ジョアンがスペインに戻ってからずっと「改めてサッカーというスポーツはどんなものなのか?」を考えています。


彼が言っていた中で面白かったのは「オリバー・カーンのポジショニングが良かったら、もっと長く現役を続けられていただろう。今まではポジショニングが悪くても身体能力でカバーできていたのが、年齢と共に衰えると触れていたボールに触れなくなった」と。


だから経験でポジショニングがより緻密になる選手は、年齢を重ねても輝く。


つまり何より大事なのはポジショニングであると。ポジショニングが悪ければいくら身体能力が高くても、技術があっても活かしきれない。スタートが間違っていれば次が全部駄目になってしまうというわけです。


それってフィールドプレーヤーにも当てはまるんじゃないかと考えています。


正しい判断が下せ、的確なポジショニングが取れる選手は次に自分が使う能力に余力があります。


サッカーに教える順番がもしあるとして、通常であれば、まずボールに触ること=「技術」を教えるでしょう。


ただ僕は、技術とは戦術的アイデアを具体化するただの手段であると考えています。よって、もっとも重要なのは「どうしたいか?」というアイデアなわけです。


では、選手にまずアイデアを教えるにはどうしたらよいでしょうか??

まず、順番の最初として技術ではなく「ポジショニングを取ること」から教えたらどうでしょうか??


とはいえ、いきなり難しいことを説明しても分からないので、例えばチームで鬼ごっこをする。

またはエアーサッカーをしてみる。少なくとも自分がここに立って、味方と敵はこのように立っているということが「分析」できる。つまり、観ることが出来る。観ることができれば「こう動いたらどうなるか?」と色々選択肢が出てくるはずです。


そのアイデアを身につけて、実際にボールを蹴ってみると技術が伴っていないので、当然「上手く蹴れない」ということが起こると思います。そこで初めて「そのアイデアを実行するにはこういう技術が必要なんだよ」と伝える方が選手に分かりやすいのではないかと思います。足でいきなりプレーするのは難しいので、手でプレーしても良いかもしれません。


ボールが意のままに操れるようになるまで(またはある程度ボールが蹴れるようになるまで)サッカーは技術の反復だけだったとしたら、「サッカーの楽しさがわかるまでずいぶん時間が必要になる」ということになります。またはボール扱いが上手い子だけが楽しめる物になってしまいます。


しかし、先にポジショニング(どこに立って、どう味方、敵や周辺状況を観るか)を教えたらどうでしょうか?

賢い子が勝てる可能性が高くなります。その方が早くサッカーの楽しさを味わえ、「そのアイデアを実現するにはちゃんとボールが止めて、蹴れないといけないんだ!」とモチベーションにならないでしょうか?

なかなか自分のアイデアを上手く文章に出来ていませんが・・・


でも、思うことがあります。技術はある意味その選手が「どれだけたくさんボールを触ったか?」となり、もちろん指導者からの促しもありますが、選手が自分でどれだけやったかにかかってくる。でも、ポジショニングを取れないのは明らかに指導者がきちんと教えていないからではないかと。


そうなると僕らの責任は重たいですね。


最初の話に戻りますが、技術だけ、身体能力だけだと長くサッカーを楽しめないのではないか?

指導者としてまず伝えるべきは「どう観るか?」であり、「どこに立つか?」なのではないかと考えるようになりました。アイデアの実行力は選手にかかってくる。でも、アイデアがないのは選手のせいではない。


ポジショニングをどう教えるか自分の中でまた整理していきたいと思います。



PS,お陰様で高円宮杯2回戦を0-0からPK戦の末、勝利を収めることが出来ました。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!PK戦になっても、落ち着いていたのは選手達で、スタッフはドキドキしていました!でも、決して偶然ではなく、これまでの積み重ねが実を結んだ勝利だと思います。

しかし、まだまだ戦いはこれから。今週もしっかりと良い準備をしていきたいと思います。