泥さんが

辛坊治郎氏が語る“三十余年で一番キツかった”民主党政権の言論弾圧 http://yukokulog.blog129.fc2.com/blog-entry-2233.html

なるネトウヨデマにカウンターを浴びせているので、ぱくる。


【辛坊治郎氏が放送でデマを流す】

 高市早苗が「電波停止」に言及したというので批判されているが、辛坊治郎氏によればこんなのは高市早苗のせいじゃないそうだ。
 答弁をこしらえるのは役人だからという。
 民主党時代も同じ答弁をしていたそうだ。


◆コメント引用
「で、民主党時代に、じゃあ放送法第四条がおかしいからやめるって言ったのかとか、違う答弁をしたのかっていうと、そんなことはない。おんなじ官僚答弁 で、その前の増田さんが・・・増田寛也さん?が総務相をやってるときもおんなじ答弁。民主党政権時代に平野さんもおんなじ答弁。今回高市さんもおんなじ答 弁。」
引用ここまで

 辛坊治郎氏と言えば影響力の大きな評論家だ。
 民主党(民進党)を舌鋒鋭く攻撃するその手腕はさすがにプロだと感心する。
 公共の電波を使って全くのデタラメを語るはずがないと、誰もが思っている。
 しかしこれは根も葉もないデマだったのだ。


◆民主党の総務大臣と名指しした相手2人。
1人は総務大臣ではなく、もう一人は自民党政権の総務大臣だった

 辛坊治郎氏によればその答弁は「平野総務大臣」のときと「増田寛也総務大臣」のときの2回だという。
 民主党の大臣で「平野」といえば平野博文氏しかいない。
 調べると、おやおや?

 平野博文氏は一度も総務大臣になったことがないのだ。
 民主党政権の総務大臣は4人いた。
 原口一博氏、片山善博、川端達夫氏、樽床伸二氏だ。
 
 増田寛也氏に至っては、民主党に在籍したことすらない。
 ま、話をはしょったのかも知れないと好意的に解釈しておこう。
 増田寛也氏は第一次安倍政権で総務大臣を務めていた。
 2007年8月27日から2008年9月24日までだ。

 国会議事録で調べると、在任中に、放送法について答弁した回数は19回。
 安倍政権だから色々と物議をかもすような行政指導をしているが、さすがに電波停止というような強権措置を口にしたことは一度もなかった。


 

◆民主党政権は「電波停止命令」を否定していた。

 では民主党政権時代にはどんな答弁がなされていたのか。
 「電波停止」という答弁はゼロ。
 「行政指導」に関する答弁は5回だった。
 2010年3月18日に、つぎのように「電波停止命令」を否定する質疑応答があったので上げておく。


 

○又市征治君 
 大臣にもう一点、放送の関係、一問だけ今日はお聞きしておきたいと思います。
 番組準則は自主性にゆだねた規定であって、行政権力がこれを使って電波法七十六条の電波の停止とか、またそれを脅しに使っての行政指導などを許すような 規定であってはもうこれはもちろんならない、そういうことだと思いますが、この点について改正の大前提として御確認いただきたいと思いますが、いかがで しょうか。


 

○国務大臣(原口一博君)
 まさに又市委員おっしゃるとおりだと考えております。
 電波法第七十六条、無線局の運用の停止の命令は、これは行政手続法の規定に基づき、相手の任意の協力により再発防止を促す目的で実施するものでございます。これまで放送局に処分を実施した例はございません。
 また、三条についても同じでございまして、(中略)。私たちは、今言論のとりでということで、どんな権力からも表現の自由、報道の自由、放送の自由を守ろうということでやっていますが(後略)


 

 「電波停止」を肯定するどころか、否定している。
 命令と書いてあっても命令ではなく任意の協力を得て行うものだと述べている。
 放送は言論のとりでだとして、自由を守ると答弁している。
 高市発言と正反対ではないか。

 誰も調べないと思ってか、高名な評論家がデタラメを語り、電波に乗せる。
 こんな有名人の発言さえ信用できない。
 全部裏取りをしなくてはならないのか?
 やってられるか、そんなこと。

 ふざけた話だが、こんなことをやってても、保守だったら飯が食えるのだ。
 これは一例に過ぎない。
 こんなデタラメが電波に乗ってゴマンと世間に流布され、安倍政権を支えることになっているのだ。
 こんなこと本当に終わらせないと、この国はいつか自滅してしまうだろう。

 
2016年4月3日、NHKの日曜討論での生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎議員の発言。



 このビデオの57分24秒から、山本太郎議員が行っている発言を、以下に書き起こしました。

書き起こし始め
************************
自民党という党を振り返ってみましょう。
毎日がエイプリルフールみたいな政党になっています、今。
野党が共闘して政権交代する以外無いと。

安倍自民は、もうすでに、選挙前にぶら下げるニンジン用意されてますよね。

例えば児童扶養手当。
第二子、第三子に対してお金を倍増しますと、言っています。
新予算で28億円付けてくれた。
でも、ダマされないでくださいよ。選挙の年だけかもしれない。
なぜならば、その前の3年間、51億円、ここ減額されているんですよ。

国がやっているサラ金とも呼ばれています奨学金。
安倍総理、昨年から、これ無利子化を加速させますと言っています。
でも28年度、新規で無利子が増えた数、たったの6000人。1.26%ですよ。

非正規から正規にドンドン雇用を増やしていくと、キャリアアップ助成金。
これで非正規から正規になった雇用は0.07%ですよ。こんなの誤差じゃないのって話です。

選挙が終われば手のひら返されます。
覚えてますか、皆さん、これ。
「TPP断固反対」と言ってたのは自民党ですよ、2012年。
今、どうなってますか?


【自民党は毎日がエイプリルフール?】NHK討論での山本太郎議員発言の書き起こし
http://useful-info.com/yamamototaro-statement-in-nhk-program
より
 2016年03月28日 07時53分

緊急事態条項(国家緊急権)を憲法に盛り込もうという動きが急速に強まっている。参議院選の一つの争点になる可能性も濃厚だ。

今のところ具体的な案としては、自民党の日本国憲法改正草案 98条・99条しかないが、その内容自体、とても問題が多い。

この分野の第一人者の永井幸寿さん(弁護士) はナチス以上の強権だと指摘し、憲法学の木村草太さん は「内閣独裁条項」と喝破した。

私も全く同感で、自民党の緊急事態条項案は、一人ひとりの市民にとって、あるいは立憲主義社会にとって「劇薬のパッケージ」でしかない。

ただ、その点は別稿に譲ることにし、ここでは、「災害の現場に緊急事態条項が必要だ!」という誤った見解をきちんと正しておきたい。

たとえば、"震災関連死が1632名も出たのは憲法に緊急事態の条文がなかったからだ"などという言説が飛び交っているが(日本女性の会 公式ブログ など)、これなどは災害現場を知らないがゆえの大きな誤りと言わなければならない。

東日本大震災で起きたいくつかの出来事を例にとって、考えてみよう。

■トップ制御は、現場に深刻な思考停止をもたらす‥‥【有害】

「緊急事態条項」というのは、ひとことで言うと、国のトップに全ての判断を委ねる超法規的な措置である。

もし本当に緊急事態条項が適用されたらどうなるか。現場は、トップの指示待ちモードに陥って思考停止となるだろう。

(1) 宮城県石巻市での大川小学校では、児童・教職員84名が死亡・行方不明という悲惨な結果を生んだ。その原因について検証委員会が報告書 をまとめている。

事 実未解明な部分も多いが、ここで注目すべきは、そのときトップで指揮するはずの校長が不在で、現場の教職員たちは指示を仰ぐため校長や市教育委員会に電話 をかけたがつながらず、裏山に登って逃げたいという児童の意見は無視され、その結果、無為に50分が過ぎて津波に巻き込まれてしまった点である。

その場にいる当事者の意見よりも、その場に不在のトップの指示を優先しようとした組織人的なスタンスが痛恨の極みである。

(2) これと対照的に、岩手県釜石市では、市内の小中学校の児童・生徒が即座に避難した。その生存率は99.8%にのぼり「釜石の奇跡」と言われている。

平素から指導に当たっていた片田敏孝(群馬大教授)は、「想定にとらわれず、自ら率先してベストを尽くせ」と子どもたちの各自の判断を尊重する防災教育を浸透させてきた。上意下達の組織判断ではなく、一人ひとりの自律性の尊重。そのスタンスが命を守ったのである。

