全国ご当地エネルギーリポート!

-エネ経会議・特派員:ノンフィクションライター高橋真樹が行くー

当サイト「全国ご当地エネルギーリポート!」は、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議(エネ経会議)が主催するものです。著書『ご当地電力はじめました!』『自然エネルギー革命をはじめよう』で、全国で動きはじめた再生可能エネルギー(自然エネルギー)をめぐる面白い取り組みを伝えた、ノンフィクションライターの高橋真樹さんを特派員として派遣。各地でリアルタイムに起きているワクワクするような活動をつぎつぎと紹介していきます!エネ経会議についてはコチラ! 

ノンフィクションライター高橋真樹の自然エネルギーの書籍

最新刊2016年7月20日出版
『そこが知りたい電力自由化–自然エネルギーは選べるの?』
(著:高橋真樹/大月書店)




 ついに始まった電力自由化。
 私たちの暮らしはどう変わるのか?
 原発や 自然エネルギーはどうなるのか?
 「どこが安いか」の情報の中で抜け落ちる
 価格より大切なこととは?
 電力自由化とこれからの暮らしについて
 わかりやすく伝える入門書




 『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)

 ワクワクする地域や市民のエネルギーの取り組みを紹介!
 エネルギーを、ひとり一人の手にとりもどそう!
$全国ご当地エネルギーリポート!
    『自然エネルギー革命をはじめよう
           ~地域でつくるみんなの電力』


    紹介動画はこちら
 身近な素材で風車や水車をつくろう!夏休みの工作にピッタリ!
 『親子でつくる自然エネルギー工作①風力発電』
 『親子でつくる自然エネルギー工作②太陽光発電』
 『親子でつくる自然エネルギー工作③小水力発電』
 『親子でつくる自然エネルギー工作④太陽熱&バイオ発電』
※テーマは各地域とあつかっているエネルギーの種類別に分類しています
※リンクバナーはこちら ご自由にお使いください

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7月20日に電力自由化についての新刊を出版しました!

『そこが知りたい電力自由化–自然エネルギーは選べるの?』
(著:高橋真樹/大月書店)

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電力自由化が始まった4月前後から、「どこを選んだらお得か」、「どの会社にはどんなサービスがあるか」について比較する情報がたくさん出回っていますが、ぼくの本にはそうした情報は載っていません。

それよりも、「どこがお得か?」が注目されることで見えなくなってしまっている「何のために電力自由化をするのか?」「自然エネルギーは選べるようになるのか?」「結局何がどう変わるのか?」といったことに重点を置いて解説しています。

全国ご当地エネルギーリポートでも何度か紹介してきたように、電力自由化は制度の話なので、一般の方にはなじみのない用語がたくさん出てきます。それをできるだけわかりやすく伝えようとチャレンジしたのが本書です。

なぜ7月になって電力自由化の本なの?と思われる方もいるかもしれません。通常、こういう本は電力自由化が始まって世の中の話題になる4月に出すものです。

でも今回は国の制度設計の遅れや、ぼくがオススメしたい新電力会社の準備がまだ整っていなかったので、4月に出すのはやめようという判断をしました。遅れてもいいから、しっかりとした内容を伝えられるようなタイミングを見極めながら取材していたのです。それでこの時期になりました。

電力自由化が始まって3ヶ月間で、100万世帯超が電力会社を切り替えました。これは、今回選べるようになった世帯の割合からするとおよそ2%程度にあたります。

まだまだ様子をうかがっている方も多いのかもしれませんが、ぼくがオススメするような自然エネルギーを重視した新電力会社も、だいぶ選べるようになってきています。暑い夏を迎える今、この本を参考に電力会社切り替えについて真剣に検討してみてはどうでしょうか?

先日、参議院選が行われましたが、ぼくは電力自由化はそれと同じようなものだと考えています。今までエネルギーに関しては投票権が与えられていなかったのですが、ようやく複数の選択肢の中から選ぶことができるようになったのです。

もちろん現段階では制度の問題などもあって、100点満点の候補者(電力会社)はないのですが、選挙と同じようによりましな方を選ぶことはできるはずです。そうした企業が多くの人から支持されるようになれば、自分たちが選択したい未来に近づけることもできるかもしれません。

逆に「よくわからない」「自分には関係ないよ」と思って切り替えに参加しなければ、今までの「東京電力」や「関西電力」などの大手電力会社に投票しているのと同じことになってしまいます。そんな風に電力自由化は、それをきっかけに私たちとエネルギーの関係を問い直す機会にしていけるかもしれません。

◆各章の見出しと内容の一部

はじめに:この本には「どこがお得か」については書いていません
1章 電力自由化で何が変わる?

