ドイツ兵ハンゼンの徳島オーケストラ創設100周年記念コンサートは、2015年11月8日(日)午後に徳島市の徳島大学常三島けやきホールで行われ、無事に終了しました。ご来場頂きました皆様、ご支援頂きました皆様に深く感謝いたします。

看板

不安定な空模様で、天気予報によると突然激しい雨が降る可能性もあるとのことで心配しましたが、ほとんど雨は降らず、時には青空が見えることもあり、安心しました。徳島大学での開催は昨年12月に続いて2回目で、多少は勝手がわかってきましたが、細々したトラブルはいろいろありました。多くの方々のご協力を頂いて準備を整えることができました。

講演

いつもの演奏会とは違い、講演から始まりました。徳島俘虜収容所のドイツ兵と音楽のことを中心に、興味深い内容でした。引き続き徳島エンゲル楽団・合唱団ほかが登壇し、友愛の花などの日本の歌を4曲演奏しました。合唱団もいつもより人数が多く、充実した演奏ができたと思います。(写真を入手できたら掲載します。)

休憩後は、紙芝居「ヤー・トモタチ」です。ドイツ兵たちと子供たちや住民との交流を描いたもので、演奏会の趣旨がよくわかります。プロジェクタも併用したので、会場全体からよく見えました。前の方の人は、本来の紙芝居を楽しむこともできました。

紙芝居

ハンゼンたちの徳島オーケストラが100年前に演奏したプログラムをそのまま再現する試みとして、俘虜たちの新聞に掲載されていた演奏会プログラムから選曲しました。1曲目はモーツァルトの弦楽四重奏曲第1番K.80の第2楽章です。弦楽アンサンブルとして演奏しました。

SQ

2曲目はチャイコフスキーの「カンツォネッタ」です。独奏者とキーボード伴奏の2人で演奏してもらいました。素晴らしい演奏で、ハンゼンの100年前の演奏を想像しながら聴きました。

Vn

会場は超満員で、パイプ椅子を置けるだけ並べて、ようやく全員座れるという大盛況でした。
この後の演奏には筆者も参加したので写真はありません。これまでのレパートリーから、フィガロの結婚と椿姫から1曲ずつと、美しく青きドナウ、そして徳島市で日本初演された「歓喜の歌」です。花束贈呈の後、いつものようにラデツキー行進曲で終演となりました。皆さん最後まで楽しんでいただけた様子でした。

演奏会場の横の部屋では、バルトの楽園の写真と、バルトの庭から借りた資料を展示しました。準備が遅れて、演奏会の途中でやっと並べることができて、休憩時間と終演後に来場者に見ていただくことができました。

窓

展示

写真

徳島エンゲル楽団の演奏会は、これまで年に1回のペースで「エンゲル・松江記念市民音楽祭」として開催してきました。徳島大学で研究者の方々と共同で企画をすることができたことはたいへん嬉しく思います。今後の企画にご期待頂くとともに、これまで通り皆様のご支援をお願いいたします。