか入っていないのか瞬間的に認識しづらかったり、カバーできる場所なのか否かが少し解りにくいです。カバーに入ることが前提に作られているステージも多々ありますが、それが面白さに繋がっていない場合が多く、「カバーシステムなんて入れる必要があったのか?」と首をひねらざるを得ません。テイクダウン(近接攻撃)も同様で、さまざまな格闘術で相手を仕留められるのですが、「走って相手に飛び込む→3人称視点になる→指定されたボタンを押す→格闘で相手を倒す」という一連の流れがお世辞にも洗練されているといえるレベルではなく、イマイチ爽快感に繋がっていませんし、一度3人称視点に切り替わるがために、主観視点に戻ったとき、向いている方向が解り難くなるという弊害も生んでいます。

×シナリオ、ガイドが粗い
映画原作のゲームですが、このゲームをプレイしても映画のストーリーは全く解りません。原作抜きだとどういう話なのかもよく解らないまま終わってしまいます。映画を前もって見ていないならストーリーは無いものと思ったほうがいいです。更に、映画と同じシチュエーションを再現するステージがいくつかあるのですが、それも映画を見ていないとどうしたらいいのか解らない状況に陥りがちで、どうもピンとこないヒントしか出ず、不親切でつまらないです。


【まとめ】~映画原作が足を引っ張った惜しいFPS~
戦争モノFPSでは実現し得ないシチュエーションやミッションが多く、それをCOD4エンジンで楽しめるという意味ではなかなか新鮮味のあるFPSなのは確かです。ただ、悪いところとして挙げた「カバー」や「近接攻撃」は、恐らく007という題材があったからこそ導入された要素だと思います。そうして考えると、007という題材が、FPSとしての完成度という面では足かせになっているように感じます。007を題材にせず、非戦争モノFPSとしてこのゲームを作っていれば、マップ・イベントやその他の制約から解き放たれ、名作レベルのFPSに仕上がっていたかもしれないという可能性を感じる惜しいソフトです。FPSファンからも007ファンからもイマイチ支持が得られない中途半端な立ち位置のゲームになってしまったのは残念です。


似非ログ
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