東京メトロに乗って「白金台」の駅から、地図を頼りにゆっくりと歩く。
気持ちのよい晴天、風は冷たくて日当たりのよい場所を選びながらゆっくり…
今年は、益田鈍翁(1848~1938)の没後70年の年になっている。
大正から昭和初期にかけて、近代茶の湯が生まれ、その中心的役割を果たした人物といえる。
先日、日本橋の三井記念美術館に訪ねたことはブログ「日本橋へ」にも書いているが、
この三井物産初代社長が本日展示の数奇者である益田鈍翁である。
森川如春庵は名古屋の数奇者で、若い如春庵の感性を見抜いた鈍翁とは39歳の年齢差をこえて交友を深めていた。
また、今回訪ねた畠山記念館の創設者 畠山即翁も鈍翁から大きな影響を受け、学んだとされる。鈍翁との年齢差は34歳である。
展示される益田鈍翁の遺愛品、自作の書画、茶道具から、少しでも鈍翁の人となりを、近代数奇者の心に触れたいと思う。
心にのこる作品
☆和歌屏風 「松風の おとにひかれてくる友と かたるもうれし 心のとかに 孝」 鈍翁筆 昭和4年
☆共筒茶杓 銘 山月 「庭めぐる 我足もとの薄あかり うしろの山に月やいてけん」 鈍翁作
☆黒楽茶碗 銘 於多福 益田鈍翁作 大正10年
数奇者「益田鈍翁 ――心づくしの茶人――」(2008、10/11~12/14)
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