大災害時の緊急事態で、一人ひとりが持っている権限を吸い上げ、トップにそれを集中するよう切り替えるなどという条項は、現場の思考力を停止させる有害な条項だ。


■中央主導の災害対策は命を危険にさらす‥‥【危険】

(1) 原発事故では、突然の強制避難を強いられたために患者50人が犠牲となった福島県大熊町の双葉病院事件が知られているが、これは原発事故避難計画を立てていなかったことに大きな原因がある。計画の作成を求めなかったのは、ほかならぬ国である。

(2) 国はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)によって、ほぼ正確に放射能飛散を予測していた。しかし、混乱等を心配してその公表を避けた。

福 島県浪江町の馬場有・町長は、政府から連絡ひとつ無い中、テレビを見て自主的に全町避難を決断し、北西方向に避難した。その避難路は、放射性物質の飛散方 向と一致しており、放射能汚染地域をなぞるように避難したのだ。政府事故調はSPEEDIの情報が提供されていれば「より適切な避難経路や避難方向を選ぶ ことができた」と指摘した。

国は、事前にも、事後にも、正しい判断をするとは限らない。国益優先、混乱防止、秩序維持のためであれば、一人ひとりの命は後回しになる可能性が高い。

現にそのようなスタンスで一人ひとりが犠牲にされている政策は、枚挙に暇がない。

(3) 私は、地域で700数十名が死亡・行方不明となった宮城県名取市の閖上地区の第三者検証委員会の一委員として惨事の原因究明に当たった。

そ の中で、分かったことだが、市は1999年に住民と共に津波8m予想の「津波防災マニュアル」を作成していた。ところが、2004年に宮城県が2.6mの 統一的な津波被害想定を出したため、甘い想定で海に近い公民館を避難場所に指定したという事実があった。現場のことは現場が判断するのが正しく、現場から 離れた上位者に従うのは危険。そう感じた。

緊急事態条項は、一人ひとりの小さな命よりも国益や統一性を重んじた災害対策となりがちであり、それを容認するシステムであるから、私たち一人ひとりの命にとって、むしろ危険というべきである。


■権限集中は180°逆方向‥‥【邪魔】

先に紹介した日本会議の女性組織は、震災関連死の原因は、緊急事態条項が憲法に欠けていたところにあるなどとコメントしていたが、ピントはずれも甚だしい。政府の見解も同様だ。

(1) 確かに、災害直後の避難所や仮設住宅での暮らしはひどいものだった。被災者の方々を思い浮かべると今も胸が詰まる。

では、そこに欠けていたものは何か?ひとことで言えば、「人権保障」の軽視である。もし、緊急事態条項が働いていたら、人権保障を停止してしまうのだから、被災地の状況はさらに悪化し、想像を絶する悲惨な状況に置かれていたに違いない。

法制度の技術面でいうと、①第1に災害救助法が戦後直後を想定した古すぎる運用水準であること、②第2に災害救助の実践があまりにも準備不足だったこと、③第3に災害救助の実施権限が都道府県(災害対策基本法は市町村)という権限の複雑なねじれがあったことが原因だ。

この点は、東日本大震災前からも、発災直後も指摘されていた が、未だに改善されず放置されている。平時における国の怠慢にほかならない。

その結果、必然的に生じたのが災害関連死。2016年2月末時点で岩手・宮城・福島3県の関連死者数は3405人にのぼり、今も増え続けている。

関連死を防ぐために必要なのは、中央の緊急事態条項ではない。一人ひとりの被災者に寄り添う現地の人々の手とつながりだ。

2016年3月末、陸前高田市での相談の場で、ある被災者が「震災直後より今の方が辛い」と語った。空想の世界における災害対応の前に、いま目の前で苦しんでいる被災者に対して為すべきことがあるだろう。

関連死の防止を最優先課題に挙げることさえしない政権に、関連死を引き合いに出して、改憲を語る資格はない。

(2) 東京新聞が被災自治体の首長にヒアリング調査した ところ、緊急事態条項が必要だとする意見はほとんどなく、「むしろ現場に権限を下ろしてほしい」と語った。菅原茂・気仙沼市長は、「緊急事態条項があれば、人の命が救えたのか。災害対策基本法の中にある災害緊急事態条項で十分だ」と明快にコメントを寄せている。

私たちが独自に被災地自治体に調査をした結果もほぼ同じだった。首長たちは目の前の被災者を救うために、中央から具体的な権限の移譲を求めていた。災害対応のために改憲を望む声など、無きに等しかった。

もし、「いざというときは中央がなんとかしてくれる」と思ったら人はどうなるだろう。日頃の多忙を優先して、準備を怠る可能性が大である。現場における災害への日常の備えに対するブレーキとなることは必至だ。

結局、緊急事態条項は、現場や自治体から権限を奪って日頃の準備を鈍らせ、ピント外れの中央目線で被災地を仕切ることにより現場に混乱をもたらし、被災者を苦しめる邪魔物でしかない。


■緊急事態条項を憲法化しようとする真意とは

緊急事態条項が、災害の現場にとって「有害」であり、「危険」であり、「邪魔」であることは、ここで挙げた一例にとどまらず、たくさんの立法事実によって説明できる。

東日本大震災で「おかしい」と指摘されてきた事態は、立法事実に基づき、個別の災害法制を正すことによって、制度的にはすべて解決することができる。

むしろ、憲法をいじるよりも、個別の法制をメンテナンスしないと現実に役立たない。なぜなら、現場の行政は、憲法の条文をめくるより前に、個別の災害法制の規定に従って働くからだ。当たり前だ。

災害をダシにして、緊急事態条項を憲法化しようとする動きは、立法事実に真っ向から反するものであって、法的にはまともな議論とはいえない。

おそらく、①災害の現場や法制を知らない善意の意図か、②これを機会に改憲を実現しようとする目論見か、どちらかだろう。

私たちは、前者の方々には災害の現実を知っていただく努力を尽くしたい。そして、後者の方々には正面から意図を問い質したい。
2016年3月24日 21:04
<沖縄基地の虚実6>「年1日使用」も合算 「常駐」施設74%、沖縄に
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244949.html

  北海道東部にあり、自衛隊最大の演習場でもある陸上自衛隊矢臼別演習場(面積約1万8600ヘクタール)。この基地は日米地位協定2条4項のbで定められ た米軍が一時使用可能な自衛隊施設(2-4-b施設)に指定されている。同演習場に隣接する標茶町によると、矢臼別では米海兵隊が毎年1度、約2週間の砲 撃訓練を行っている。沖縄から移転した県道104号越えの実弾演習だ。この他に日米共同訓練が行われることもあるが、ことしの実績はこちらも2週間で、日 米共同訓練の実施は2012年以来、4年ぶりの出来事だ。米軍による矢臼別演習場の使用日数は、概して年に2週間程度だ。

