オバマ再選でアメリカ経済はさらに停滞するだろう | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


アメリカの大統領選挙は結局オバマ大統領が再選されて終わった。これからの4年間はさらに経済停滞の時代が続くだろうと僕は思っている。

彼の政策にはアンチ・ビジネスなものが多すぎる。まず、金融機関を規制せねばならないとドット・フランク法案を実施に移そうとしている。おそらくデリバティブなどのビジネスは大幅に今後縮小するだろう。欧州系の大手投資銀行のUBSは投資銀行部門の大規模なリストラを実施中だ。規制をすれば、金融機関が過剰にリスクをとったりすることはないだろうという非常に安直な発想だが、おそらく金融機関は(どこの業界でもあるように)法の目を上手くかいくぐってまたリスクの有るビジネスを始めるだろう。巧妙なやり口は却って規制機関による監視を難しくし次の金融危機発生時に事態を複雑にさせる可能性は高い。

本来ならば、金融機関は決して救済しないと宣言してしまうことのほうが意味を持つ。そんなことを言っても市場は信じないというが、実際に破綻させてしまうようにすればいい。それが無理ならば大手金融機関を解体し、マーケットへの影響を削いだ上で救済はしないとしてしまうこともできるはずだ。そうすれば、各金融機関は倒産という事態を避けるためにより慎重なリスクテイクを心がけるだろう。

同時に、よりしっかりとしたリスク管理手法を追求するだろうし市場が規制によってがんじがらめにされないことで消費者のニーズにあった新しい商品がドンドン生まれる可能性もあるはずだ。

もちろん、それ以外のビジネス分野でも規制をドンドン強化しようとしている。

また政府による財政支出にも熱心だ。クリーンエネルギーに熱心で大量に財政を出しているが効果は薄いのは今回の選挙戦でも共和党から散々指摘されたとおりだ。そして、石油やガス業界に対しては規制強化で臨もうとしている。

金持ちを槍玉に挙げて自分達の点数を稼ごうとするのはリベラル派のいつものやり口だ。金持ちに高い税金をかければ経済が回復すると勘違いしているようだが現実は全く逆なのをご存じないようである。以前紹介したこの本 にもあるように、減税こそが景気を回復させ真の経済の実力を高めることが出来る。



また、配当課税などは本来は二重課税で撤廃すべき税なのにこれらの減税措置を戻そうとしている。アメリカ国内での企業活動は停滞し株価は下落するだろう。多くの人はあまりちゃんと認識していないのかもしれないが、年金は当然ながら株で運用されている。株価の下落は資産を多く持っている人だけでなく普通の人にとってもマイナスに働く。

極めつけはオバマケアだ。アメリカには4000人の無保険者がいるとされるが、そのかなりの部分は不法移民や本来は低所得者向けの医療保険に入れるが入っていない人とされているのだ。だから、4000万人が無保険で満足に病院にも通えないというのは大嘘である。

さらにアメリカでも医療産業の生産性の向上は完全にストップしてしまっている。これは政府による医療市場への過剰な介入があるからだ。どこの国でも状況は同じだ。さらに公的保険の規模を拡大させることは医療産業への政府の介入を強めることになる。一方で医療への需要は高まるだろうから、おそらくオバマケアによってアメリカの財政はさらに悪化するだろう。

残念ながら彼の経済政策にはロクなものがない。オバマは決して悪い人には見えないが法学部出身でリベラルな人間にありがちな典型的なパターンで経済というものがまるでわかっていない。その上彼のスタッフもケインズ的な思考に犯された人間が大半なのだろう。財政が健全ならば減税というアイディアも出るのだろうが、財政再建となると共和党とのイデオロギー対立も高まっている中でどうしても増税というアイディアしかでてこないらしい。たぶん、これからもう4年間、アメリカは停滞の時代になるだろう。


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