全国ご当地エネルギーリポート!

-エネ経会議・特派員:ノンフィクションライター高橋真樹が行くー

当サイト「全国ご当地エネルギーリポート!」は、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議(エネ経会議)が主催するものです。著書『ご当地電力はじめました!』『自然エネルギー革命をはじめよう』で、全国で動きはじめた再生可能エネルギー(自然エネルギー)をめぐる面白い取り組みを伝えた、ノンフィクションライターの高橋真樹さんを特派員として派遣。各地でリアルタイムに起きているワクワクするような活動をつぎつぎと紹介していきます!エネ経会議についてはコチラ! 

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テーマ:
電力自由化の専門家、高橋洋さんへのインタビュー3回目は、再エネの変動に対する誤解や、「電力システム改革」のカギを握る送電システムについて伺いました。

※聞き手も高橋でややこしいため、私は下の名前(真樹)だけを使用しています。

◆今回のトピックス
・「再エネは変動するからやっかい」というのは間違い
・送電網は空港のように開放されるべき
・不十分だが、何も変わらないわけではない

◆「再エネは変動するから扱いづらい」というのは間違い

真樹:今回のテーマは発送電分離です。まずは再エネとの関連ですが、発送電分離がきちんと行われることによって、現状より増やすことができるとされています。ところが経産省は、再エネは変動が大きくて制御しにくい「やっかいな電源」だと位置づけているようです。以下の図にある再エネの変動イメージなどもその例ですね。その辺り、どのように考えればよいでしょうか?

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太陽光と風力は不安定で、火力発電の消費量は減らせるが、原発の代替にはならないということを示す経済産業省製作のイラスト(平成27年経済産業省「長期エネルギー需給見通し」より)

高橋洋:このイラストのようなことを言っている例は、世界中で日本以外では聞いたことがありません。欧州の実例では、再エネが増えてもこのようにギザギザにはなりません。1本の風車の出力だけをデータにすればこのようになりますが、実際には多数が重なるので、たいていその変化はなだらかになるものです(平滑化効果)。また、予測技術も年々進化しているので出力予測は十分に可能です。欧州の事例から言えば変動することが克服できない問題とは言えなくなってきています。変動に対応する技術を整備すれば再エネを活かすことはそれほど難しくありません。

経産省は、再エネは原子力の代わりにはならないし、再エネが代替するとしたら火力の電力でしかないと言っています。変動する再エネを動かすときに、火力発電の出力調整が不可欠になる。すると、再エネが増えることで火力発電の設備利用率が下がり、維持などで採算性が落ちるという判断をします。従って、日本全体の電源構成を考えると、再エネが増えても安定供給やコストに大きくは貢献しないという立場を取っているのです。

そのような考え方は、国際的には時代遅れです。一定の発電をし続ける「ベースロード電源」が一定割合必要というのは、すでに古い考え方になっています。欧州では、燃料費がゼロの変動型再エネが増えてきた結果、火力発電の出力調整だけでなく広域運用や電力貯蔵、需要側の調整を含めて、総合的にバランスを取る方法が一般的になっています。特にドイツやスペインでは20%や30%の変動電源が入って、そちらを優先的に動かすのが当たり前になっています。あえて言えば、再エネがベースロードになっているのです。

原子力のような昔ながらのベースロード電源が今後も必要で、日本では60%くらいないといけないとか、2030年までその状況が続くかのような話を前提に政策を決めていくのはおかしなことです。

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実際の自然エネルギーの変動量。複数の設備を集めれば変動はなだらかになる

◆ 送電網は空港のように開放されるべき

真樹:やり方を工夫すれば変動しても十分入れられるわけですね。ここは世界の常識になりつつありますが、日本社会では大きく誤解されている点なので重要です。さて、発送電分離の行方についてお聞きします。

2016年の小売自由化以上に私たちと電力の関わりを変える可能性があるのは、2020年に予定されている発送電分離です。一連の電力システム改革を考える上では、小売の方ばかりではなくこちらにも注目したいところですね。

高橋洋:確かに、電力システム改革がうまくいくかどうかは、独占されていた送電網をどれだけ中立で公平なものにできるかということにかかってきます。日本中に張り巡らされた送電網というネットワークインフラを、電力市場に参入したすべてのプレーヤーが同じ条件で使えるように開放するべきです。