 防衛省は矢 臼別演習場などの「2-4-b施設」を「在日米軍施設・区域」と表現し、分類している。この分類に沿うと、米軍による矢臼別の使用は年に2週間程度でも、 統計上は「在日米軍施設」扱いとなる。さらに同演習場は全国で最大の自衛隊施設であると同時に、全国最大の「在日米軍施設」としても位置付けられている。
 沖縄の基地負担をめぐり「沖縄の米軍基地面積は日本全体の74%と言われるが、実は23%だ」という主張がしばしば聞かれる。だがこの「23%」は、実は先に挙げた矢臼別のような、米軍が一時的に使用できる自衛隊基地を含んだものだ。
 これらを含んだ場合、日本で最も多くの「在日米軍施設・区域」面積を抱える都道府県は、沖縄ではなく北海道となる。矢臼別の他にも米軍が一時的に利用できる上富良野中演習場、鹿追然別中演習場など大型の自衛隊基地があるからだ。
 一方、沖縄に74%が集中しているのは、日米地位協定に基づき米軍が排他的管理権を有し、基地の運用に関して日本の法律が適用されず、米側に「治外法 権」を認めた「米軍専用施設」のことを指す。これら米軍専用施設は日米地位協定上も、先の「2-4-b」施設とは別に、同協定2条1項aで位置付けが規定 された「米軍基地」(2-1-a施設)だ。また米軍専用施設の沖縄への集中度は、防衛省も公式に「74%」という数字を採用してきた。
 ではこれら米軍が一時使用できる自衛隊基地に関して、米軍による実際の使用状況はどうなっているか。
 防衛省はこのうち航空施設に関する14年度の米軍による使用日数について「記録に漏れがある可能性があるが、大きくは違わない」と前置きした上で、琉球新報に回答した。するとほとんどが年に30日未満で、数日の事例も散見された。
 内訳は、最多が北海道の千歳飛行場で55日。宮崎県新田原が33日、茨城県百里基地が18日、愛知県小牧基地が14日、福岡県築城が5日、那覇が4日、静岡県浜松基地が3日、鳥取県美保飛行場が2日、新潟と岐阜がそれぞれ1日だった。
 一方、県は米軍専用施設の一つである米空軍嘉手納飛行場の飛行訓練の実態について、騒音測定を基にこう分析する。「年間で正確に何日間飛行したという記 録はないが、平均すると、日曜でも多いところで1日20回程度は離着陸の騒音が測定されている。ほぼ年中、米軍機の飛行が行われているとは言えるだろう」
 同じ「在日米軍施設・区域」と分類される施設でも、米軍専用施設と、米軍が一時利用できる自衛隊施設では、米軍の使用頻度に大きな開きがあるのが実態 だ。つまり「沖縄の米軍基地は、実は日本全体の23%」という主張の基となっている数字は(1)米軍が管理権を持ち、日常的に使用する専用施設(沖縄に 74%が集中)(2)使用実績にかかわらず、制度上、米軍の一時利用を認めている自衛隊基地-を混ぜ合わせて算出したものだ。
 「23%」とする主張は、それらを混ぜた数値を示すことで、74%という数字に表れた「沖縄の過重な米軍基地負担」を薄めようとする狙いもあるとみられる。(島袋良太)



【琉球新報】2016年3月24日 21:13
<沖縄基地の虚実7>専用施設、米軍に「特権」 地元の事故調査も制限
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244950.html
 「支配の及ばない第三者の行為の差し止めを請求するもので、主張できない」

  1994年2月24日。嘉手納基地爆音訴訟で那覇地裁は、騒音被害への賠償は認めたものの、米軍機の深夜・早朝の飛行差し止めを求める住民の訴えを棄却し た。この判断は第2次嘉手納爆音訴訟や米軍普天間飛行場の爆音訴訟でも継承されてきた。たとえ日本国内だとしても、日本側には米軍機の離着陸を制限するこ とができないとする司法判断を示したことになる。
 米軍に対する法的な特別扱いが如実に表れたのが、2014年5月と15年7月の厚木基地騒音訴訟の判決だ。横浜地裁と東京高裁は、米軍が管理権を有し、 自衛隊が共用する厚木基地について、自衛隊機の夜間・早朝の飛行を禁止した一方、同時間帯の騒音の大部分を占める米軍機の飛行差し止め請求は退けた。同じ 軍用機の飛行という行為だが、主体が自衛隊か米軍かで司法の制限に違いが出るねじれを生じさせた。
 しばしば「沖縄の米軍基地面積は実は日本全体の23%」という主張が聞かれる。だがこれは米軍が排他的管理権を持ち、日常的に使用する米軍専用施設だけ でなく、「米軍も一時的に利用できる自衛隊基地」を母数に含めたものだ。米軍専用施設の面積で比較すれば沖縄に74%が集中する。
 どちらの施設であれ、主に米軍か自衛隊が使用する軍事施設であることには違いない。だが前記の判決のように、米軍の運用をめぐっては、日本の法規制が適用除外される形で米軍に「特権」が認められ、周辺住民の生活被害が救済されにくい構造が横たわる。
 では「23%説」の母数に含まれる「米軍が一時的に使用可能な自衛隊基地」を実際に米軍が一時利用する場合の運用はどうなっているのか。
 まず自衛隊基地の管理権は日本側が有する。そのため周辺自治体と防衛省が米軍の使用に関する条件を定めた協定を結んでいる事例が多い。これらの協定は、 米軍の訓練に「年間何十日まで」と上限を設定したり、訓練内容について、地元への事前通告を義務付けたりするものが一般的だ。通告は訓練の期間、時間帯、 使用する航空機や武器など主な機材、参加人数などを知らせている。日本側が管理権を持つことで、米軍の運用に一定の制限が設けられていると言える。
 一方、米軍専用施設の場合は状況が異なる。
 例えば米空軍嘉手納基地や嘉手納弾薬庫に隣接する嘉手納町によると、嘉手納で爆発音やサイレン音を伴う即応訓練やGBS(地上爆発模擬装置)訓練を行う 際には、町に内容が事前通知されることもある。だが通知は米軍の義務ではなく、町は「住民から騒音などで苦情があり、確認すると、こうした訓練が行われて いたと分かることもしばしばある」という。
 嘉手納では県外や海外にある米軍基地からの外来機の飛来訓練も恒常化しているが、事前通知されることは皆無に等しい。沖縄の米軍基地から本土の自衛隊基地に訓練移転する場合は、その詳細が地元に事前に伝えられるのとは対照的だ。
 深夜・早朝の飛行に関しては、これを規制するために日米が結んだ騒音規制措置も存在するが、守られないことが常態化している。米軍が「飛行は運用上、必要だ」と主張すれば、日本側は制限できない仕組みになっている。
 米軍専用施設の場合、基地内での汚染物質の流出や墜落事故が発生し、周辺地域の生活環境に懸念がある場合でも、米側が許可しなければ日本側は立ち入り調査もできない。
 13年には宜野座村の米軍キャンプ・ハンセンにヘリが墜落する事故が発生し、米軍が行った現場調査で日本の環境基準の74倍に相当する鉛、21倍のヒ素 が土壌から検出された。墜落現場から約70メートルの場所には住民の飲料水に使われる大川ダムがあり、村は取水を緊急停止した。
 村は自らも土壌調査などを行うため立ち入り調査を米軍に求めたが、調査が実現したのは事故の4カ月後。しかも土壌採取は認められなかった。県は7カ月後に立ち入りを認められ、その際に初めて、地元による土壌調査が行われた。
 04年に発生した沖縄国際大のヘリ墜落事故では米軍が事故現場を閉鎖し、警察や消防が立ち入りを拒否され、現場が突如“基地外基地”と化す事態も起きている。(島袋良太)
【琉球新報】2016年3月24日 19:19
<沖縄基地の虚実3>九州拠点が効率的 「強襲揚陸作戦」の足かせ
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244846.html

ホワイトビーチに入港した佐世保基地所属の強襲揚陸艦ボノム・リシャール(左)とドック型揚陸艦グリーンベイ=2015年8月28日、うるま市勝連のホワイトビーチ

  日本周辺にある「潜在的紛争地」について、政府はこれまで朝鮮半島と台湾を挙げ、沖縄の米海兵隊はこうした事態に対応する「抑止力」であり、沖縄は駐留地 として地理的優位性を有していると強調してきた。まず北朝鮮をめぐってはミサイル問題が注目されているが、ミサイル攻撃を迎撃するのは主に空軍、陸軍だ。 またミサイル攻撃に対するカウンターミサイル反撃は主に近海を航行する潜水艦などが行い、これは海軍が運用する。では陸戦部隊である在沖米海兵隊が、朝鮮 半島有事の際にどう動くのか。

