全国ご当地エネルギーリポート!

-エネ経会議・特派員:ノンフィクションライター高橋真樹が行くー

当サイト「全国ご当地エネルギーリポート!」は、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議(エネ経会議)が主催するものです。著書『ご当地電力はじめました!』『自然エネルギー革命をはじめよう』で、全国で動きはじめた再生可能エネルギー(自然エネルギー)をめぐる面白い取り組みを伝えた、ノンフィクションライターの高橋真樹さんを特派員として派遣。各地でリアルタイムに起きているワクワクするような活動をつぎつぎと紹介していきます!エネ経会議についてはコチラ! 

ノンフィクションライター高橋真樹の自然エネルギーの書籍

最新刊2016年7月20日出版
『そこが知りたい電力自由化–自然エネルギーは選べるの?』
(著:高橋真樹/大月書店)




 ついに始まった電力自由化。
 私たちの暮らしはどう変わるのか?
 原発や 自然エネルギーはどうなるのか?
 「どこが安いか」の情報の中で抜け落ちる
 価格より大切なこととは?
 電力自由化とこれからの暮らしについて
 わかりやすく伝える入門書



こちらから試し読みもできます。
 『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)

 ワクワクする地域や市民のエネルギーの取り組みを紹介!
 エネルギーを、ひとり一人の手にとりもどそう!
$全国ご当地エネルギーリポート!
    『自然エネルギー革命をはじめよう
           ~地域でつくるみんなの電力』


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 『親子でつくる自然エネルギー工作②太陽光発電』
 『親子でつくる自然エネルギー工作③小水力発電』
 『親子でつくる自然エネルギー工作④太陽熱&バイオ発電』
※テーマは各地域とあつかっているエネルギーの種類別に分類しています
※リンクバナーはこちら ご自由にお使いください

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省エネそして快適な住まいの「低燃費住宅」への宿泊体験のリポート、第二弾は夏編です。低燃費住宅の部屋では冬でも暖かかったり、部屋によって温度差がないのでヒートショックなどが起こりにくいことを紹介しました。では、夏の蒸し暑さに対してはどうなのかについて気になるところだと思います。今回は夏にポイントを絞ってお伝えします。

川越モデルハウスの大きな吹き抜けとシーリングファン。家全体で空気がよく循環するようになっている。

 

◆今回のトピックス

・真夏の一軒家を冷やすのに必要なエアコンは?

・窓のある魔法瓶

・湿度はどうなる?

 

◆真夏の一軒家を冷やすのに必要なエアコンは?

 

一般的に、高気密高断熱の家は冬は暖かいけれど、夏は熱くなると考えている人は多いようです。また、ドイツ式の家では日本の夏の蒸し暑さに対応できないのではないかという懸念もあるようです。

 

確かに一般的な日本の家で単に気密性を高め、断熱材をたくさん入れるだけの工事をしてしまえば、うまく湿気を逃がすことができないケースもあると聞きます。 また、夏の日射をさえぎる方法がきちんと考えられていなければ、窓から入ってくる日差しで暖められた室内の空気が外に出ないため、必然的に暑くなってしまいます。施工会社によっては実際にそういう家をつくっているところもあり、それによって「高気密高断熱は夏は暑い」と考える人が増えたという話も聞きます。

川越モデルハウスの壁面の断面図。一番手前の漆喰が、湿度の調節もしてくれる。

 

では低燃費住宅はどうでしょう?今年8月の猛暑日に、低燃費住宅にお邪魔しました。モデルハウスを施工した齋賀設計工務の方に、川越モデルハウスに再度お邪魔したいと伝えると、ちょうど新しい低燃費住宅の家を埼玉県狭山市で建設中なので、そちらを見に来て欲しいと言われました。

 

「完成していない住宅なのに性能がわかるんですか?」と尋ねたところ、「それがわかるのが低燃費住宅です」という自信満々の様子。 夏の暑さ対策に効果があるんだろうか?さらに、建設中なのにそれがわかるのか?という2つの疑問を抱えて訪問しました。

