然別湖のミヤベイワナ | エノサンの日々釣り日和

エノサンの日々釣り日和

みなさんたくさん見に来てね。(^-^*)/!


然別湖の特別解禁「セカンドステージ」の予約が始まりました。

今年は9月30日~10月11日となっています。

興味のある方はお早めに!

私も毎シーズン釣行しますが素晴らしいロケーションで神秘的な魚が釣れます。

参考までに2009年の某釣り雑誌の記事を加筆、修正して紹介します。



エノサンの日々釣り日和


 私の脳裏から離れない一匹のイワナの情景…。初めて釣り上げたミヤベイワナを見つめて、『神々の創造の悪戯(イタズラ)』なのだと感じた。そしてその思いは、2匹、3匹と釣り上げるたびに強くなっていった。断っておくが、私は特に信心深い人間という訳ではない。ただその時ばかりは、自然神の存在を間近に感じた瞬間だった。
 シカリベツ…アイヌ語で“回流する川”の意味をもつ東洋とも西洋とも違うその言葉の響きと、憧れのミヤベイワナに出会うため2008年6月に然別湖を訪れた。そこで私は冒頭の言いようのない感動や、その後のいくつもの感激を迎えることができたのだ。無論その後の行動として、秋のセカンドステージに参加した事は言うまでもない。そしてまた2009年のファーストステージが訪れようとしている。今年こそとは考えている読者の皆さんに、私の少しばかりの経験を紹介して、今後の参考となればありがたい。
 然別湖は大雪山国立公園内の標高810mに位置し、北海道の湖では最も標高の高いところにある自然湖。古代の火山の噴火により、約1万5千年前にできたと言われている。周囲13.8km、最大深度108m。北東部からヤンベツ川が流入し、南西部からトウマベツ川が流れだしている。過去の乱獲から長年全面禁漁となっていたが、地元の積極的な保護、増産活動により2005年から年2回の特別解禁期間だけ、釣りを許されている。細かなレギュレーションについては、文末のアドレス等で確認してもらうこととして、私が感じた初夏と秋の2ステージについて、順に記憶をたどって見たい。
 6月から始まる約40日間のファーストステージは長い禁漁期からのスタートとなり、魚影、釣果ともに恵まれるメインのステージといえる。1日あたりのアングラー数が厳しく制限されており、原生林に囲まれた湖面南側半分の広大なフィッシングエリアが、込み合う心配はほぼ無い。基本はボート釣りとなるが、南東エリアには岸釣りを許可されたエリアもあり、アングラーの要求に答えてくれる。
 タックルはボート上からのキャスティングを考慮して、ロッドは6フィート前後のライトアクションをお勧めする。ラインは4LB~6LB、好みに応じてリーダを選択すると良いだろう。ルアーは7g~13g前後のスプーンと7㎝クラスのミノーが適当と考えている。フックは、バーブレスシングルのみとなる。ウェーディングの場合も、あまりハードなタックルはかえって釣味を損ねる気がする。
 ファーストターゲットはなんと言っても、然別湖と流入河川だけに住むミヤベイワナ。写真等で解るように、グリーンバックにルビー色の斑点が散りばめられて魚体は、冒頭の私の感動を充分納得していただけると思う。さらに個体差によりブルーバック、ブラウンバックの体色を持つものがいる。分類上はオショロコマの亜種と言うことだが、湖の出現によって陸封され、約1万5千年の時を経て独自の進化を遂げてきた。主食はプランクトンだが、水・陸生昆虫やワカサギ、ウグイも捕食するらしい。サイズは25㎝~40㎝がレギュラーサイズだ。
 セカンドターゲットはランドロックサクラマス。サイズこそ降海型には劣るものの、シルバーメタリックの美しい体色と体高のある魚体は別名“イタマス”と呼ばれている。サイズは30㎝~45㎝。そしてこの湖一番のファイターのレインボーだろう。明治時代の初期放流以来まったく追加放流されていない姿は、既に然別湖のネイティブトラウトと言っても過言では無い。激しいファイトとジャンプはアングラーを魅了する。サイズは35㌢~60㌢。
 ポイントは湖岸周辺の駆け上がりがメインとなる。岸釣りエリアの音更湾は頭大~拳大のゴロタ石がシャローを形成し、その先は急角度の落ち込みとなっている。シャローのストラクチャーにはミヤベイワナが潜んでいるので、スプーンやミノーをドリフトさせて誘いを掛けるのが良いだろう。またブレークラインに沿ってサクラマスやレインボーが回遊する為、スプーンをカウントダウンさせ、フィーディングゾーンを掴むことが大切となる。
 初期の高活性時や、夏季の陸生昆虫を捕食している時等には、トップやシャローレンジでのサイトフィッシングも可能だ。またミヤベイワナの食性からかイワナには珍しく回遊する固体もあり、深度のある湖中心でも魚信を得ることができる。
 秋のセカンドステージの約20日間も同じ攻め方が基本となるが、ファースフトステージと比較すると、かなりアタリが繊細になる。さらに水温低下とともにフィーディングゾーンは深くなっていくようで、湖岸よりも沖でのヒットが多いように思える。また、サクラマスは繁殖期と重なる為、レギュラーサイズが30㎝以下と小型化してくる。逆にレインボーについては越冬前の荒食いの時期となり、魚体も一段と大きさを増し、暴力的なファイトにハラハラさせられる事となる。
 今年以降の私のテーマとして、ミヤベイワナの体色別釣り分けを考えている。データ量と確信が不足しているので詳しくは述べないが、イワナの個体差が生まれる保護色と密接に関係しているのでは…と考えている。皆さんもぜひ然別湖の釣りにチャレンジして頂きたい。

【データ】
使用タックル
ロッド/
ハードストリームス・ゼアス「エキップ」5‘10“
    アイビーライン・ファランクス6’06”
リール/
シマノ・’07ステラC2000S・C2500 IOS FACTORYチューン
ライン/
ユニチカ・シルバースレッドアイキャッチ4Lb、6Lb
リーダー/
ユニチカ・シルバースレッドトラウトリーダーフロロ4Lb、6Lb
ルアー/
アイビーライン・ブレイド10g・13g
    ハードストリームス・ジェシカ70mmSS

湖データ関連アドレスhttp://www.shikaribetsu.com/