何がどう変わった?/自然エネルギーを選べる?/電力自由化のギモンに答える/どんなタイプの電力会社があるの?
2章 電力自由化ってなんだろう?
何のために自由化するの?/電気が流れてくる仕組みは?/電力の歴史をたどる/地域独占は何をもたらした?
3章 変わりはじめた電力システム
公益事業が民営化する流れ/「電力システム改革」が始まった/カギを握る発送電分離は?
4章 何が問題?日本の自由化
日本の改革の課題−どうすればいいの?/なぜ日本だけで石炭火力が増える?/欧州ではどうなっている?/送配電網を買い戻したドイツ市民
5章 これからの自然エネルギーと原発
政府の自然エネルギー目標値は低い?/自然エネルギーはコスト高?不安定?というギモン/電力自由化で原発はどうなる?
6章 地域の新電力・エネルギーは地方活性化の切り札?
地域ベースの新電力会社紹介(みやまスマートエネルギー、中之条電力、湘南電力など)/日本版「シュタットベルケ」は誕生するか?
7章 自然エネルギーにこだわる新電力会社
自然エネルギーの普及をめざす新電力会社紹介(みんな電力、Looop、パルシステム電力、生活クラブエナジーなど)/新電力会社に切り替える企業/デンキを選べば社会が変わる
8章 私たちにできることは?
電気の特徴を見極めて使う/ガマンしない省エネで快適に/送電網をみんなのものにする/いまこそ公益事業を問い直すとき
あとがき:エネルギーと民主主義



『そこが知りたい電力自由化–自然エネルギーは選べるの?』
(著:高橋真樹/大月書店)




 ついに始まった電力自由化。
 私たちの暮らしはどう変わるのか?
 原発や 自然エネルギーはどうなるのか?
 「どこが安いか」の情報の中で抜け落ちる
 価格より大切なこととは?
 電力自由化とこれからの暮らしについて
 わかりやすく伝える入門書


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福島第一原発事故から5年、住民が主体になったエネルギープロジェクトとしては、桁外れに大きなプロジェクトが始動しました。事故を起こした原発から7キロほどの近さにある福島県富岡町を舞台にした太陽光発電事業、「富岡復興ソーラー」です。すでに市民出資の募集も始まっているこの事業を手掛ける事業会社「さくらソーラー」の小峯充史さん(プロジェクトマネージャー)に聞きました。

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富岡町の桜並木(提供:富岡復興ソーラー)

◆今回のトピックス
・全国初!市民主導で33メガの太陽光発電
・次世代に町を残したいという思い
・20年間の事業を成功させる仕組みづくり
・収益を生活支援や農家の自立に活用


◆全国初!市民主導で33メガの太陽光発電

福島第一原発のある大熊町の南に隣接する福島県富岡町は、全町避難となっています(2016年6月現在)。一部の地域は避難指示解除準備区域に指定され、来年には帰町できるエリアも出てくるのですが、2015年に実施されたアンケート(回答率約51%)によれば、3年以内に町に戻りたいと考える住民はわずか7%でした。

そんな状況で、地域住民の中からメガソーラーをつくるプロジェクトが立ちあがります。まずは2013年に元中学校の音楽教師だった遠藤陽子さんが、自分の夫が所有する田んぼに太陽光発電を設置できないかと計画します。この地域が、日陰もなく太陽光に適した土地だったからです。当初考えていた規模は約2メガ(出力2000キロワット)でした。

遠藤さんが、事業の実現に向けて富岡町や福島県、復興庁などと相談するうちに、福島や茨城にバラバラに避難していた地権者の方々から「うちの土地も使って欲しい」と声をかけられるようになります。そして最終的には35万平米という広大な農地に、33メガ(一般家庭約1万世帯分の電力)の太陽光を設置する計画に発展していきました。遠藤さんは、事業を支援するISEPなどの専門家からアドバイスを受け、事業主となる「一般社団法人・富岡復興ソーラー」を設立、代表理事を務めることになりました。現在、発電所の工事は2016年秋に着工し、2018年3月に運転を開始するスケジュールで進めています。