 かつて在沖米国総領事を務めたアロイシャス・オニール氏は退任後のインタビューで、在沖米海兵隊の有事対応についてこう述べている。
 「佐世保(長崎県)の強襲揚陸艦が海兵隊員を拾った上で、例えば朝鮮有事に送る」
 強襲揚陸艦は有事への対応に際して兵士、物資、戦闘機、ヘリコプター、水陸両用車などを載せ、沿岸部から内陸への侵攻を行う米海兵隊の主要任務である 「強襲揚陸作戦」を支える重要な基盤だ。在沖米海兵隊と行動を共にする強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」は佐世保を母港とする。
 この強襲揚陸艦を伴い在沖米海兵隊が朝鮮半島へ向かう場合、まず佐世保からうるま市ホワイトビーチへ30~32時間をかけて南下し、牧港補給地区から物 資、キャンプ・ハンセンから兵員、普天間飛行場から航空機を艦上に載せ、再び朝鮮半島へと北上する。つまり一刻を争うはずの有事に南下と北上を繰り返す非 効率な「回航問題」が生じる。
 在日米軍の動向を監視している市民団体「リムピース」の篠崎正人編集委員によると、強襲揚陸艦がホワイトビーチから朝鮮半島の韓国釜山へ向かう場合、移 動時間は通常だと35~40時間かかることになる。佐世保から沖縄への南下、朝鮮半島までの北上を合計すると、現地到着までに約70時間を要する。一方、 佐世保から直接釜山へ向かえば、到達時間は8~12時間で済む。米海兵隊の駐留地について沖縄の「地理的優位性」を主張する言説に対し、県などが「九州な どの方が軍事的に効率的だ」と反論するゆえんだ。
 そもそも在沖米海兵隊の即応部隊である第31海兵遠征部隊(31MEU)はこの強襲揚陸艦に乗り、1年の約半分は洋上で巡回展開している。その行動範囲は西太平洋、東南アジアと定められているが、最近はオーストラリア東海岸まで出向くことも増えた。
 仮に朝鮮有事が発生すれば、その展開先から現地へ向かうことになり、拠点を沖縄と日本本土のどちらに置くべきか、という議論とは比べものにならない距離を日常的に移動している。
 「九州などの方が近い」という地理的優位性に関する議論を受け、政府は近年、沖縄は潜在的紛争地に「近い(近過ぎない)」という説明をするようになって いる。2011年、防衛省が冊子「在沖米軍・海兵隊の意義および役割」を発行したことを受け、県が質問状で沖縄の「地理的優位性」の根拠を防衛省に質問 し、寄せられた回答だ。国は現在行われている名護市辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐる代執行訴訟でもこの見解を主張している。
 県は国が主張する「近いが近過ぎない」の概念について、具体的な距離などを示すよう求めてきたが、政府は「その時々で変わり得る」と実質的に回答を拒否 してきた。県は「検証不能で詭弁(きべん)としか言いようがない」と述べ、地理的優位性論の根拠の薄弱さを強調する。(島袋良太)





 委員会が是正指示を適法と判断すれば、県は国との訴訟の和解条項に基づき、これを不服として福岡高裁那覇支部に提訴する。違法ならば委員会は国に取り消しを勧告。国が応じない場合も、県は訴訟を起こす方針だ。(共同通信)



【琉球新報】2016年3月24日 20:46
<沖縄基地の虚実4>96年 海兵隊動かず 展開主軸は海・空軍
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244930.html

  初となる台湾総統選を控えた1996年3月。台湾独立派の象徴だった李登輝氏の優勢が伝えられると、中国は台湾近海にミサイルを発射し、台湾海峡対岸で大 規模な軍事演習を実施するなど威嚇行動を始めた。これに対し、ペリー米国防長官(当時)は3月9日、横須賀を母港とする空母インディペンデンスを台湾近海 に派遣し、さらに同11日にはペルシャ湾から原子力空母ニミッツを増派、周辺に空母打撃群を展開し、中国側をけん制し、一気に緊張が高まった。

  中国側の台湾近海へのミサイル発射は台湾に対する圧力であると同時に、米艦船が台湾海峡に侵入した場合、それを撃沈して排除するというメッセージでもあっ たとみられる。対する米軍は空母打撃群の展開で中国に「譲らない」メッセージを送り返したが、米空母は中国軍がミサイルを発射していた海域とは距離を置き 続けた。
 この際、米軍は併せて潜水艦なども派遣した。米中危機の様相も呈したこの展開は世界中のメディアで報道されたが、「即応部隊」であるはずの在沖米海兵隊を載せた強襲揚陸艦の姿は台湾近海になかった。米軍は海軍と空軍による対応を主軸としていた。
 米海兵隊の駐留場所をめぐり、朝鮮半島有事に対応する場合は沖縄よりもむしろ九州が近いと主張されるのに対し、反論としてしばしば持ち出されるのは台湾海峡への距離だ。政府も日本の近くにある「潜在的紛争地」について、朝鮮半島と台湾海峡を挙げてきた。
 米軍普天間飛行場の移設問題に関する県とのやりとりなどでも国は沖縄と台湾の近さを引き合いに「緊急事態で1日、数時間の遅延は軍事作戦上致命的な遅延 になり得る。県外駐留の場合、距離的近接性を生かした迅速対応ができず、対処が遅れる」と主張してきた。だが専門家の間からは、台湾海峡有事の際に地上部 隊である米海兵隊が真っ先に果たす役割は、ほとんどないと指摘されてきた。
 過去に米国防総省系シンクタンク「アジア太平洋安全保障研究センター」准教授などを務め、日米関係と安全保障に詳しいジェフリー・ホーナン氏は「台湾危 機はまず海空軍の戦い。いざ戦うことになれば、それは第7艦隊(拠点・横須賀)と第5空軍(司令部・横田)だ。台湾有事と朝鮮半島有事で海兵隊がどのよう な役割を果たすのか疑問だ」と指摘する。
 では中国軍が台湾本土に侵攻し、地上戦が繰り広げられる事態はあるのか。
 軍事評論家の田岡俊次氏は、昨年11月に台湾総統府が行った世論調査で「現状維持」を望む人は88・5%で、「独立」を望むのは4・6%にすぎず、蔡英 文次期総統も現状維持を公約していると指摘。「そもそも中国が台湾に侵攻する事態はまず起こらない」と否定的な見方を示す。
 それでも仮に中国が台湾に侵攻する場合はどうか。田岡氏によると、現在の中国軍の輸送能力で渡海できるのは最大2個師団(2万~3万人)程度。一方、台 湾陸軍は20万人、さらに戦車千両余の兵力を擁する。比較して、在沖米海兵隊の戦闘部隊である第31海兵遠征部隊は同じ地上部隊だが、兵力は台湾陸軍のお よそ100分の1、約2千人だ。
 田岡氏は「中国軍が台湾陸軍を地上戦で制圧するのは不可能だ。米軍が関与するとしても、台湾近海に航空母艦を派遣する程度で、海兵隊の出番はない」と指摘する。(島袋良太)



【琉球新報】2016年3月24日 20:55
<沖縄基地の虚実5>嘉手納に絶大な力 「全米軍が撤退」とすり替え
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244942.html

 「力の空白をつくらないことが大事だ」「米軍基地は日本の抑止力としてのプレゼンス(存在)を維持する点で必要だ」

  2015年5月、米軍普天間飛行場の地元への受け入れを拒否する稲嶺進名護市長と初会談した中谷元・防衛相は会談後、記者団にこう述べ、辺野古移設の必要 性を強調した。しかし県や名護市、多くの県民が求めているのは在沖米軍や在日米軍全体の即時撤退ではない。普天間飛行場の県内移設の見直しを求めている。 普天間問題に絡み、「沖縄から米軍が撤退すれば中国が攻めてくる」といった言説も散見され、移設問題が印象論で議論されていることは否めない。
 普天間の県内移設をめぐってはしばしば「中国脅威論」が引き合いに出される。だがミサイル能力や海軍力の強化に力点を置く中国軍を念頭に置けば、地上部 隊と連携するヘリコプターの基地である普天間飛行場ではなく、嘉手納などに拠点を置く空軍力や、横須賀などに拠点を置く海軍力が圧倒的に「抑止」の機能を 有している。仮に普天間を閉鎖しても、沖縄に軍事力の「空白」が生まれることにはならない。
 インターネット上でも、フィリピンから1992年に米軍が撤退し、その後フィリピンが中国との間に南シナ海のスカボロー礁の領有権をめぐる紛争を抱えたことを引き合いに「沖縄の米軍基地が必要」だとする主張が見られる。
 だが92年のフィリピン撤退の事例はクラーク空軍基地とスービック海軍基地の2大拠点の閉鎖をはじめ、全ての米軍が撤退したことを指す。ヘリ基地である 普天間飛行場の移設問題をフィリピンの米軍撤退と単純比較しての議論は合理的とはいえない。県などは普天間飛行場を日本本土に移設することも選択肢として 主張しており、その場合、米海兵隊のヘリ部隊が日本から撤退することにはならず、その点でもフィリピンの事例とは異なる。
 では普天間を差し引いた場合、沖縄の基地負担はどれほど残るのだろうか。
 沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)の調べによると、嘉手納飛行場と隣接する嘉手納弾薬庫を併せた面積だけで、横田、厚木、三沢、横須賀、佐世保、岩国の県外主要米軍6基地を合計した面積の1・2倍に相当する。
 佐藤氏は「普天間を閉鎖しても、沖縄はなお応分以上の負担をしている。沖縄の負担軽減要求は全く正当なものだ」と指摘する。
 機能面はどうか。オバマ米政権で国務副長官を務めたジェームズ・スタインバーグ氏と米有力シンクタンク「ブルッキングズ研究所」のマイケル・オハンロン 上級研究員が2014年に発表した共著『21世紀の米中関係』で、資産価値の高い米国外の基地に触れ、その代表例として「沖縄の嘉手納基地」に言及してい る。
 同論文は仮に太平洋地域で嘉手納基地の機能がなければ、米軍はその代わりに4~5の空母打撃群を展開しなければならないとした。さらにその費用は「年間 250億ドル(約3兆円)かそれ以上」と評価した。嘉手納基地があるだけで、年間3兆円もの費用に相当するほどの安全保障を沖縄が負担していることにな る。
 佐藤氏は「県内ですら、米軍のどの軍種にどのような役割と機能があるかがあまり理解されていない。ましてや県外では『米軍』とひとくくりにされ、ひどい 時には嘉手納基地の存在すら知らない人も多い」と指摘する。「それに乗じて沖縄に基地負担を押しとどめたい人たちが、あえて『米軍撤退』という表現を用 い、普天間問題の本質を隠している場面もある」と述べ、沖縄側からの効果的な情報発信が必要だと強調する。(島袋良太)
【琉球新報】2016年3月24日 18:39
<沖縄基地の虚実1>主役は海・空軍 海賊脅威、日本周辺になし
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244818.html