 

狭山市に建設中の低燃費住宅。断熱に関係する外壁や窓は施工済みだった。

 

当日の狭山市は外気温が33度、湿度が75%の猛暑日でした。バス停から建築現場までわずか5分程度の距離を歩いても汗が滴ってきます。 現場では2階建ての一軒家の外壁や内装などをまさに建設中でしたが、家の基礎や天井、断熱材の充填や窓の設置工事は済んでいました。いわば建物としての躯体はできています。

 

蒸し暑い外から玄関を空けて中に入るとひんやり涼しく感じました。室温はだいたい25度程度、湿度も60%以下に保たれています。もちろんガンガンにエアコンをかけているものと思いきや、なんとエアコンは止まっていました。冬に続きまたしても衝撃を受けました。

内部は完全に工事中。

 

工事中にもかかわらず、室温と湿度は快適に保たれていた。

 

さすがに外は33度なので、ずっとエアコンを使っていないわけではありません。エアコンを止めて30分から1時間ほどすると、温度が2度程度、湿度も5〜6%程度上がってきます。そのときは5分ほど稼働します。それでも2階建ての一軒家で使っていたそのエアコンの性能は、なんと4畳用の簡易なエアコン一台のみ。工事中ということもあって仮に置いてあるものですが、これでも家全体を涼しくするのに十分すぎるほどでした。

 

ときたま動かすエアコンは、4畳用の簡易エアコンのみ!

 

このことは、家の気密と断熱がしっかりしていれば、夏を涼しくすごすために高価な機械に頼る必要はない、ということを意味しているようです。通常の家では部屋の数だけエアコンがないと快適にすごせないのですが、家にまつわるぼくのそのような常識は、この住宅の性能の前にまたしても覆されました。もちろん、気密性と断熱性だけでなく、窓の位置や建物の形や庇など、夏の強すぎる日射を防ぐための数々の工夫もされています。それにしても、なぜこのようなことが可能になるのでしょうか?

 

◆窓のある魔法瓶

 

株式会社低燃費住宅の代表を務める早田宏徳さんは、「家を魔法瓶だと考えてください」と説明します。魔法瓶は長い時間、温かいものを温かく、冷たいものを冷たく保ってくれます。低燃費住宅もそのように設計されているので、冬も夏も対応できるということです。

 

住宅は魔法瓶とちがって窓がついています。いくら断熱してもここから熱が逃げていってしまっては効果がないので、窓に力を入れて樹脂製のトリプルサッシを活用しているのです。それによって、温度が変化しにくい環境がつくられています。

大きめの窓もしっかり断熱することにより、中の涼しさを逃さない、外の暑さを入れないということが徹底されている。

 

以前の記事でお伝えした巨大冷凍庫の中に体感ショールームをつくったYKK APの広報部の方も、さすがにトリプルサッシは日本ではまだ一般的ではないけれど、樹脂製のペアガラスの窓を推奨して、いずれ日本の標準になるようにめざしたいと言っていました。光熱費の削減と夏も冬も快適な空間の両立をめざすために優先すべきは、やはり窓のようです。

 

とはいえ、さすがに猛暑日には外気温の影響を受けます。そのために低燃費住宅では、家に1台だけエアコンを設置して、どうしても暑くなったときに少し動かしています。でも数分もすればすぐにまた家全体が涼しくなるので、同じ時間動かしてもエアコンの消費電力が通常の家とでは大きく違ってきます。このように、従来の家とはエアコンを始めとする家電の使い方がまったく変わってくるのです。

 

8月26日の川越の外気温。日中は35度に達した。

 

同じ時間帯の低燃費住宅(川越モデルハウス)の室温。エアコンに頼らなくても外の気温の変化を受けにくく、25度以上になっていない。

◆ 湿度はどうなる!?

