「ただ、好き」 | Aqua-Erium

「ただ、好き」

私 「先生、コントロールまだ取れてないと思うんですけど。」
先 「でも麻酔かけてから大分時間経ってるし、もうそろそろ刺激しないと‥」
私 「いや、この状態で焦って刺激して反応出ても、使い物にならないんで。」

 

実験開始8時間目あたりから、言葉が段々とキツくなります。


上の会話でのコントロール(cont)とは、刺激前の通常状態。
contは、刺激前と後にそれぞれ取ります。
ここで見てるのはこの実験の場合、ラットの呼吸・心拍数・血圧・脳血流・脳波。
これら全てが安定しないとcontとしての価値がありません。
contが取れてないってことは、刺激して何らかの反応があったとして、
その反応が一体何なのか、結局何の反応なのか、分からなくなるって事です。
だから、contはラットの状態が落ち着くまで麻酔で調節する必要があります。


今日も実験でした。実験実験♪♪
火曜日は私主体の実験の日です。主体ってのは主観です。
3月1日に封切られたプロジェクトですが3ヶ月が経とうとする今、
結果は‥。。うぁぁぁーー!!!ああぁ。。はぁ。 。。
いや、一定の反応が出ないんです。再現性がないんです。
何らかの反応は出るんです。出ない時もありますが。(無反応も悲しいですが。)
反応後、それをもう一回、同じ事を同じ手順でしても、同じ結果がでない。
ふっしぎ~!って言ってる段階はとっくに過ぎ去り、焦りが募ります。
再現性がないってことはデータとしての価値ないってことです。
はぁ。はぁぁぁぁ。。どーん。


「実験好きジャン。毎日好きな事できていいね。」


はい、私は実験が好きです。正直、長時間続ける事は苦じゃないです。
結果が出れば、です。
結果のでない実験程、がっかりげっそりするものはない。
朝っぱらから準備して、昼頃データ取り始めて、夜になれどもデータはでない。
その日諦めて帰る時の疲れ。もう放心状態です。
すっごい機嫌悪いです。「アイツまたグレてるよ。」って言われるくらい

不機嫌オーラを研究室にバラ撒いてます。医局のソファーにふんぞり返ってます。
でも、結果が出て「飲みに行っちゃおっかな~♪」ってるんるんで帰る日も、

結果が出なくて「ヤケ酒かな。。」って帰る日も、研究室の人たちは経験済みなので、

私を見守る目は温かいです。たぶん。


昨日ちょっと書いた、ただ好き、な事ができれば幸せか。
まぁ幸せな人もいるかもしれない。
でもとりあえず、好き=幸せ、かどうか答えの出にくい事について言うより先に、

私に関して言えるのは、失敗する実験は嫌いです。当然です。
実験が好きとか嫌いじゃなくて、成功する実験は好きだし、失敗するのは嫌いなんです。

嫌いなことやってて幸せを感じる訳がないです。
実験できりゃ幸せ。そんな訳ねー!と今日もグチでした。