私がよく使う喩えは、同じ公益事業である航空システムです。いま、日本航空が全国の空港を所有し、航空管制も行っているとしたらどうでしょうか?そこを使用するのが日本航空の飛行機だけであれば、独占であることでサービスの質や航空運賃の問題は出てきますが、運用上のトラブルは起こりにくくなります。

しかし独占ではなく、国内外の航空会社が多数参入してくるとどうなるでしょうか。日本航空は自らが運用する航空ネットワークインフラを競合他社に自由に使わせないようにしたり、自社便のみを優先的に離発着させたりということをするかもしれません。それではいくら日本航空以外の航空会社が参入したとしても、まったく公平な競争にはなりません。

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実際に航空管制でこのようなことが起こらない理由は、ネットワークインフラを日本航空が独占していないからです。航空事業者から切り離され、中立的な主体によって運営されています。

欧州の電力システムは、いまの航空管制の話と同じように発電や小売りから独立した送電会社が送電網を運用することで、公平性を確保しています。日本でもそうするべきですが、残念ながら今のところはそういう話になっていません。

◆不十分だが、何も変わらないわけではない

真樹:いまの航空管制のたとえ話は、送電網の中立性の大切さについて非常にわかりやすく実感できると思います。日本では東京電力管内だけは、2016年4月の電力小売り自由化と同時に発送電分離を行いますが、全国的には4年後の2020年ということになっています。しかも欧州のような完全に中立な機関が送電網を握るわけではないという状況です。そのあたりについて高橋さんはどうお考えでしょうか?

高橋洋:欧州の発送電分離の主流は、完全に大手電力会社と切り離すスタイル(所有権分離)ですが、日本で4年後に予定されている発送電分離は、持ち株会社制のスタイル(法的分離)です。

つまり一応別会社にはするけれども、関西電力管内は関西電力グループが送電網を握るということになります。東京電力だけは例外的に2016年4月からその法的分離を行ったのですが、私としては東京電力だけでなく全国的に今年からできるのではないかと発言してきました。しかし電力会社には「とんでもない、十分な準備期間が必要だ」と言われ、実際そのように進んでいます。

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都留文科大学教授の高橋洋さん

とはいえ、今後の4年間は何もしなくていいとか、法的分離では何も変わらないのかといえば、そうことではありません。電力システム改革の方向性は、「今までより透明性や公平性をしっかり担保していこう」ということではっきりしています。

例えば送電子会社が自分のグループ企業(既存の大手電力会社)に有利な運用をしていたり、公平性が疑われたりするようなことがあれば、電力取引監視等委員会が注意することはできるようになる。

所有権分離をしていないから、既存の電力会社が好き勝手にやっていいということではないんです。現在の発送電分離の段階は「会計分離」といって、送配電部門については会計を分けましょうという段階ですが、本来は会計分離の段階であっても「送電網を開放すること」が義務づけられています。

でも、それでは不十分だから法的分離をしましょうという流れになりました。だから法的分離が始まる前でも、電力取引監視等委員会が果たす役割はあるし、そこに期待したいと思っています。

では2020年以降の先はずっと法的分離で行くのかと言うと、必ずしもそうとは言い切れません。例えばいつまでたっても送電網が開放されなければ、強制的措置として欧州のように所有権分離に変更するということもあり得るでしょう。まだ運用が始まってみないとわからない点もあるので、あらゆる可能性はあると思います。

だから一般の方も4月から始まって競争が生じないから「やっぱりダメだ」と考えるのではなくて、長い目で関心を持ち続ける事が大事になってくると思います。

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自然エネルギー財団のイベントRevision2016にて、コーディネータを務める高橋洋さん(左、2016年3月9日東京にて)

先ほど言ったように、私は2013年の審議会の時から2016年にはすべての電力会社が法的分離をできるはずだと言ってきました。そして偶然にも東電だけ2016年から始めることになった。

だったら他の電力会社もどうして同じことができないのかという話になる。私としては今からでもいいから、他の電力会社も前倒しで発送電分離を行うよう政府が指導する、といったことがあっても良いと思っています。

