今日のスナナレの。 | 北川悦吏子オフィシャルブログ「でんごんばん」Powered by Ameba

今日のスナナレの。

今日のスナナレの、メールのガンバレのエピソード。

去年ののんちゃんとのやりとりを元に考えたものです。

わざわざ、記事をもう一度探してくださった方がいたので

貼りつけます。


あの頃から読んでてくださる方は、懐かしいね。

あの頃を知らない方は、私はこんな日々を過ごしていたのです。


自分で読んでも、懐かしかった。

そして、まだ、手に取るようにその日を、その頃を覚えていて、

いろんな意味で、傷は癒えていない、と思いました恋の矢


でも、この傷は癒えていない、って悪い意味じゃないんです。

なんでもかんでも、忘れてしまうようなできごとなら、なんで人って生きてるんだろう、って思うし。


では、前代未聞ですが、同じ記事をもう一度、アップしますね(;^_^A





今、蘇る入院闘病日記⑦テーマ:ブログ



その日、

娘が初めてお見舞いに来るというその日。

娘と一カ月ぶりに会うことになったその日。

私は、少しでもキレイにしようと思いました。

一カ月もお風呂に入れてません。

手術のところも、ちょっと膿んでるかもしれないし。


点滴を交換しに来た看護師さんに言いました。

「体を拭いて欲しいんですけど」

「あ、ごめんなさい。今、ちょっと忙しいから、夕方でいいかしら?」

「あ、はい」

 と答える私。

 看護師さんが、点滴を交換していなくなると、シクシクとまた泣きだしてしまう始末。

 娘が来る前に、体がふけない。

 汚いままで会わなきゃいけない。

 その頃、完全に精神的に弱っていた私は、そんなことで泣いてしまうのです。


 次に来た別の看護師さんが、私の異変に気がついて「あら、どうしたの?」

「娘が来るんです。一カ月ぶりに。その前に体を拭きたいんですけど」

 と言ったら、快く、引き受けてくれました。


 いつもより少しはキレイにして、娘を待ちます。


 娘は来ました。夫と。

 かわいい格好してます。見たことない服です。

 かわいいね。それ。パパに買ってもらった?

 うん。

 と娘。なんとなく、一カ月ぶりなせいか、娘も照れてるのか、やや、距離を置いてる感じ。

 ベタベタもしてきません。

 「どこで買った?」

 「六本木ヒルズのザラ」

 ああ、ザラっぽいね。

 と私。

 娘が、私の方に近寄って来ます。

 これ、なんなの?と、いっぱいの点滴見て、くったくなく。

 私、つい、こみ上げて。ポロポロと。ポロポロポロポロと、泣きだしてしまいました。

 黙る娘。黙る夫。

 ただ、ただ、泣いています。私。

 小学生の娘じゃなくて、私が泣くんです。まあ、いつもこんな感じなんだけど。

 なぐさめるでもなく、じっと私を見るでもなく、そんな気まずい風でもなく、ただ黙ってそこにいるふたり。

 いつものこと、といった感じなのかなんなのか。


 その時、私の携帯が、ピロピロリンと鳴って。メール。

 誰かしら。こんなときに。

 でも、私は、やることができてちょっと救われた気分で、すぐに、携帯をみます。

 すると「ガンバレ」と一言。

 今、ここにいる娘からでした。

 送信者、に娘の名前。

 娘をチラリと見ると、しらんふり。

 いつの間に打ったのか。気づかなかった。


 う~っ。私は、心ん中でうめいて、涙をこらえました。

 いや、もう泣いているので、よりいっそう泣きそうになるのをこらえました。


 未だ、夫は、そのときのメールが、娘からのものだとは、知りません。

 言ってないので。


 最後に、娘は私の手を握って、ふざけてギュウウッと痛いほど握って(イタイよ、と笑いました)

 帰って行きました。

 また、来るね。

 と言って。


 そして、本当に娘は、それから週に一度か二度は、病院に来るようになりました。

 都内の病院じゃないので、遠いのに、ね。



追伸・その後、うちののんちゃんは(あ、娘ね)、パパさんと帰りながら

「いや~、泣かれちゃった」

 と言ったそうです。

 なんか、愛人に泣かれたオッサンみたいな言い方だよね、

 頭、ポリポリ掻いてそう。

 これ、ちょっと受けた≧(´▽`)≦