 「沖縄はわが国のシーレーン(海上交通路)に近い、安全保障上極めて重要な位置にある」

 中谷元・防衛相は昨年12月、報道各社とのインタビューで力説した。米軍普天間飛行場を県外・国外ではなく、名護市辺野古に移設する理由の一つとして、在沖米海兵隊によるシーレーン防衛任務を挙げた。
 シーレーン防衛は敵対国による海上封鎖などの事態が起きた時、ミサイルや魚雷を載せた潜水艦の派遣や海中に敷設された機雷除去への対処、周辺の制空権の確保などが主な作戦行動だ。こうした任務を担うのは海軍や空軍だ。
 これに対して海兵隊はヘリや水陸両用車に乗った歩兵部隊を海岸から内陸部に上陸させる「殴り込み」による強襲揚陸作戦や、陸上鎮圧の特殊作戦などが主任 務となっている。海上封鎖を防いだり阻止するシーレーン防衛で、海兵隊がどれほどの役割を果たすのか。専門家からは大きな疑問が投げ掛けられている。
 辺野古代執行訴訟で裁判所に提出された準備書面でも在沖海兵隊の「抑止力」の内実と辺野古移設の合理性をめぐって、県と国双方が激しい応酬を繰り広げて いる。県側は準備書面で、シーレーン防衛では対潜作戦に対応する第7艦隊(米海軍)などが「重要な位置付けを有している」とした上で、「シーレーン防衛と 沖縄県内への海兵隊輸送機の駐留の必然性について合理的根拠が示されていない」と強調し、海兵隊の沖縄駐留はシーレーン防衛とはほとんど無関係だとの主張 を記している。
 対する国側はシーレーン防衛の意義付けについて「対潜作戦と対機雷作戦に限られるものではない」との見解を示した上で、2国間・多国間の共同訓練、シーレーン沿岸国などの海上保安能力向上の支援などを挙げて、任務は「多岐にわたる」と反論している。
 反論で示された「役割」について、国は海兵隊の運用や作戦との因果関係に絡めて抽象的な表現を列挙しながら、その中で具体的な事例を一つ挙げている。
 「米海兵隊は例えばアデン湾・ソマリア沖で海賊対処に当たっており、シーレーン確保のための任務を遂行している」
 中東とアフリカにまたがるアデン湾・ソマリア沖の海賊に対する商船などの護衛は現在、日本の自衛隊を含め各国の軍隊や民間軍事企業がすでに行っている。
 確かに米海兵隊は2010年、海賊に乗っ取られた貨物船を未明に奇襲して奪還する作戦を実行したことがある。しかし任務に当たったのは米西海岸のキャン プ・ペンデルトンに拠点を置く第15海兵遠征部隊であり、参加した兵士はわずか24人だ。遠く位置する沖縄の海兵隊が中東・アフリカ地域まで出向いて海賊 鎮圧に加勢することに、中谷防衛相が主張する沖縄の「地理的優位性」を見いだすことは難しい。
 一方で「わが国のシーレーンに近い」沖縄の周辺海域で、一国のシーレーン維持を脅かすような活動を展開している海賊は存在していない。
 中東やアフリカを管轄する米中央軍は2014年9月、傘下に特殊作戦などを手掛ける海兵隊の「特別目的海兵空陸任務部隊(SPMAGTF)」を新たに設 立した。部隊規模は2300人。危機、災害、人道支援、特殊任務などに従事する在沖の第31海兵遠征部隊(MEU、約2千人)とほぼ同規模だ。
 中東やアフリカに拠点を置く実戦部隊が存在している現在、仮にソマリア沖などで海賊対策が必要となった場合、現地のSPMAGTFで対処するのが作戦の流れとしては自然だ。
 一方、米海兵隊は沖縄に駐留する実戦部隊をグアム、ハワイ、オーストラリアなどに分散移転する計画を進めている。MEUやSPMAGTFを世界各地に編 成し、危機や小規模紛争への対応、特殊作戦などに従事する機能を分散しているのだ。沖縄部隊の分散配置を進める現状を見ると、在沖の部隊の守備範囲はむし ろ狭まっていると言える。
 それでは政府が普天間飛行場の辺野古移設が不可欠だとする理由の一つとして挙げるシーレーン防衛の危機が、沖縄の近くで現実として起こり得るだろうか。そしてその対処を沖縄を拠点にした米海兵隊が担う可能性はあるのだろうか。
 軍事評論家の田岡俊次氏は南シナ海での有事を挙げてこう分析する。
 「南シナ海を『沖縄近海』と言えるかは微妙だが、嘉手納基地所属のP3哨戒機が南シナ海で巡視していることを考えると、そう言えなくもない。南シナ海で は例えば中国とフィリピン、ベトナムなどの海軍艦艇の撃ち合いが発生すれば、日本の商船も危険性を理由に通航を避ける可能性もあるだろう」
 こうした有事に在沖米海兵隊が出動するかについて、田岡氏は「対処するのは海軍だ。陸戦部隊の海兵隊は基本的には関係ない」ときっぱり否定した。
 現在、日本は東・南シナ海経由で原油の約8割を輸入している。資源輸入国の日本にとって南シナ海は重要な航路だ。南シナ海が有事で断たれた場合、日本の 資源輸入は不可能となるのかについて、田岡氏は「紛争などで南シナ海を通れなくても、インドネシアバリ島の東、ロンボク海峡を抜け、フィリピン東方を回れ ば済む」と指摘する。
 田岡氏の調べによると、ペルシャ湾から東京湾までの原油の運賃は、南シナ海経由で巨大タンカーだと1リットル当たり1円余り。ロンボク海峡を通れば、南 シナ海経由より10銭程度高くなる。しかし日本に到着し、精油したものを都内のガソリンスタンドに届ける陸送費は1リットル当たり約10円だ。
 「石油価格は為替相場や原油市場の影響でリットル何円単位で動いており、シーレーンの迂回(うかい)による『10銭』程度は全体の値動きに影響しない」と田岡氏は説明する。
 安倍晋三首相は昨年6月の衆院安保法制特別委員会などで、南シナ海に機雷が敷設された場合の集団的自衛権行使を問われ「南シナ海ではさまざまな迂回路があり、ホルムズ海峡とは大きく違う」と答弁し、存立危機事態に当たらないとの判断を示している。(島袋良太)
     ◇     ◇
 在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄。その合理性や基地と経済、歴史的経緯などをめぐり、沖縄の負担を正当化する議論があり、基本的認識への誤解も散見される。その虚実を検証する。


【琉球新報】2016年3月24日 19:05
<沖縄基地の虚実2>自衛隊まず対応 米軍は「支援」「補完」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-244831.html

中国との間で領有権争いが問題化している尖閣諸島。中国が侵略した場合には米軍が即時、自動的に奪還作戦をするという言説があるが、日米防衛協力の指針では、島嶼防衛の一義的責任は自衛隊が負うと定めている