 

室温に加えてぼくが夏に気になっていたのは、あのジメジメする湿度についてです。エアコンの効きが良いので、エアコンをいつもかけていればジメジメすることはありませんが、先程伝えたように、この家はエアコンに頼らなくても湿度はあまり上がりません。その理由は、壁の漆喰にありました。壁の内側にびっしり塗られた漆喰が、湿度が多すぎれば吸収して、自然とコントロール(調湿)をしてくれるようです。そのため、夏もエアコンに頼らず快適な湿度を維持しています。

 

2016年9月には、外の湿度85%だった雨の日に、再び川越モデルハウスを訪れましたが、室内の湿度は床から天井まで、2日間に渡って70%を越えることはありませんでした。

 

 

9月22日に再び川越のモデルハウスを訪問。外の湿度は80%以上だが、室温は快適に保たれていた。

 

部屋の湿度は40%から70%程度がちょうど良い値とされています。それより低ければ乾燥してウイルスが繁殖しやすくなり、高いとカビが発生しやすくなります。カビが増えればダニも増えるので、アレルギーも起こりやすくなります。とはいえ、この範囲内で湿度をコントロールするのは、除湿機や加湿器を使ったとしてもなかなか難しいことです。それがこの住宅では実現していました。

 

ぼくはエネルギーを中心に家のことをお伝えしているので、どうしても省エネかどうかだけに注目してしまいがちですが、川越のモデルハウスや建築中の住宅などを何度か訪問する中で、もっと大事なことに気が付きました。このモデルハウスのような家で長い時間を過ごすのか、シックハウスのような所で長い時間を過ごすのかによって、健康状態はだいぶ違ってくるのではないか、ということです。

夏は外から強烈な日差しを取り込まない工夫も必須だ。ブラインドやすだれは、室内側ではなく、外側につけるのがポイント。写真は川越モデルハウスの外付けルーバー(ブラインド)。

 

もちろん、省エネと快適性を両立した住宅の方法論はひとつではありません。低燃費住宅のグループ以外にも、全国にはいろいろな方法で省エネで、快適な健康的な住宅を作っている方たちがいます。ぼくとしては、今後も従来の建物の常識を覆してくれる住宅やオフィスを紹介していきたいと考えています。

 

また新築の戸建の情報ばかり届けても、誰もが新築の住宅を買うわけではありません。そこで中古マンションをリフォームしている現場にも足を運んできました。近いうちにリポートしますので、そちらも楽しみにしていてください!それではまた!

 

◆関連リンク

低燃費住宅宿泊体験の冬編はコチラ

低燃費住宅のWEBサイトはコチラ。見学や宿泊体験も可能。  

低燃費住宅代表・早田宏徳さんインタビュー(前編)  

低燃費住宅代表・早田宏徳さんインタビュー(後編)

 

◆高橋真樹の新刊好評発売中!

『そこが知りたい電力自由化〜自然エネルギーを選べるの?』(大月書店)

 

 

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低燃費住宅の川越モデルハウスのリビング。木のぬくもりが暖かい。

 

もうすっかり冬ですね。特に朝晩の足元がスーッとする寒さはなんとかしたいものです。ぼくは普通の人より寒がりなので、毎年この時期になるとどうやって足元を温めようか必死に考えるのです。

 

我が家では、エアコンだと暖かい空気が足元まで来ないので、足元から温風が出るガスファンヒーターを使っています。また、部屋のじゅうたんを厚手のものに交換したり、暖かいスリッパに差し替えたり、デスクワークをするときは足元に湯たんぽを置くこともあります。ホットカーペットも使いますが、電気代が結構かかるので、1人しかいないともったいない気もします。そのため、冬場はどうしても電気代とガス代が高くなってしまいます。

 

ところが、こういったものが全部なくても、ずっと快適に過ごせる家があると聞いたらどうでしょうか? ぼくのような寒がりの人にとっては夢のような話ですが、「そんなうまい話はあるだろうか?」と疑う気持ちもわくはずです。これまでのリポートでも高気密高断熱の家や、窓の重要性について紹介してきたぼくも、取材には行っても実際に暮らしたことはありませんでした。

 

