仕事とは何か? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

「仕事とは何か?」とは人生における重要な命題だろう。稼ぐためと割り切っている人も中にはいるだろう。仕事は人生の全てくらいに思っている人もいるだろう。だが、多くの人は仕事とプライベートのバランスをいかにとるかに悩みながら生きているのではないだろうか?もちろん、僕もそんな一人だ。

人間は常に何らかの選択を迫られて生きている。江戸時代はのんびり生きていたのに。。。資本主義のせいで。。。労働者は搾取されているのだ。なんて思っている人もいるかもしれないが、我々の祖先は選択の中で、ある意味で仕事と時間の奴隷になりながらもより豊かな生活をすることを選んだのかもしれない。

日本人は働きすぎだ!という。では、海外に出て働く方法や非正規などの形でのんびり暮らす方法もあるだろう。それでも多くの人は働きすぎだなと思いながら働いている。それでも、昔に比べればモーレツな働き方をする人は減っているかもしれない。

労働というと何か押し付けられているものと考え、ついつい仕事中の不満を思い出し、「労働者は○○を強制されている」というように考えてしまう人が多いが、結局はこれは我々の選択の結果なのではないかと僕は思っている。その中でいかにバランスを取るかというのが我々凡人に与えられた生きる上での課題なのかもしれない。

本日紹介するのはそんな日本人の仕事観の変化を追った一冊である。


仕事と日本人 (ちくま新書)

決して、明確な主張がまとまった本ではない。また、「新自由主義的な」だとか、「規制緩和が正しいとは思えない」というような当ブログの読者からすれば?と思ってしまうような言葉もところどころに出てくる。

しかし、本書が面白いのは江戸時代以降の仕事観の変化をさまざまな角度から横断的に見れるところだ。筆者は大学教授であり、浮世離れした労働をしている人物ではあるがサラリーマンをしている僕が読んでも共感できる部分も多い。

現代の労働は押し付けられたものであると否定的に捉えているところは少し疑問だが。。。。

たとえば、江戸時代の日本人はそれほど働かなかったという話を紹介する一方で時間をしっかりと守り真面目に働いていたのではないか?という見方も提示する。たとえば、江戸時代には確実に休日が増えており、江戸時代の農民もまじめに生産性の向上に取り組んでいたことがわかる。

また、明治時代になると「職人は週に4日は働かないといけなくなった」との記述が紹介されており、これに関して筆者の分析をまたず僕は色々思いをめぐらした。

また、明治以降、残業・終身雇用・出世などと言ったことに対して日本人がどう考えてきたかが色々な文献や研究を挙げて紹介される。

繰り返しになるが筆者の主張は不明瞭であいまいすぎて何が言いたいのか本書を通してわからない。ただ、筆者自身も自分が労働の専門家ではない点を認め、随筆的な、あるいは読書ノート的な一冊に仕上げたというのだからそれはそれでいいだろう。考える材料をここから色々取り出す。雑学を身に着けるという意味では最適の一冊だ。



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