*青春とは・・・。


青春とは

人生の或る期間を言うのではなく、

心の様相を言うのだ。


優れた創造力、

逞しき意志、

炎ゆる情熱、

怯懦を却ける勇猛心、

安易を振り捨てる冒険心、


こういう様相を

春と言うのだ。


年を重ねるだけで

人は老いない。

理想を失うときに

初めて老いがくる。


歳月は皮膚のしわを増すが、

情熱を失なう時に精神はしぼむ。

苦悶や

狐疑や不安、

恐怖、

失望、

こういうものこそ

恰も

長年月の如く

人を老いさせ精気ある魂をも

に帰せしめてしまう。


歳は70 才であろうと、

16 才であろうと、

その胸中に抱き得るものは何か、

曰く「驚異への愛慕心」

空にひらめく星晨その輝きにも似たる事物や、

思想に対する欽仰事に処する

毅な挑戦、

小児の如く求めて止まぬ探求心、

人生への歓喜と興味

人は信念と共に若く

疑惑と共に老ゆる。
人は自信と共に若く

恐怖と共に老ゆる。
希望ある限り

若く失望と共に老い朽ちる。


大地より、

神より、

人より、

美と喜悦、

勇気と壮大偉力との霊感を受ける限り

人の若さは失なわれない。


これらの霊感が絶え、

悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、

皮肉の厚氷がこれを固くとざすに

至ればこの時にこそ

人は全くに老いて神の憐れみを

乞うる他はなくなる。