その快適さを実感できる方法はないかと探っていると、埼玉県川越市にある「低燃費住宅」のモデルハウスで宿泊体験ができることを知りました。「低燃費」というのは、ほとんど冷暖房などの光熱費がかからないのに、従来の家よりも快適に過ごすことのできる家という意味になります。そこで、極度な寒がりな自分でも暖かく過ごすことはできるのか?と、期待半分、疑い半分で泊まってみることにしました。

 

ということで、今回から2回にわたってリポートするのは、エネルギーをほとんど使わない「低燃費住宅」への宿泊体験の報告です。一回目の今回は、寒さ対策を中心にした冬編になります。

 

※筆者が実際に川越モデルハウスに宿泊体験したのは、2016年2月(真冬)と9月(湿度の高い日)の二度。また、埼玉県狭山市に建設中の住宅を8月(猛暑日)に訪れています。

 

◆今回のトピックス

・見えない所がスゴイ

・窓を開けずに空気を出し入れ

・真冬に足元20度。暖房ナシ!?

小江戸と呼ばれる川越の蔵造りの街並み。

◆見えない所がスゴイ

 

訪れたのは2016年2月、西武新宿線の本川越駅からバスで10分ほどのところにある低燃費住宅の川越モデルハウスです。低燃費住宅代表の早田宏徳さんらが、実際に泊まってもらうことで家の性能を体感して欲しいと考え、全国に複数のモデルハウスが建てられました。川越モデルハウスはそのひとつとして、2012年に完成したものです(※)。

 

川越モデルハウスの外見は、一見すると白い壁で四角い形をしたよくある2階建ての建売住宅のようで、驚くようなことはありません。室内に入って目立つのは、床や階段などふんだんに使われた地元の杉の無垢材でした。無垢材というのは、合板やベニヤなどではなく、伐った木材をそのまま製材したものです。部屋を歩くと、床から木の心地いい感触が伝わってきます。また、17.5畳の広めのリビングには2階に通じる大きな吹き抜けがあり、室内の空気がよく循環するようになっています。

シンプルな外観の川越モデルハウス。四角い箱型のデザインは、空気の循環を良くする。

 

省エネに大切なポイントのひとつとして、ドイツ仕様の分厚い窓があげられます。サッシはもちろん樹脂製で、ガラスはトリプルガラス(3枚)。これだけ窓が厚いと、雨戸も不要です。また、めんどうな結露が起こりにくくなり、結露に起因するカビの発生も抑えることができます。

 

 

樹脂製のサッシに3枚のガラスが入る分厚い窓。遮音性能も高い。

 

なぜ窓が断熱されていると結露しにくいのでしょうか?金属製のヤカンに冷たい氷水を入れたらヤカンの表面には大量の結露ができますが、魔法瓶に氷水を入れてもできません。それと同じことが窓でも起きているのです。 この窓の特徴は断熱性能だけではありません。

 

実はこのモデルハウスは国道沿いに位置し、常に大型トラックなどが走っているため、騒音が響いています。しかしこの分厚いサッシのおかげで、窓を閉めれば車の存在を忘れるほど静かになります。 リビングには大型の窓があるのですが、これも小さな窓と同じ厚さがあり、冷気や熱気をさえぎってくれます。

 

なお、目隠しや夏の西日対策として、窓の外にルーバーがついています。これは外にあるブラインドのようなものですが、窓の日よけは室内ではなく外でするのが基本です。これで熱を室内に入れないようになっています。

 

※川越に拠点を置く齋賀設計工務という工務店が施工。

 

サッシの断面。

 

◆窓を開けずに空気を出し入れ

 

川越モデルハウスは、交通量の多い国道沿いに位置していることで、騒音に加えて排気ガスも多めです。窓を開けて換気すると悪い空気を取り込んだりしないかと心配になります。ところが、この家は基本的には窓を開けなくても過ごせるシステムになっているのです。

窓の外の国道には常に車が走っているが、閉めていればまったく気にならない。

 