  2015年5月、県庁で翁長雄志知事と初会談した中谷元・防衛相は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の必要性を力説し、中国公船の尖閣諸島周辺海域へ の侵入を挙げた。米海兵隊の重要性を説くものだった。現状では日本側だけで中国船に対処していると説明した上で「自衛隊や海上保安庁もこの対応が大変だ」 と述べている。そして中谷氏はこう続けた。「先日の日米防衛相会談でも尖閣諸島でも安全保障条約におけるコミットをすると再確認した。沖縄は戦略的に極め て重要な位置にある」。つまり仮に現在よりも緊迫した尖閣有事が起きれば、米軍が即座に自動的に海兵隊を派遣し、奪還作戦を行うことを念頭に置いたとも受 け取れる発言をしている。

 インターネット上などでは、尖閣有事が発生すれば海兵隊員が尖閣に急行し、中国軍を撃破、島を奪還する筋書きが示され、米海兵隊を沖縄に置き続ける根拠として挙げられている。
 一方、15年4月に改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)では、日本に対する陸上攻撃への対応をこう明記している。
 「自衛隊は島嶼(とうしょ)に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除する作戦を行う一義的責務を負う。必要が生じれば、自衛隊は島嶼を奪還する作戦を実施する」
 つまり他国から尖閣への武力侵攻に対しては自衛隊が一義的な責務を負うとしており、米軍が最初から軍事攻撃に加わることを想定していない。むしろ指針では米軍について「(自衛隊を)支援し、補完するための作戦を実施する」と定めている。
 13年4月、米議会上院が設置する米中経済安全保障調査委員会で「東・南シナ海における海洋紛争」に関する公聴会が開かれた。参考人の一人に米海軍シン クタンク「海軍分析センター」のマイケル・マクデビット上席研究員が招かれた。同氏は退役海軍少将で主にアジア太平洋の安全保障に精通し、ブッシュ政権時 には国防総省でアジア政策を統括した。
 尖閣をめぐる日中の紛争を問われたマクデビット氏は、米政府が尖閣諸島を日米安保条約の対象だと公式に説明したことに触れ、「米国はこれらの島をめぐる 防衛では日本側を『支援する責務』がある」と述べた。だが続けて、安倍晋三首相がその2カ月前に首都ワシントンでの講演で「尖閣について日本は米側にあれ やこれをしてほしいと頼む意図はない。自国の領土は今も将来も自分で守るつもりだ」と述べたと強調し「ホワイトハウスは、尖閣防衛では日本が主導的役割を 果たすことを明確にすべきだ」と続けた。
 その後、マクデビット氏はより露骨な考えを示した。
 「尖閣には元来住んでいる住民もおらず、米国にとって地理的な戦略的価値も、本質的な価値もない。ワシントンは無人の小島のことで中国軍と銃弾を交えることを強く避けるべきだ」
 昨年改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)で、島嶼(とうしょ)防衛における米軍の役割が自衛隊の「支援」と定められる中、支援の具体的な内容 は米政府から示されておらず、あいまいだ。尖閣問題で「米政府は無人の小島のことで中国軍と銃弾を交えることは強く避けるべきだ」との見解を示した米海軍 分析センターのマイケル・マクデビット上級研究員(元海軍少将)は米側が担う「支援」の具体例として「監視、補給、技術指導」を挙げている。
 「抑止力」の意味について政府見解はこう定義している。
 「侵略を行えば耐え難い損害を被ることを明白に認識させることで、侵略を思いとどまらせる機能」
 一方、元防衛官僚で内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏は「離島防衛は陸上自衛隊が主体で、米軍の役割はその支援に限られる。日本政府は『海兵隊は抑止 力だから沖縄に必要だ』としているが、米国は日本の離島防衛で海兵隊を出す気はない。つまり抑止力じゃない」と指摘する。
 日米両政府が尖閣諸島を日米安保条約第5条の対象だと確認した際、日本政府は米国の支援という約束を「引き出した」(外務省幹部)と成果を強調した。
 一方、同条項は日本の施政権下の地域で日米いずれかに対する武力攻撃があれば「自国の憲法上の規定と手続きに従い共通の危険に対処する」と規定する。
 米国憲法の手続きに沿えば、大統領は例外措置があるものの、武力行使に際しては議会承認が必要だ。他国の「無人の小島」をめぐり、米国と並ぶ大国となっ た中国と戦火を交えることについて大統領が議会に承認を求めることが現実として起こり得るのか。米側ではその政治決断に一定の時間を要することは想像に難 くない。
 県辺野古新基地建設問題対策課は「米海兵隊が尖閣に派遣される可能性が全くないとは言わない。ただ仮にその場合も、まずは海上保安庁や自衛隊による対 応、外交交渉など長いプロセスを経てからになる」と指摘する。実際、森本敏防衛相(当時)は2012年に尖閣問題への対応はまず海保や自衛隊が行うとし 「尖閣諸島の安全に米軍がすぐ活動する状態にはない」と明言している。
 県は「政府は普天間飛行場を県外に移設した場合、(日本本土から尖閣に飛行する)数時間の遅れが致命的な遅延となり得ると主張するが、実際のシナリオを 考えれば、数時間では即応力は失われない」として、尖閣問題への対処は普天間を県内移設する理由にはならないと強調する。
 14年4月に東京で開かれた日米首脳会談。オバマ米大統領は安倍晋三首相との共同記者会見で、尖閣は日米安保条約の適用範囲だと表明し、併せて日本側に 「この懸案の平和的解決の重要性を強調した。事態がエスカレートし続けるのは重大な誤りだ」と伝達したことも明らかにした。
 オバマ氏の“真意”を確かめる米メディアの記者から「明確にしたい。中国がこれらの島に侵入すれば、米国は武力行使を検討するのか」と質問を浴びせた。オバマ氏は気色ばみ、こう答えた。
 「他国が国際法や規則を破るたびに、米国は戦争しなければならないのか。そうじゃないだろう」(島袋良太)
2016年3月23日(水)~3月25日(金)の3日間、全国47都道府県の高校生150名が集結し、国会で「18歳選挙権」について語り合う場を開きます!
と、安倍首相の地元後援会会長の息子である斎木陽平氏(慶應義塾大学大学院生)が主宰するREVISION(リビジョン)という団体の全国高校生未来会議が、おそらくにぎにぎしく開催中。


「高校生未来会議」はやはり安倍政権の高校生取り込み装置!? 仕掛人は安倍首相の地元有力後援者の息子
野尻民夫 2016.03.22
http://lite-ra.com/2016/03/post-2089.html

 斎木氏は、自分の主催する別の団体のホームページに安倍首相とのツーショットを載せたり、18歳選挙権実現に向けた高校生イベントに昭恵夫人をゲストとして呼んだりと、安倍首相との近い関係をことあるごとにアピール。「親戚」だという情報も流れていた。

 これについてはネット上だけでなく東京新聞も報道しており、2月10日付紙面で、斎木氏が「安倍シンパ」であるとしたうえで、高校生未来会議代表である高校生の「斎木さんは首相の遠い親戚」というコメントを紹介していた。

 

 ようするに、18歳選挙権の実施を前に開催される高校生の会議を、高校生でもなんでもない、安倍首相を応援する親戚の大学院生が仕切っていたとい うのだが、これに対して斎木氏と高校生未来会議は「積み上げてきた高校生会議を傷つけられた」「首相シンパとラベリングされたことに強い憤りを覚える」と 真っ向から反論。一時はおさまりを見せていた。

 

 ところが、ここにきてその高校生未来会議を仕切る斎木氏が馬脚を現す事態が起きたのだ。

 発端は、このところ注目を集めている「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログに対し、斎木氏が3月10日、ツイッターで「#保育園落ちたの自業自得だ。」というハッシュタグをつくり、こんな投稿をしたことだった。

〈政治家の後援会には常に老人ばかり。加えて政治家に毎日のように陳情。そして何より必ず選挙に行く。若者が声をあげるのは困った時だけ。次に落ちるのは保育に無頓着な政治家達だ。そう脅しをかける覚悟があるのか。〉 

 このツイートに対して、「待機児童問題に直面する保護者たちに責任を押し付けるものだ」と批判が殺到。斎木氏と安倍首相の関係も改めてクローズアップされ、「安倍首相への援護射撃だろう」「こんな人物が高校生の会議を仕切っていいのか」と炎上状態となったのだ。