富岡町は交通の要衝に位置していて、国は原発の廃炉作業を進める前線基地となることを計画しています。そこで、町としては遠藤さんたちが計画しているエリアに、廃炉作業員向けの住宅を建設したり、廃炉作業に向けたロボットの研究施設を誘致しようということも検討していました。しかし地域住民としては、次世代が希望の持てる町づくりをしたいという思いが強く、太陽光発電所をつくることを選びました。なお通常であれば、農地で作物をつくらずに太陽光発電をやるのは簡単に許可されないのですが、今回はこの事業が富岡町の第二次災害復興計画と復興整備計画に盛り込まれたことで、転用が可能になりました。

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富岡復興ソーラープロジェクトの事業予定地(航空写真・提供:富岡復興ソーラー)

◆次世代に町を残したいという思い

地域の人たちが自然エネルギーを選んだ理由のひとつには、農地を残したいという強い思いがありました。富岡町の放射線レベルは、除染前より下がっているとはいえ、食料としての農産物を作って売れるような状況ではありません。しかし、いったん工場などを作ると農地に戻すのは難しくなってしまいます。太陽光なら、20年の発電期間が終われば、撤去して戻すことは可能です。

富岡復興ソーラーの事業を進めるため、事業会社「株式会社さくらソーラー」が設立されました。そのさくらソーラーでプロジェクトマネージャーを務める小峯充史さんは、これまで東京都調布市などで地域住民が主導する地域エネルギープロジェクトを手がけてきましたが、これほどの規模の事業はもちろん初めてです。プロジェクト全体の費用が94億円弱、応募する市民出資の目標額は13億円など、いずれも過去最大になっています。小峯さんは言います。

「土地の利用方法も含めて、まさに原発事故のあった福島だからこそ実現した事業だと思います。その分初期投資もかかりますが、資金の85%程度を大手金融機関や福島県内金融機関から、残りの15%程度を市民出資などで集める予定で、確実にうまくいくようしっかりとした仕組みを作りました。先祖代々の土地をなんとかして次世代につなげたいという富岡町の人たちの想いを、皆さんもぜひ応援して欲しいと思っています」。

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「株式会社さくらソーラー」のプロジェクトマネージャーを務める小峯充史さん

◆20年の事業を成功させる仕組みづくり

富岡復興ソーラーの事業会社である株式会社さくらソーラーの親会社には、遠藤さんが代表を務める一般社団法人富岡復興ソーラーの他、ISEPや複数の生活協同組合が出資、協力しています。また、金融機関としては大手金融機関と福島県内の金融機関が協力して融資を行い、設備の設置は株式会社日立製作所が担う予定となっています。地域プロジェクトとしては異例となる大手銀行や大企業が関わる事業になります。

この全国ご当地エネルギーリポートでは、工事会社や金融機関を含めてなるべく地域内でお金を回すことを推奨していますが、今回については規模が大きすぎるので、その尺度では測れないようです。資金調達の面でも、大手で実績のある工事会社が手掛けないと、この規模の融資は受けられないとのことです。

今回の事業の最大のポイントは、工事などのお金を地域で回すことではなく、地域のためにしっかりと20年間の事業を成功させて、売電収益で確実に地域貢献を達成するということになっているのです。小峯さんによれば、他にも災害に対する保険はもちろんのこと、元利金返済が滞った場合に備える積み立てや売電収入が少なくなった場合に備える保険への加入など、従来の地域プロジェクトでは考えられないような手厚いリスク対策をしているとのことでした。

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富岡復興ソーラープロジェクトの事業予定地(提供:富岡復興ソーラー)

◆収益を生活支援や農家の自立に活用

発電事業による収益は、20年間合わせると30億円超になる見込みです。この収益は、「一般社団法人富岡復興ソーラー」を通じて、地域の自立をめざす復興支援事業に使う予定になっています。

具体的に検討されているのが、次の2点です。ひとつは、避難指示が解除された後、富岡に戻る人に向けた送迎サービスです。人数が少ないとはいえ、どうしても故郷に戻りたいと考える高齢者の方はいます。しかし、商業地や病院などに行くための足がありません。そのため、ワゴン車での送迎サービスや買い物の代行などといった生活支援を実施します。 

