ヘッドフォンのHD650とQ701の周波数特性の比較的測定+改良? | えるなのブログ

えるなのブログ

えるなの気ままなブログです。
日記とはちょっと違うかも。

開放型の両者、良く比較されるようで、
そんなキーワードの検索でココを訪れる方も多いです。

でも、個人的には、違いすぎて難しい気が…、

賛否両論あって、
HD650は、暖かい音とか、もあっとして甘い音
Q701は、キラキラした音とか、薄っぺらい乾いた音。
などとも言われてるようです。

爽快感、ヌケなどは、対照的に見られてるような気もします。

ただ、両者ともトーンコントロールで高域を持ち上げても、
耳にキツイ音を出したりしないですので、素性は良く、
イコライジングで幅広い楽しみ方が出来るイメージです。

音漏れが激しいので、持ち歩いて使うコトはあんまり無さそうです。

--------------------------
測定です。

昔々、MICの記事

スイープではホワイトノイズほどうるさくなくて音が大きく出来、また、開放型だったので、
手持ちでもタッチノイズは入りませんでした。<冷蔵庫の開け閉めは結構低音が来ましたが。
(スイープは300Secのリニア変化にしてみました。)

HD650の測定です。
が、ちょっと、気が付いたことがありました。

えるなのブログ

10KHzのちょっと上にホワイトノイズで昔計った時には見られなかった「ノッチ」があります。
見ると、
カプラ的平板として使っているDVD面より、MICが8mmほど飛び出してました。


えるなのブログ

スピーカーとかで高い音を鳴らして、頭を動かすと音が弱まって聞こえるポイントが沢山出来てたりします。
これもそんなモノなのかも知れないと思いまして…、

予想としては、
直接MICに入る音と、DVD面に貼ってあるセロテープに反射して後ろから入る音の干渉のようなイメージです。
論理があってるか、以下の計算で見通しを付けてみます。

往復して半波長ですから
(λ/2)=(340/f)/2=0.008*2
f=340/(0.008*2*2)≒11000Hz

まあ、大体の見積もりですから…、


で、
MICを、引っ込めるとノッチが後ろに移動してますね。昔測定したホワイトノイズの時と似ています。

えるなのブログ

セロテープはMICの背面に貼ってあるので引っ込んで4.5mmくらいになります。
先ほどの計算式では
f≒19000Hz
位になります。
(このグラフは、右端が22050Hzで、スイープは20000Hzで終了させております。)
見た感じと大体合ってる?

ホワイトノイズで確認しながら動かすと分布も動いてるです。

干渉によって、ノッチもあれば、出っ張りもありそうですね。

つまり、まだ推測の域なのですが、
一応、DVD面(反射面)にMICのツラを合わせるべきのようですね。

そこらへん(MIC付近)に、フェルトを貼ると無難になるのかどうなるのかな?とも思いマス。
さらに良いかも?

どちらにしろ、
実際に耳に入れて聴くときも干渉は多々ありますし、個人差も出ます。側圧でも変るかも。
10KHz以上は、ヘッドフォン自体の分布がウネくってる場合が多いようです。
でも、カナル型 は、比較的なだらかに思うです。
まあ、それは規模が小さいから可聴域で変な干渉が起こらないのでは?と書いてましたね。

時間があったら、更なる改良としてやっておきたいモノですが、
まあ、可聴域を超えるギリギリのトコなので、
一旦このままでQ701と比較します。(表示がK701となってるのは、…ミスです。)
          (Q701は中途にMICが出っ張ってた可能性大。
          でも やったホワイトノイズ測定と大きく変って見えませんでした。<ナゾ)

えるなのブログ

次に、この2つの画像を重ねてみます。

えるなのブログ

2K~10kの部分が見物ですね。(10K以上はあんまり音程を感じない領域なので、高音としても特殊ですね。)

以前申しましたように、HD650は10Kまでなら若干右下がりですが、一応フラット的というか、なだらかですね。
Q701のキラキラ感というのは3K手前とか、4.5K~9K程度の盛り上がりに起因するのかも。
(それ以上は測定系に寄るモノかも知れないのですが、金属的チャリチャリ感なんかに若干影響出てくるかも。)

っていう感じの感じです。

まあ、f特だけでなく、インパルス応答特性とか他に指標もあるですが…、
発展して、各周波数の減衰特性を見れる「CSD」や、
単発Sin波ショットの様子など…、でも、これは、MICの性能も出そうです。

CSDなら、空気の共鳴と振動板の共振なのか見分けられるかも?
(切り出してもイイのかもですが、トリガリング出来る測定系が有用です。ハイサンプリングな音源も必用)

この手の測定において、HD650は非常に優秀な結果を出しているようです。

また、小さな値の抵抗を直列に繋いで電流の周波数特性も判ると思いマス。
逆数がインピーダンスなのですが、これでも、共鳴の状態が判ったりです。
まあ、昔、スピーカーでやったコトです。

HD650は、鼓膜の位置での周波数特性(diffuse-field equalization)まで考慮されて作られてるそうです。
(同様のコトを念頭においてるのは、Etymotic research社のER-4というカナルイヤホンですね。)

とはいえ、音楽は感性ですので…、

こんどは、
もうちょっと突っ込んで感覚も詳しく説明できればと思いマス。

---------------------------------------------------

追記>
以下に改良した結果を載せておきます。

改良方法はココ です。

こんなかんじに面とMICのツラが合いました。
えるなのブログ



えるなのブログ
ノッチも消えて、イイ感じです。
ということは、やっぱ、前記した干渉だったようですね。

重ねると、
えるなのブログ
です。

--------------------------------------

これには、まだ、ヘッドフォンによっては
10KHz以上で平行な平板としての境界条件要素が出来上がって悪さをする可能性も
無いとも言えないですが、
そんなときは、
 ・スカスカで厚めの吸音材を貼る←比較的カンタンですが、効果の程は…?
 ・斜めの平板を入れる←案外大変
 ・耳たぶを模したモノを入れる←ヒトから型取れば…
で、固有周波数での干渉を避けるのがが良いと思いマスが、計測技術や、再現性以外に、
耳道を通ることも考慮したら、
そもそも10KHz以上って音にそんな精度が必用なのか疑問だったりもしますし、
10KHz以上の音とは普通の音楽にアル音色としても、多くが離散的で音程を感じず
聞こえればれば良いというアバウトさでも、…良いかな~、…とも。

一般の人が言いたい高音って、3~10KHz位の結構低い領域が多いのに気づかず、
最高再生周波数に拘ってる場合の可能性が多いと思いマス。
ヌケや爽快感とは、中高音だという個人的イメージです。

…そのくらい微妙な領域です。10KHz以上は。

-------------------------------------

タグ:ゼンハイザー、AKG