なんちゃってリバタリアンは最強だ | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


あんまり人の意見にどうこういうのは好きじゃないんだけど、自称リバタリアンのイケダハヤトという人がブロゴスでこんなことを書いていた。

会社の中心で自己責任を叫ぶ

僕はまさに体験しましたが、会社を辞めてフリーになると、いかに自分が会社に守られていたかを強烈に実感することになります。「体を壊したら終わり」の度合いは、会社員時代とは比べ物になりません。

・・・・(中略)

会社に守られてきた上の世代が、そうした若者が生活保護なり、他人なりを頼りにする姿を見て、「最近の若者は甘えている!自立せよ!」と叱咤を飛ばすのは、想像力が欠けていると思います。あまりにも他罰的すぎやしないでしょうか。今は時代が違うのです。


とおっしゃっておられる。まあ、自分は今の大変な時代でもフリーランスという厳しい道を選んだ。そんなオレはえらくて会社にぶら下がっているくせに若者に厳しいことを言うおっさんどもは許せない。オレは哀れな若者達の味方だよ。ということらしい。(本人は否定しているけどね)

このイケダハヤトって人はリバタリアンを自称しているようだが、以前 も指摘したが全くリバタリアンでもなんでもない。まあ、それはいいとしてもなんかこういう主張はアンフェアだし事実に基づいてないなあと僕は思う。

まず、生活保護を受けている大部分は若者ではなくて50代以上の人だ。そういう意味においては上述の「えらそうなこと」を言っている人は会社にしがみついて楽をして生きているというよりは努力していい会社に入って生き残ってきたと言えなくもない。上の世代だって思ったよりも厳しい時代を生きている。その事実を忘れてはならない。(まあそれでも年金とかもらいすぎで相対的には若者は大変だというのは同意するけど)

終身雇用というのが若者を不幸にしているという主張をこの人もしているようだけど、それは本当だろうか?たとえば以前小池和男さんの本を紹介したときにも述べたけれども、

「日米の大企業と小企業を比べると米国の大企業は日本の小企業よりはより勤続年数が長く終身雇用に近いことや日本企業は50歳以降に肩たたきが行われる一方でアメリカの場合には60歳を超えるまで勤続年数は上がり続けることを示す。こうなってくるとどちらが長期雇用かわからないと考える人も多いかもしれない。」(日本の労働市場は変だって誰が言った? より)




仕事の経済学

また年功賃金はアメリカの大企業でも普通に見られる制度でもある。そういう意味では別に日本の若者だけが不幸なわけではないし不安定というわけでもないというのはきっちりと押さえておくべき事実だし解雇規制の撤廃だなんだと行っても年功賃金や長期雇用の制度がなくなるわけでもない。もちろん、正社員の解雇規制は緩和すべきだが現実にはリストラなんて今やどこの会社でもバンバン行われている。日本の雇用市場の流動性が極端に劣るなんていうのは妄想にすぎない。

若者だけが大変でフリーランスだけが大変で会社員は楽でいいなんていうのは誤解もはなはだしい。実際一番不幸なのは40代のおじさんというのは有名な研究だ。会社では中間管理職・上からも下からも叩かれるし通勤電車は大変だしお小遣いも少ない。家では奥さんに尻にしかれて・・・。サラリーマンがそんなに楽なわけがない。

そもそもフリーランスを選んだのは自分の選択だ。このイケダハヤトって人だって有る程度雇用と所得が保障されるサラリーマンよりもリスクがあったとしても自分がやりたいことをやる道を選んだわけだ。ってことはサラリーマンよりも自分は今楽しい人生を送っているわけで、なのにサラリーマン>>フリーランスだからみんなの税金でオレの生活を保障しろよなんて書くのはなんか自分勝手すぎない?と思うのは僕だけ??


会社によって一定程度の保障をもらっているサラリーマンを攻撃しながら国家から一定程度の保障をもらうことを肯定するのはまったくの矛盾だ。しかも良くも悪くもサラリーマンにとってはある程度の保障を会社からもらうことは自分の働いたことによる貢献に対する対価である。が、生活保護は何の対価でもなくただ単に納税者の金をむしりとる行為にすぎない。なぜサラリーマンが自分の労働の対価として会社から一定程度の雇用の保障をもらうことがダメでフリーランスの彼が国民の税金で生活保護をむしりとることは正当な権利になるのか。僕には全く分からない。

まあもちろん、税金を払っているわけだからいざと言うときの保障と言う意味で生活保護という制度があってよいという意見に反対する人はごく少数だろう。給付額や支給基準の議論をおいておけばこのことを否定する人はそれほどいない。それでもそうならないようにみんなが生きてかなければ制度は破綻するし、勤労意欲も削ぐわけだから。そんなに生活保護を利用してワガママに生きればいいと勧める理由がよくわからない。

会社がセーフティーネットなんてこの人は言っちゃっているけどリストラだって普通にあるしブラック企業だって多い。拘束時間は長いし上下関係もあれば自分がやりたくない仕事もたくさんやらされる。その対価としてのセーフティーネットなのだ。給料の一部なのだ。一方でそういう会社が嫌でフリーランスになったくせにお前らの税金でおれの生活保護を払えとはよくいえたものだ。人の税金でオレを養えという人のどこがリバタリアンなのだろうか?そんな人が増えてしまっては国がよくなるはずがないというのはごく全うな感覚だと僕は思うのだがどこか変だろうか?

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