もうひとつは、若手の農家が自立的な経営ができるための支援になります。富岡町は大半が農地(田んぼ)なので、これをなんとか残したいと思っている方は多いのですが、すでに述べたように現状では食品を栽培するのが難しくなっています。そこで、食用ではない花を育てたり、エネルギーになる原料を育てることで、農地を荒廃させずに残すことができるようになる可能性もあります。この部分は時間をかけて町と協力しながら、調査、提言をしていく予定です。 

このほか、収益の一部を福島からのエネルギーシフトを掲げて活動する「一般財団法人・ふくしま自然エネルギー基金」へ寄付することも予定しています。小峯さんは言います。

「地域に何かをあげて終わり、みたいなものは自立にはつながりません。富岡復興ソーラーの地権者の方々は、いまはそれぞれの避難先にバラバラになってしまっていますが、自分たちが生まれ育った富岡という地域をなんとか次につなげたいと強く願っています。それをなんとか形にしていければと思っています」。

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除染した袋が積まれた事業予定地(提供:富岡復興ソーラー)

福島第一原発の間近で、地域の復興をめざす新しい挑戦、富岡復興ソーラーに注目してください。7月23日(土)には東京都内で、富岡復興ソーラーについて紹介するイベントが予定されています。こちらには、城南信用金庫の吉原毅相談役も登壇されます。詳しくはこちらをご覧ください。

また、市民出資「福島富岡復興グリーンファンド」の募集は10月末まで、詳細は「株式会社自然エネルギー市民ファンド」にお問い合わせください。

ぼく自身も7月中には富岡町に取材に行き、引き続きこのプロジェクトについてお伝えしていく予定です。



自然エネルギーで地域に力を取り戻す!

高橋真樹著『ご当地電力はじめました!』
(岩波ジュニア新書)

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電力自由化がはじまってすでに2ヶ月。現在までのところ従来の大手電力会社から切り替えた家庭は全体の2%程度と割合は少ないのですが、切り替えを具体的に考え始めた方も多いのではないでしょうか?今回は、一般家庭が契約することができる注目の新電力会社紹介企画の第二弾をお送りします。


福岡県みやま市のメガソーラー(提供:みやまスマートエネルギー)

今回紹介する「Looop(ループ)」は、基本料金0円という省エネする家庭にもメリットがあるプランを打ち出しています。また「みやまスマートエネルギー」は、地域の課題解決に電力小売を結びつけようという取り組みを進めています。いずれも、とても個性的な会社なので、ぜひ注目してほしいところです。

◆基本料金ゼロ!大震災を機に立ち上がったベンチャー企業:Looop(東京都文京区)

◇特徴

「株式会社Looop(ループ)」は、個人でも太陽光発電所を持ち、作ることができる「MY発電所キット」を販売して人気となった会社です。

会社を設立したきっかけは、3・11の東日本大震災が起きたとき、当時つきあいのあった中国企業からソーラーパネルをもらい受けたことでした。中村創一郎社長ら創業メンバーは、そのパネルを電力供給の止まった宮城県石巻市や気仙沼市にボランティアで設置、自然エネルギーの重要性を感じたことから、2011年4月に会社を立ち上げます。

設立から5年がたった現在は、160人以上の社員を抱えるまでに成長しています。自社が開発する太陽光発電所としては、14カ所に合計出力10メガワット以上を所有しています。2015年末からは企業を対象とした高圧小売事業を開始、およそ1000件ほどの企業と契約しました。


Looopの「MY発電所キット」(提供:Looop)

◇家庭向けの小売について

2016年4月からは、家庭向けをふくめた低圧電力の供給を東京電力、関西電力、中部電力のエリアを対象に始めています。

小売事業の特徴としては、基本料金が0円で、電気代は1キロワット時につき一般家庭で26円(関西圏は25円)、商店、事務所では27円(関西圏は26円)と定額であることです。各社が複雑な料金設定や複数のプランを打ち出し、消費者にわかりにくい状況になっている中、非常にシンプルな設定といえます。

契約期間のしばりもありません。基本料金がかからないので、電力使用量の多い家庭だけでなく、省エネした家庭にもメリットがある仕組みです。高圧契約がある程度安定したビジネスになっていることや、宣伝広告費などにコストをほとんどかけていないことから、このような思い切ったプランが打ち出せました。

2016年の3月11日に受付を開始したところ、予想を越えた反響があり、2ヶ月弱でおよそ1万世帯が申し込みました。Looopは今後、10万人をめざして契約者を増やすことを目標にしています。


