格差社会を数字で検証 | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

格差社会・格差社会という言葉が日本ではやっている。今に始まったことではないが・・・。そして、イギリスでも格差の問題は政治のメインテーマだ。


では、本当に格差社会なんだろうか?特に日本では小泉改革によって格差社会がもたらされたというのが流行語になっているが・・・。


OECDが発表した数字を見ながら簡単に検証してみよう。


まずは、日本は格差社会だ!ということを証明したらしい(?)相対的貧困率という数字から。

これは、所得が中央値の半分以下の人の割合を表したものだ。



ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ


表にあるように日本は約37%程度の人が所得の中央値の半分以下の所得しかない。これはOECD30カ国の中で4番目に高い。

おお、日本はやっぱり格差社会だ!!といいたくなる人も多いだろう。これに対する反論は絶対的貧困率が日本は小さいというものもあったが、それと同時に・・・。


このグラフを見てみると、



ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ

日本は1980年から1990年までも相対的貧困率は上がり続けているのだ。しかもよくみてほしい。実は1980-1990年代半ばのほうが相対的貧困率の伸び率は大きい。少なくとお小泉改革が格差社会の原因とは言い切れなそうだ。むしろ、相対的貧困率はその前。バブル時代から始まっていたといえそうだ。



つぎにジニ係数ベースで見てみよう(ジニ係数の詳細説明→wiki 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0 )


ジニ係数は1に近いほど所得の不平等さが大きく、0に近いほど平等という値。

日本は30か国中20位。比較的格差はあるというほうといえるが、そこまででもないといった感じか。

http://www.oecd-ilibrary.org/docserver/download/fulltext/3010061ec088.pdf?expires=1283289423&id=0000&accname=freeContent&checksum=E2F4B95D65E6BC61711D4B29E190EBE2

(エクセル表しかない。PCが壊れていてエクセルが使えないので・・・。リンクを直接見てください。上の表の一番左です)


これも、1980年代-1990年代半ば,1990年代半ば-2000代半ばの伸びを見てみると・・・。


ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ-income


日本は1980-2000年代半ばの伸びに関してはOECD平均以下。特に、1990年代半ばから2000年代半ばに関しては伸び率はマイナスでむしろ所得格差は縮まっているといえそうだ。


それぞれの統計にはクセがある。僕は専門家ではないし、趣味で部ログを書いているのでさすがにそこまでは検証できないが、一概にここ数年で格差が広がったという主張は数字の上では必ずしも正しくないようだ。


そういえば、片山さつき氏もこんなことを言っていた。

http://news.livedoor.com/article/detail/4688405/

真実の議論番外編!本当の貧困は何人?本当に寝泊りするネットカフェ難民は何人?


正社員は本当に減ったのか?
1984年と、2007年は、生産年齢人口がほぼ同じ。
ところで、正社員の数は、1984年が3333万人、2007年が3441万人!108万人増えています!正社員が減って非正規が増えている、これが日本の定説ですが、、。

同じ1984年から2007年に、非正規社員は、1128万人も増えていますので、正規が減ったのではなく、非正規ガ増えた、が客観的にただしい、、。(以上抜粋)


などなど


いずれにしても、格差の拡大の問題はいまや日本だけの問題ではない。

世界中に広がっている。ただ、ひとつ比較的救いなのは、各国で起業や金融関係者などによって成り上がってくる金持ちが増えているということだ。昔のように資産家がその資産を背景にさらに富を蓄えるという構図では必ずしも欧米はない。その点は少なくとも機会があるという意味ではまだ救いだろう。


いずれにしても、安価な労働力を持った新興国の台頭や起業が設備移転が容易になった点・さらに情報技術の発達や自由貿易の発展などはスキルのない労働者の賃金をたとえば中国の安価な労働力並みに押し下げていく可能性は高い。しかし、これはある意味ではフェアなことだ。日本人だからといって努力しない人はそのうち中国の最低賃金労働者並みの生活をせざるを得なくなる(これは極論であり、単純化しすぎだが)という時代が訪れてもおかしくないだろう。



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