 その後、斎木氏は〈問題提起のためのタグです。保育園に落ちた当事者が自業自得という意図ではなく、そういう状況を作り出すことを許してしまった有権者全体の責任も考えようとそう言いたかったのです。〉などと釈明したが、一方で、〈権利を行使するための普段の努力は誰しもに求められると思います〉〈政治家の責任であり、有権者全体の責任でもあると思います。そこに残念ながら保育園の親も含まれると思います〉などとも強弁。

 また、安倍首相との関係を指摘されていることについても、〈僕が「安倍総理と縁戚」×「自業自得」=「庶民切り捨て」っていうステレオタイプから一歩たりとも思考を脱することができないんだな。〉〈はっきり言って反安倍の方々は人種差別に近いことをなさっていると思います。〉と反論した。

 それこそ安倍首相や安倍応援団とそっくりの物言いで笑ってしまうが、それはともかく、斎木氏は民主主義というものを完全に勘違いしている。

 斎木氏は待機児童問題で声を上げている保護者が「これまで選挙も行かず、政治にも興味を持たなかった」ための自業自得だと切り捨て、「声をあげるのは困った時だけ」と非難しているが、国民は過去にどんな選択をしようが、選挙に行かなかろうが、政府が間違った政策をしたときや自分が困窮した立場に立ったときに、声を上げる権利がある。むしろ、この「批判の自由」「意見表明の自由」こそが民主主義を成立させている基盤であり、逆に、安倍首相や橋下徹市長がしばしば口にし、今回、斎木氏がもち出した「選挙で選んだんだから文句を言うな」こそ、ヒトラーと同じ、独裁者丸出しの論理なのだ。

 だいたい、有権者が保育園や育児問題をどうにか解決してほしいと考えたとして、いまの日本の選挙制度でそのワンイシューを政治に反映させることが可能なのかどうか、ちょっと考えてみればわかることだろう。むしろ、選挙なんかより批判意見の拡散やデモのほうが政治を動かすことがありうるのは、それこそいまの保育園問題に対する安倍政権の慌てようを見れば明らかではないか。


 しかも、斎木氏はなんの根拠もないまま、保育園問題で怒っている親たちが選挙に行っていないような論理を展開して、彼らに責任を押しつけるようとしているのだ。どう考えても、政権批判を封じ込めようという意図があるとしか思えない。

 斎木氏は自分が「安倍シンパ」であることを否定しているが、明らかに安倍首相と深い関係をもっている。たとえば「親戚関係」の問題にしても、斎木氏はツイッターで〈僕は安倍さんの甥でも親戚でもありません。〉と否定している一方で、自ら〈僕は安倍総理の縁戚です。自分からわざわざ申し上げることではありませんから言ってきませんでした。僕が安倍総理の縁戚だと危険なんですか?〉〈僕ははっきり、何度も縁戚であると明言しています。〉と、自ら明言しているのだ。

 これに対して、「縁戚だったら親戚なのでは?」と指摘されると、〈縁戚と遠戚と漢字を間違えていました。〉と訂正したが、もちろん遠戚も親戚である。

 しかも、問題は親戚かどうか以前の話だ。実は斎木氏の実家は明治時代から、安倍首相の選挙区である山口県長門市で病院を営んでおり、祖父の代からの安倍首相の有力な後援者なのだ。斎木氏は2年前、自らのFacebookでこんなことを自慢げに書いている。

〈今日は安倍総理が山口県長門市の実家に足を運んで下さいました。祖父母へのお参りなので、私の力では全くありません。〉

 そして、祖父の代から続くこの安倍氏との関係を、斎木氏自身も引き継ぎ、利用してきた。斎木氏は大学生時代からAO入試の受験塾を主催しており、そのホームページに自らの慶應大学受験時の「自己推薦書」を公開しているのだが、そこには安倍首相とのツーショット写真とともに「安倍元首相と「憲法」議論」と見出しのついた、こんな内容の自己PRが掲載されている。

〈北九州市の自宅で、安倍元首相と話をする機会を得た。私は、夕食の席で、思い切って安倍さんが最重要命題に掲げている「憲法改正」の必要性について問うた。かねてから、憲法の性質よりも、その成り立ちに疑問を感じていたからである。すると、安倍氏は現在の日本国憲法は、占領下にGHQによってきわめて短期間に定められた憲法であると指摘し、日本人自身の手で「自主憲法」を制定することの必要性を力説された。これは、福澤先生の言う「独立不羈」に通じるものがあると感じ、貴塾で憲法の精神について学ぶ意欲や政治参加への想いが増した。〉

 つまり、高校生のときにすっかり安倍首相の「押しつけ憲法論」に同調していたのである。これで、「安倍シンパじゃない」と言われても、なんの説得力もないだろう。

 しかし、断っておくが、斎木氏の実家が安倍首相の有力後援者だったとか、安倍首相と憲法改正で意気投合していたとか、その事実自体を糾弾したいわけではない。斎木氏はおそらく被選挙権年齢になったら自民党から政界に出馬する可能性が高い気がするが、しかし、どんな思想をもとうが、それは個人の自由だ。

 問題なのは、それ自体でなく、そんな人物が中立のふりをして、18歳選挙権実施を前に、高校生を誘導するような集まりを仕切っていることだ。

 実際、明日23日からのこの高校生未来会議には、どう考えても安倍政権のバックアップがないとやれない、さまざまな仕掛けが用意されている。

 同会議では県ごとに1チーム2~3人ずつに分かれ、地域おこしプランを考えるコンペを実施するらしいのだが、優秀なチームには、安倍晋三からの「内閣総理大臣賞」、石破茂からの「地方創生担当大臣賞」、高市早苗からの「総務大臣賞」が贈られるという。

 さらに、同会議は23、24日の2日間は議員会館で開催、また最終日は「日本最高峰の場」「政府重要施設」で行うとしており「保安上の都合上、会場を参加者にしかお知らせできない」「察してください」などと思わせぶりなことを臭わせているが、一説には、総理公邸を使わせるのではないかとの話もある。

 高校生未来会議側は野党の代表も参加することを強調して、党派性は一切ないというが、この仕掛けだけをとっても、同会議が安倍政権と自民党のPRの場になるのは間違いないだろう。

 いや、それどころか、安倍政権はこの「全国高校生未来会議」を使って、高校生向けの改憲啓蒙活動を仕掛けるつもりではないか、という観測も流れている。すぐに露骨にやることはないだろうが、会議を通じて、ハブになるような高校生の安倍親衛隊をつくり、それをベースに高校生に向けた改憲の啓蒙活動を展開するつもりではないか、というのだ。

 実際、安倍政権と右派勢力はいま、憲法改正に向けて、さまざまな別働隊を組織している。櫻井よしこや日本会議と組んで「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を立ち上げ、お抱え評論家を使って「放送法遵守を求める視聴者の会」をつくって政権に批判的な報道に圧力を加えさせ、女子向けには「憲法おしゃべりカフェ」なる気持ちの悪いネーミングのイベントを日本会議系の団体が開催している。


 産経新聞やネトウヨは安保法制に反対するSEALDsを揶揄して、「民主・共産に利用されている」「手口はナチ党に通じる」「ヒトラーユーゲントや紅衛兵にそっくり」などと的外れな攻撃をしているが、しかし、いまや独裁者と化した安倍首相をこんな高校生の集いに関与させたら、それこそ、本物のヒトラーユーゲントをつくり出してしまいかねない。
 
「全国高校生未来会議」がそうならないためには、少なくとも安倍政権のPRになるようなイベントを中止し、斎木氏に組織を仕切らせないようにすべきだ。そもそも、彼は「高校生」でもなんでもないのだから。




全国高校生未来会議を主宰されている斎木陽平氏から、私にメッセージが来ていました。
宮武嶺
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/565104b949dc2950118e3327c5eb3e6e


1 保育園にお子さんを入れようとしても入れられなかった方々が懸命な努力をしていたからこそ、それが報われなかったときに思わず出た言葉が「保育園落ちた。日本死ね」。

 それに対して、青年層の投票率が低いということは何も論理的に関係がなく、批評にすらなっていない。

2 「自業自得とは言えない状況」と言うけれども、それぞれの立場で努力している人が報われないことを自業自得とは言えないし、「日本死ね」という日本という抽象的な対象に対する言葉よりも、「保育園落ちた」という個人に自業自得という言葉を投げつける方が、よほど

「適切な表現とは言えない」

 そして、斎木氏はこれから保守政治家になるのでしょうが、そうでなくてもひとかどの人物になろうと思っているのなら、相手の方に謝罪する際に

「誤解されて当事者を傷付けてしまったとしたら大変申し訳ない」

という言い回しは是非止めてもらいたいですね。謝罪が謝罪でなくなり、相手の責任にしてしまう言い回しだからです。



 そして参加者にも疑問符が・・・

 ネトウヨが主催して、参加者に潜まして、全国高校生洗脳会議か?