Looopの企画開発部長、小嶋祐輔さん

◇自然エネルギー電源について

これまでの発電設備は太陽光が中心ですが、風力発電所や地熱発電所の開発も手がけるなど、電源の多様化を進めています。電源構成は、FIT電気が20%、FITではない水力発電所との直接契約が6%で、合わせると自然エネルギーの割合は26%を越えています(2016年5月現在の計画値)。

新電力会社の中には電力の需給管理を大手に任せるところも多いのですが、これまでの経験から自社で手がけることができるというのも強みになっています。

ループのWEBサイトはコチラ

◆地域の課題解消をめざす自治体新電力会社:みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)


みやま市役所の前ではためく「エネルギー地産地消都市」ののぼり

◇特徴

 福岡県みやま市にある「みやまスマートエネルギー」は、全国の自治体新電力会社の中で最も早く家庭向けの小売事業を始めた自治体が出資している新電力会社です。

みやま市は、2005年に3つの町が合併してできた人口4万人ほどの自治体で、2013年に市と市内の企業が出資して出力5メガワットの太陽光発電設備を設置しています。また経産省が補助を募集した家庭向けエネルギー管理システム(HEMS/ヘムス ※)の実証事業を2014年から実施するなど、エネルギー政策に積極的に取り組んできました。

HEMSとは、端末を通じて自分がどれくらい電力を使っているか細かく確認できるシステムです。みやま市がHEMS事業を実施した背景には、急激に進む高齢化など、増加する地域の課題に対して予算や人員が追いつかないという実情がありました。

みやま市は、HEMSの情報を利用して、一人暮らしの高齢者の見守りや健康管理などを行う新しいサービスを実施し、利用者には好評でした。発電事業やHEMSの実績を踏まえて、みやま市が55%を出資して、みやまスマートエネルギーを設立しました。

実証事業を終えたHEMSの活用も、このみやまスマートエネルギーが引き継ぐことになりました。みやま市は、単に電気を販売するだけでなく、エネルギーとのつながりを通して、地域振興や高齢者対応、雇用創出、そして子育て世帯の定着率を高めるといった地域のニーズに対応できる仕組みにつなげようとしています。

※ HEMS(ヘムス)は、ホームエネルギーマネジメントシステムの略。家庭でエネルギーを効率的に使うための管理システム。端末のモニター画面から家庭の電化製品の使用状況などが把握できる。みやま市では、サポートセンターに情報を転送することにより高齢者の健康状態などを把握、必要があれば家族に連絡をするなどしてきた。


みやまスマートエネルギーの経営企画部長、白岩紀人さん

◇家庭向けの小売について

2016年4月からは、九州電力管内の一般家庭向けの電力販売を始めています。2016年5月現在では約300世帯の申し込みを受けつけています。当初は対象をみやま市に限定しようという案もありましたが、みやまにゆかりのある人が他の地域で電気を買いたいとなったときに供給したいとの考えから、九州全域で購入できるようにしています。

価格は九州電力より平均で2%ほど値引きしていて、水道料金とセットにすれば手続きが簡素化され、さらに割安になります。自然エネルギーの割合(FIT)は、年平均でおよそ40% 程度です(2016年5月現在)。


エネルギーが身近になるHEMSの端末
 
◇取り組みと今後の展開

2015年末から市の公共施設や病院、JAなどに高圧の電力を供給しスタートした電力会社ですが、補助事業が終了したHEMSの事業も、みやま市から引き継いで実施することで、電力販売に留まらない活動へ広がりをみせています。

例えば、みやまスマートエネルギーと電力契約をした世帯にはHEMSの機器が斡旋され、画面から地域の商店街の商品を注文、宅配サービスを受けることができます。同じようなものを買うのなら、アマゾンや楽天ではなく、地域の商店街を利用して地域振興につなげようという狙いから実現しました。HEMSを通じて、災害情報の提供や日常の御用聞きサービスも行っています。こうしたサービスは、みやま市内に住む人だけが対象となります。

みやまスマートエネルギーのWEBサイトはコチラ

新電力紹介①はコチラ(みんな電力、生活クラブエナジー、中之条電力)





エネルギーをもっと身近に!

高橋真樹著『ご当地電力はじめました!』
(岩波ジュニア新書)


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