ぼくは最初にそう聞いたとき、「なんだそりゃ?」と思いました。でもこの家については、それが24時間快適さを維持するポイントになっていました。 家の4ヶ所には換気のための装置がついていて、24時間自動で空気の入れ替えをしてくれています(※)。一般的な換気扇は、ただ単に家の外と中の空気を入れ替えるので、外が寒いとその空気を取り込んでしまいます。ところがこの換気システムでは熱交換をしてくれるので、外の寒い空気がそのまま入ることはありません。

一見すると目立たない換気システム。

 

またフィルターがついているので、排気ガスなど空気の汚れは取り除いてくれています。そのため窓を閉めていても、まったく空気がよどむことはありません。むしろ適切な換気を自動的に行っているので、24時間常に新鮮な空気が家の中で循環していることになります。

 

このきれいな空気の循環は、子どもの頃からひどいアレルギー鼻炎をかかえているぼくにとっては、非常にありがたかったです。普段はよく鼻が詰まったりくしゃみをするのですが、宿泊体験した日はそれがほとんどなく、夜もグッスリ眠れ、朝すっきり起きることができました。空気感の良さをお伝えするのはなかなか難しいのですが、これもその一例ではないでしょうか。もちろん感じ方には個人差があることは付け加えておきます。

 

換気の方法や暮らしのスタイルにたった一つの正解はありませんが、日本の住まいについてのこれまでの常識をくつがえすこんな方法もあるのか、ということに驚きました。

換気システムの壁の中に入っている部分を見せるモデル。配管がいらないので交換も可能だ。

 

※川越の低燃費住宅で使われている熱交換換気システムは、第一種換気と呼ばれるタイプのもの。

 

 ◆真冬に足元20度。暖房ナシ!?

 

泊まって一番驚いたのは、やはり暖かさです。普段暮らしている家では冬の夜になると厚手の靴下をはき、その上からモコモコの足首まであるスリッパをはいて、さらにガスヒーターをつけていました。ところがこの日は、暖房を一切使っていないのに、裸足でスタスタ歩けました。

 

唯一残念だったのは、この日が家の性能を計るにはあいにくの暖かい日だったことです。2月にもかかわらず日中は20度近くまで温度が上がりました。それでも、日没後は外気温が7度前後に下がりました。ところが室内は昼間と変わらず20度を保っていました。特にスゴイと感じたのは、室温だけでなく、足元も20度だったということです。通常、暖房に頼っている部屋では、室温を20度に設定しても部屋の場所ごとに温度ムラが出て、足元がスースーして困るのですが、それがないというのは嬉しかったです。

壁の表面温度は20度。

 

床の温度もほぼ同じ20度代を保つ。

 

ちなみに、2015年〜2016年にかけてこのモデルハウスの周囲の外気温がもっとも低くなったのは1月20日で、マイナス5.6度まで下がりました。それでも 室内は17度程度を保っていたとのこと。それだけ温度を維持していたのは驚くばかりです。

最も気温が下がった2016年1月20日の外気温。朝晩はマイナスになった。

上記と同じ時間の室温。暖房器具は使用していないが、17度を下回ることはなかった。

 

暖房器具に頼らなくていい家は、他の部屋との温度差もありません。お風呂に入って脱衣所に出たときも、いつものヒヤっとする感じがまったくありません。これも人生で初めての体験でした。それまではこういう住宅の快適さについて話しでは聞いていたのですが、やはり体感して初めてわかることがたくさんあります。このような環境下では、温度差が大きいと起きやすくなるヒートショックなどもほとんど起こらないはずです。

 

ここで、ぼくの感想だけでなく、川越モデルハウスに冬に宿泊した他の方のコメントも紹介します。

 

「外はマイナス2度まで冷え込んでいますが、窓から冷気を感じることはありませんでした。冬の朝に布団かから出たくないということがなく、朝も快適に1日が始まりそうです」。(2015年12月)

 

「深夜に到着しましたが、エアコンをつけていないのに寒さを感じないことにまずビックリしました。自分は築30年の家に住んでいて、暑さ寒さ、湿気、騒音など生活の中でストレスを感じていることを、今回宿泊体験させていただいて気づかされました」。(2016年1月)