全国高校生未来会議ってほんとに中立なの? 北海道代表のツイートを見た人たちの声 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/953059


 そしてネトウヨは喜び、自画自賛な構図。

馬場 伸幸(ばばのぶゆき) ‎@baba_ishin

プレゼンに対して高校生が同意できる政党に投票がされたらしい。
なんとおおさか維新の会が約30%の支持で第1位に輝いたそう。
維新スピリッツが若者世代に浸透していく事が嬉しい!





 自民党参院議員が白昼堂々の“暴力沙汰” JA関係者を殴る
2016年3月24日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177926 #日刊ゲンダイDIGITAL





 今月18日に開かれた自民党の「農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム」で、山田俊男参院議員(69)がJA関係者にブチ切れ、暴力を振るったというのだ。

 この日は午前10時から党本部で会合が開かれ、加工品の原料原産地表示について、“生産者”“事業者”“消費者”の各団体代表がそれぞれの立場で意見を表明。表示の必要性を唱える生産者、消費者側の意見が大勢を占めた。

 ところが、会合の途中から現れた山田議員は、後半の質疑応答の際、「原産地表示義務がなくても弊害はない」と、生産者や消費者側とは真逆の意見をぶち上げたという。

 暴力事件が起きたのは、会合が終わった後だったという。会合に出席したメディア関係者はこう言う。

「会合終了後、生産者側の立場にいるJA関係者が、山田さんに直接意見を言うと、山田さんは『おまえは何を言ってるんだ!』と激高。『ぶん殴るぞ!』と詰 め寄っていました。JA関係者が『殴りたければどうぞ』と言った瞬間、みぞおちあたりに相当な力で2、3発拳を入れた。JA関係者がひるんだと見るや、何 も言わずに去っていった。周囲にはマスコミ関係者を含め、十数人残っていましたから、騒然としました」

 それにしても、現職の国会議員が白昼堂々と暴力を振るうとは前代未聞だ。山田議員は1969年、JA全中に入会。99年に専務理事に就任している。07 年に比例区から出馬し初当選。現在2期目だ。農林水産関係団体委員会副委員長などを経て、現在は参院農水委の理事を務めている農政の専門家だ。しかし、農 業関係者からは「TPP反対と言いながら、実績を残していない」「生産者の立場に立っていない」と悪評が飛び交っている。

 事の真偽はどうなのか。殴られた被害者に電話で話を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「山田さんの暴力は事実です。医者にかかると、全治1週間の打撲傷とのことで、診断書も手元にあります。18日以降、何度かメールでやりとりしましたが、謝罪の言葉はありません。法的手段に訴えることも検討しています」

 山田事務所に問い合わせると、「議員本人が忙しく、23日中に事実関係を確認するのは難しい」と否定も肯定もしなかった。
「巫女のくせに何だ」自民・大西氏がまた失言 「誘って札幌の夜に説得をしようと…」とも  - 産経ニュース
2016.3.24 16:04
http://www.sankei.com/politics/news/160324/plt1603240034-n1.html

 自民党の大西英男衆院議員は24日、所属する細田派の総会で、衆院北海道5区補欠選挙(4月24日投開票)で自民党公認候補への支援を依頼した巫 女(みこ)が「自民党は好きじゃない」と語っていたことを紹介し、「巫女のくせに何だと思った」といちゃもんをつけた。さらに、「巫女さんを誘って札幌の 夜に説得をしようと思った」などと際どい発言も連発した。


 冒頭、司会でマイクを握った大西氏は、補選の応援で自身も札幌入りしたことに触れ、「私は神社関係を中心に回ったが、私の世話を焼いた巫女さんが20歳くらいだった。投票が初めてだということだから、ひとつ口説いてやろうと思った」とも述べた。

 補選での支援を求める意味だったようだが、男女間の交際ともとれる言い回しに、同僚議員からも「センスがない」とため息が漏れた。


  大西氏は昨年6月にも、報道機関への圧力ともとれる発言で党執行部から厳重注意処分を受けている。派閥会長の細田博之幹事長代行は総会のあいさつで、 「ちょっとハラハラしながら(大西氏の話を)聞いていた。言動に十分に注意して、本務に精励していただきたい」とたしなめた。


ショーンKどころではない、安倍も麻生も高市も!― 政治家の経歴詐称は重大な犯罪行為 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/950986


経歴といえば、元教員を売りにしている自称「ヤンキー先生」の義家弘介文部科学副大臣が、自サイトのプロフィールに、取得した教員免許の種類(教科)を書いて無いのが、ずっと気になってる。(大学卒業年も書いてない) http://www.yoshiie-hiroyuki.com/profile/index.html


"自民党幹事長時代、この「留学」経歴が国会で問題視されたことがある。安倍はそれまで経歴書に〈南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学〉としていたが、実際の留学期間は1年強で、しかも政治学科に籍を置きながら政治学の単位は取得していなかった"http://www.news-postseven.com/archives/20150526_324653.html



"この長電話の一件もあってか、安倍は1年3か月の南加大生活を切り上げ79年春、“途中帰国”している。学位の取得もなかった。"  2015.05.26 安倍首相 米留学時代10万円の電話代で父・晋太郎氏が怒った│NEWSポストセブン http://www.news-postseven.com/archives/20150526_324653.html #postseven


浅野健一同志社大学大学院教授が高市早苗総務大臣のウソの経歴を報道したNHKに訂正要求!
2014-09-04 20:25:12
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/860fe13c6378b60c0a34238e073ac7ae



>あと、安倍が11年間秘書をやっていたのも嘘 >去年になって急に書き加えられた経歴だよ >野党が安倍の学歴詐称を調べてたときに、 >安倍麻生は公式サイトから留学の部分を削除し、空白の11年に秘書を加えた。
https://twitter.com/lautrea/status/710202323952345088


安倍が学歴詐称を指摘された経歴、削除前のページも残っている。 http://tokyo.s-abe.or.jp/profile/profile.bak
これが現在
画像は左が削除前、右が現在


麻生太郎がロンドン大学を「修了」したのか「留学」したのかはっきりしないのだが、結局現在の公式HPの学歴からはスタンフォード大もロンドン大もそっくり消えて最終学歴は学習院大学政経学部卒業になっている。ちなみにウィキペディアには海外大学の件は載っている。

ここに貼った記事はリンク切れしてるがアーカイヴは残っている。 >65年スタンフォード大学大学院修了、66年ロンドン大学大学院修了。http://web.archive.org/web/20050119005649/http://www.chunichi-tokai.co.jp/konwa/konwa230.shtml 

twitter.com/lautrea/status… pic.twitter.com/uhOzw2qqAC


麻生太郎の公式HPのプロフィール、現在のやつがこれ
http://www.aso-taro.jp/profile/index.html
ところが古いプロフィールページには海外大学の記述があり、ページ自体は削除されていないがトップからはリンクされていない。
http://www.aso-taro.jp/profile/profile.html


 
 
「事実関係を調査」自民幹事長の学歴疑惑報道で民主代表

 民主党の菅代表は3日の記者会見で、自民党の安倍晋三幹事長の「南カリフォルニア大学政治学科留学」との学歴に疑惑があるとの週刊誌報道に関連して、 「取材やホームページでの安倍氏の発言がくるくる変わっている」と指摘し、民主党として事実関係の調査をしていることを明らかにした。

 菅氏は「(民主党が除名した)古賀(潤一郎)議員について厳しい発言をしていた方だから、当然、安倍氏自らが(事実関係を)明らかにされると確信している。その確信が崩れた時にどうするかは、その時点で考えたい」とも述べた。

(02/03 20:35)

http://www.asahi.com/special/koga/TKY200402030314.html