ブルームバーグからそんな記事を見つけたので紹介したい。まずは、要約してみる。
ジャーマン・ピリメス氏は2007年、「ゴールドラッシュ」の様相を呈しているスペインの太陽光発電について義兄から聞き、農地の一部に太陽光発電のパネルを設置した。発電能力は80キロワット。そのために貯金を下ろし、家を担保に入れて4500万円を超える融資を受けたという。
スペイン政府は2007年に1キロワットあたり最大44セントで太陽光発電から発電された電力を25年間保証で買い取ると決めた。普通の電力会社の卸売り価格は平均4セント!!なのにだ。
しかし、スペインはご存知のとおり財政難に陥り、この価格保証の引き下げを検討している。そうなると、スペインで太陽光発電を起業した5万人以上が財政難に陥るという。
しかも、太陽光パネルが国内で生産されれば雇用創出につながると同時に太陽光パネルを輸出産業にすることも可能だとの政府のふれこみだったようだが、実際は、大半の太陽光パネルが国外から輸入されているという。
結局、数10億ユーロをつぎ込んで得たものはなにもなかったどころか、5万人の国民のクビをしめようとしている。
頭の体操にいいネタだと思って書いてみた。いつも環境問題というと風力発電ネタが多いのだが、今回は太陽光発電。
個人的にはポイントは4つだと思う。
①普通の電気の卸売り価格が4セントなのに、太陽光発電の電力の買取価格は44セント!!これに驚いた。それで、どの程度利益が出るのかはわからないが、太陽光発電がいかに非効率的な発電方法かということだ。
だいたい、太陽光発電が注目され始めて何年がたつんだろう。いまだにこんなレベルの発電方法、さっさと見切りをつけて他の研究をしたほうがいいんじゃないだろうか?
②スペイン政府はたしか風力発電に対する補助金も減らそうとしていたはず。欧州各国は財政危機でクリーンエネルギーに対して補助金を減額しているところが多い。こういう世界の流れを日本の政治家は知っているか。アメリカではオバマが投資を拡大しようとしているみたいだが、アメリカばかり見ていると世の中の流れを間違うかもしれない。
③欧州で補助金が減額されているもうひとつの理由。以前は風車などはドイツ国内などで作られていたらしいのだが、最近は中国などの国で生産され始めているという。すなわち風力発電産業に対する補助金が国外に流出し始めているのだ。その点が、欧州各国が補助金削減をはじめているもうひとつの理由といわれている。
④政府の甘い言葉にのったがためめに・・・。5万人が困っているという。そもそも、自力で成り立たない補助金頼りの事業を政府の甘言にのって始めるほうも悪いのだが、政府なんていうのは・・・。といういい例だろう。もちろん、悪気が合ったわけじゃないだろうが、善人面して最後は結構冷たいもんだ。(参考過去記事→「政府」という麻薬の売人 )
しかし、太陽光発電事業を育てるといってもそんな素人みたいな農家に兼業でやらせて意味があると思ってたんだろうか・・・。太陽光発電については詳しくないけれども、どっかの電力会社にでかい発電施設を作らせるほうがいいと思うんだが、違うんだろうか・・・。なんという行き当たりばったりの政策・・・。
まーでもスペインなんて雨降らないしいつも晴れてるんだから、それでコストが下がらないならかなり厳しいんじゅないの。やっぱ。
ま、他にもいろんなポイントや論点がありそう。ちょっとした経済学的な(?)頭の体操によさそうだ。
スペイン政府ひどい!とかスペイン人はやっぱいい加減だなー。笑で終わらせずにいろいろ考えてみてほしい。
(ちょっとえらそうな締め方ですみません。)
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