 

これらのコメントにあるように、朝が気持ちよく起きられるとか、寒さのストレスから解放される心地よさは、体験してみて始めてわかることでした。ぼくも含めて、日本に暮らすほとんどの人は「家なんてこんなもの」という固定観念を持っていると思いますが、低燃費住宅への宿泊を通じて、それがほとんど覆されたような気分になりました。

 

冬編のリポートはここまでにして、次回は夏の住宅訪問や湿気対策などについてお伝えしていきます。

齋賀設計工務の齋賀賢太郎さん。大きめの窓も断熱性能は極めて高い。

◆関連リンク

「低燃費住宅宿泊体験」の夏編はコチラ

低燃費住宅のWEBサイトはコチラ。見学や宿泊体験も可能。  

低燃費住宅代表・早田宏徳さんインタビュー(前編)  

低燃費住宅代表・早田宏徳さんインタビュー(後編)

 

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ちまたはハロウィンでにぎわってますね。最近はハロウィンが終われば街なかはすぐにクリスマスソングが響きますから、なんだかもう年の瀬みたいな気分です!さて、4月に始まった電力自由化から半年が過ぎました。その分析と評価については改めてお伝えしますが、今回は久々にオススメ新電力を紹介します。ご当地エネルギーリポートがオススメしたい自然エネルギーの普及を目指す新電力会社もだいぶ増えてきています(※)。

一般家庭が契約することができる注目の新電力紹介第4弾は、地域に根ざした活動を進める湘南電力です。神奈川県内を対象とした湘南電力の家庭向けプラン「湘南のでんき」は、この10月から供給を開始したばかり。地元サッカーチームと結びついた地域電力会社の取組は、さらに小田原周辺で地産地消をめざしたユニークな動きにも展開しています。

パワーシフトキャンペーンの「電力会社紹介」を参照。


左から2人目から、エナリス会長の村上憲郎さん、株式会社古川社長の古川剛士さん、ほうとくエネルギー社長の蓑宮武夫さん、小田原ガス社長の原正樹さん(2016年8月、小田原エネルギーコンソーシアムの記者発表にて)

◆今回のトピックス
・地産地消と地域貢献
・自然エネルギーの割合と家庭向けの小売について
・「小田原箱根地域エネルギーコンソーシアム」で電力の地産地消へ!

◆特徴は地産地消と地域貢献

湘南電力は、エネルギー事業を手がけるエナリスと、サッカーJリーグの湘南ベルマーレが協力して設立した新電力会社です。出資比率はエナリスが99%、湘南ベルマーレが1%です。湘南電力は、神奈川県内で発電した電力を県民に届ける電力の地産地消をめざして活動しています。

湘南ベルマーレは、大企業をスポンサーに持たずに地元の企業とともに歩んできたチームです。これまでも設立したNPO法人を通して、スポーツスクールやお年寄り向けのヘルスケア、海岸をきれいにする活動などを手がけてきました。エナリスは、単に電気を販売するということよりも、その地域に根ざした湘南ベルマーレと組むことで地域に密着した活動を広げていこうと考えました。湘南電力が小売事業で得た収益の一部は、このNPOを通じて地域に還元されています。


湘南電力の収益の一部で開催された親子サッカー教室(2016年7月)

2015年は、湘南ベルマーレが主宰する中高年向けの健康教室に 寄付されています。この地域還元の費用は、低圧分野に先駆けて始めた高圧分野の収益の一部です。低圧電気の販売が始まったこれからも、収益の1%をこのような形で地域事業に還元する予定です。

湘南電力の白土さんは、「まだ事業が始まったばかりなので、現状の金額はあまり多くはありませんが、今後はスポーツに限らず地域貢献の場を広げていきたいと思います。湘南電力と契約している企業の多くも、何かしら地域に貢献したいという思いで関わっているという方が多くいらっしゃいます」と語ります。

これからは、湘南電力と契約した家庭は、防災活動や地域活性化など幅広い分野から支援先を選べるようになるとのことです。どこで買っても同じと思われがちな電気を、こうして地域貢献につなげることで、新たな価値が生まれてくるのではないでしょうか。 


湘南ベルマーレのNPOが主催した健康教室。湘南電力の収益の一部が使われている。

◆自然エネルギーの割合と家庭向けの小売について?

