日本三大やきとりタウンの一つである東松山なのだが、焼鳥ではなくやきとん。他の二つは室蘭と久留米で、室蘭もやきとんであり、純粋に焼鳥なのは久留米のみというのが面白い。以前から一度食べてみたかったので、仕事のアポを機会に初めての東松山。
地元民であるミスター東松山に案内してもらったのは、昭和31年創業の同店で、現存するお店では最古らしく、東松山やきとりデビューには最適なお店といえる。
東松山の夜は早いのか、16時から20時と営業時間は短めで、近隣の工場従事者の方々か、早くから飲んでいる光景が見られる。店内はコの字カウンターになっていて、目の前で店主が黙々とやきとりを焼く。
やきとりのメインはかしらで、豚肉は組合で共同購入しており、最低価格も1本120円と決められている。素材と価格が一緒なので、あとはカット勝負になるらしいが、一般的なかしらのイメージが覆る柔らかさは、カットの技術の高さから来るのだろう。
朝鮮がルーツだというのも納得の辛みと色が特徴の味噌だれも、やきとりとの相性は抜群で、木ベラでたっぷりと塗りつけて、ビールやホッピーとともにかぶりつく。
かしらはストップするまでは自動的に提供され、他の焼き物や一品ものはオーダーする仕組みだが、ここではかしらのみ堪能して、さっと次に向かうのが東松山流のスマートスタイル。