「小さな政府」を支持する人々へ ~ロン・ポールを知っているか?(サンデル教授の不倶戴天の敵) | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

みなさんはロン・ポールというおじいさんをご存知だろうか?76歳になるアメリカ・共和党の下院議員である。そして、強烈な小さな政府支持者・いわゆる「リバタリアン 」としてアメリカではネットを中心に非常な人気を持つ人物である。

先日、行われた共和党のアイオア州の模擬選挙では、茶会系のバックマン氏についで2位になった。

現在、アメリカでは小さな政府を支持する人々の声が非常に高くなってきている。そして、ティーパーティーなどの活動にその動きが現れている。

日本に住んでなんとなくアメリカは市場原理主義の国で弱者切捨ての国なんだ!と思って批判的な人々もアメリカは規制が少なくて競争によって発展していて自由な素晴らしい国なんだ!と思っている人々も、物事を一面的に捉えすぎているのかもしれない。だから、ティーパーティーのような運動の本質を捉えるのはなかなか難しいかもしれない。もちろん、僕にできているとは言わない)

本日紹介する彼の著書はなぜ、彼のような小さな政府支持者が今のアメリカの状態に危惧を覚えているのか?そして、なぜ、アメリカの保守派は小さな政府を支持するのか?また、日本ではあまりメジャーではないリバタリアニズムという考え方とは何のかを非常に分かりやすく理解することができる。

他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言―

やや、穏やかならぬタイトルである。。。。。

なぜか副島氏が監修をしている点が個人的には納得いかないが、彼に言わせれば日本でブームになったコミュニタリズムの代表・サンデル教授の不倶戴天の敵であるらしい。サンデル教授に感銘を覚える人、その著書を読んだ人には大局の考え方を知る上で読んでもらいたい一冊でもある。

さて、もちろん、彼の主張は普段、僕がこのブログで書いていることとそこまで大差はない。

まず、本書は
誰でも生きる権利と財産権を持っている。そして誰も、他の人のこの権利を侵す権限を持っていない。どんな人でもこの原則を受け入れている。
という誰もが当たり前と思う一節から始まる。

しかし、彼は言う
政府だけが税金という名の下にその財産権や人間の自由を侵す。そして、その政府に群がり他人のお金で生きようとする多くの人々が存在すると。

そして、アメリカで以下に政府の規模が拡大し、規制が増え、建国以来のアメリカという国の自由主義のあり方が変質しているかを時に嘆き、時に故事や具体的なデータに基づきあるいは基本的な経済学的かつ論理的な考え方に基づき政府の規模の縮小が必要かを説く。

また、多くの人にとって意外なのは通貨の発行権をなぜ政府に独占させるのか?という彼の批判であろう。通常、どんなに小さな政府を支持する人でも通貨の発行権(あるいは政策金利決定権)は中央銀行が有しているものと考えているはずだ。しかし、冷静に考えれば市場を重視するのであれば、なぜその部分だけが完全な政府の統制下に置かれるのかという大いなる疑問が沸いてくるはずだ。個人的には金本位制を必ずしも支持しないが、それでもこれこそ僕が多くの小さな政府を支持する人に読んでもらいたい部分でもある。

さらに、話はアメリカの保守派の伝統的である外交における不干渉主義の理念、そしてなぜそれを共和党が失ってしまったかという話にも移っていく。

難しいだろうが、次回大統領選挙の台風の目になってくれればと祈っていたりもする。いずれにしても、冒頭に書いたように小さな政府を支持する人や興味がある人には必読の書である。そして、経済的には小さな政府を政治的には保守という人にも一度、リバタリアニズムという考え方に触れていただきたいと思うのでぜひ読んでいただきたい一冊である。

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