湘南電力が調達している電気のおよそ半分は、神奈川県内の 発電所から届いています(2016年度で約49%予定)。内訳は、県内企業からの買取に加えて、自社で高校や企業の屋根に設置した太陽光の電力を活用しています。自然エネルギー(FIT)の割合は2016年度には50%まで高める予定にしています。電力の需給調整は、親会社のエナリスが行っています。

湘南電力が供給する電力は高圧(大口)については湘南ベルマーレのサポーター企業を中心に、神奈川県内の30ほどの企業と契約をしています。その中には、エネ経会議でもおなじみの小田原の鈴廣かまぼこの名前もあります。

家庭向けなどの低圧の小売については、「湘南のでんき」として10月1日から開始したばかりです。価格は東京電力の「従量電灯B」という最も一般的な家庭が契約しているプランとほぼ同じで、ほとんどのケースで従来よりも1%〜5%程度割安になります。

今後の課題について、白土さんはこう言います。「湘南ベルマーレのサポーターにはだいぶ認知度が高まってきましたが、それ以外の県民にはまだあまり知られていないので、情報発信を増やしていく予定です。また他の商品と違って、電力を購入するというだけでは差を実感できないものなので、契約した方の満足度を高めていくようなサービスを考えていくつもりです」。


湘南電力の渡部健社長

◆「小田原箱根地域エネルギーコンソーシアム」で電力の地産地消へ!

湘南電力が関係する重要な動きとして、8月には、湘南電力を含めて、神奈川県の小田原・箱根エリアでより地域密着のエネルギーの取り組みをすすめる「小田原箱根地域エネルギーコンソーシアム(略称ECHO)」が発足しています。ECHOは、小田原のご当地電力である「ほうとくエネルギー」、同地域でガス事業を手がける「古川」と「小田原ガス」という2つのガス会社、そして湘南電力という4社で設立しました。

ほうとくエネルギーは、東日本大震災を受けて小田原地域の38社が設立した株式会社で、ご当地エネルギーリポートでも何度も紹介してきました。今回のECHOでは、このほうとくエネルギーの太陽光発電所による地域の電気を、湘南電力が買い取り、小田原・箱根地域の人たちに供給するという仕組みをつくっています。電力を地域でつくるというコンセプトから、さらに地産地消へと一歩踏み込んだ形になってきたというわけです。


小水力発電所の跡地を整備するほうとくエネルギーのメンバーら、小田原の人々

ただ、湘南電力は新しくできた会社なので小田原箱根地域の人たちが親しんでいるわけではありません。そこで、地域に根ざして事業をすすめてきた2つの地元ガス会社と代理契約を結んで、この地域では2社が「湘南のでんき」を販売することになりました。「古川」と「小田原ガス」は歴史的に地元でガスの販売を競ってきたいわば「ライバル企業」ですが、今回は電力自由化を機に、協力して地域を盛り上げていこうという動きが実現しました。

湘南電力には、神奈川県というエリアを絞っての活動だからこそできるユニークな取り組みとして、これからも期待したいところですね。


整備された後の小水力発電所跡地の水路

◆関連リンク
湘南電力のWEBサイトはコチラ
小田原箱根エネルギーコンソーシアムについてはコチラ

・新電力紹介①(みんな電力、生活クラブエナジー、中之条電力)
・新電力紹介②(Loop、みやまスマートエネルギー)
・新電力紹介③(パルシステム電力)

◆好評発売中!

『そこが知りたい電力自由化–自然エネルギーは選べるの?』
(著:高橋真樹/大月書店)




 電力自由化ははじまったけれど・・・。
 私たちの暮らしはどう変わるのか?
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