※電力取引監視等委員会
経済産業省が設立した中立機関で、電力市場が公正なものになるよう監視すると共に、送電事業を監督する組織。


※次回(最終回)は、送電網を中立化するために電力会社から買い戻すという行動に出たドイツ・ハンブルクの市民の例から、電力事業のあり方を考えます。

◆関連リンク
高橋洋さんが特任研究員を務める自然エネルギー財団のサイト




電力自由化は地域から始まる

高橋真樹著『ご当地電力はじめました!』
(岩波ジュニア新書)

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電力自由化の専門家、高橋洋さんへのインタビュー2回目は、日本政府の再エネ比率や自然エネルギーを活かした小売会社が生き残る方法についてお聞きしています。

※聞き手も高橋でややこしいため、私の方は下の名前(真樹)だけを使用しています。

◆今回のトピックス
・政府の目標値は低すぎる
・応援してもらうブランドづくり

◆政府の再エネ目標値は低すぎる

真樹:一般の人が気にしているのは、再エネで作った電気を買えるかということです。ドイツでは、「再エネ何%の電気です」といった電源表示が義務づけられ、消費者が選べるようになっています。日本では電源表示は「努力目標」とされたため、消費者にとってはわかりにくい制度になっています。このような現状からすると、再エネ事業が広がっていくのか心配です。

高橋洋:価格とは違う価値として、地域主体や再エネといった価値を重視して購入したいというニーズは確実にあります。しかし全体的に見ると、小売りだけでなく発電も含めて、再エネ事業をめぐる環境は厳しいと言わなければなりません。

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日本政府が掲げる2030年の電源構成(平成27年経済産業省「長期エネルギー需給見通し」より)

政府は2030年の電源構成の導入目標を掲げていますが、その中で再エネは2030年に22%から24%程度と設定されました。24%なら多いと思われる方もいるかもしれませんが、実はそのうち既存の大規模水力発電を9%含んでいます。

だから狭い意味での水力を含まない再エネ電源は、実質13%~15%しかないということになる。現状ですでに約3.5%ありますから、この目標値は結局「15年後までに10%程度なら増やしていいよ」というレベルの話だということになります。

再エネの内訳では、2030年に太陽光が7%、風力は1.7%などとなっています。太陽光も多くはありませんが、風力が1.7%という数字はあまりに低すぎる。「いったいどこの国の、いつの時代の目標なんだ」と言いたくなるくらい低く設定されています。

ダム式の水力を含めた再エネ全体の数字(22%から24%)で考えても、ドイツやデンマーク、スペインなどでは現在すでにその数字を上回っています。

ドイツは2014年時点で、水力4%を含む再エネで発電電力量の28%をまかなっています。そして2030年には、50%を目標に掲げている。それに比べて日本の目標値は、驚くべき低さと言わなければなりません。

その低い目標値に合わせて、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)のルールを見直していきましょう、という話になっています。2015年1月には、すでに電力会社が出力抑制(※)を無補償・無制限でできるようになりました。再エネの発電事業者からすれば、経営が見通せなくなったことで参入しにくくなっています。

真樹:新しい再エネの発電所作りが伸びなければ、小売会社が再エネ電力を調達するとこも難しくなり、一般の消費者が選べなくなるというスパイラルになってしまうのですね。


都留文科大学教授の高橋洋さん

※出力抑制
再エネによる電力が送電網(電力系統)に入る容量(原子力や水力を除いた空容量)を越えてしまうおそれがあるときに、電力会社が買い取りを中断すること。

2014年までは基本的には電力会社側に買い取り義務があり、どうしても必要な場合でも年間30日以上抑制する場合には補償が義務付けられていたが、それが無補償でできるようになったことで、再エネ発電所を設置するリスクが高まったとされている。


◆応援してもらうブランド作り

真樹:前回は地域をベースにした小売事業者が生き残る方法のヒントについてお聞きしましたが、同様に再エネにこだわる事業者にとっては、厳しい状況の中でどのような対策があるのでしょうか?

高橋洋:現状は厳しいとは言っても、短期間で全てが決まるわけではありません。長期的な視野に立ち、知恵を絞って対応していくことで活路が開けるでしょう。価格や電源表示だけでなく、電力小売り会社の価値として「その事業者なら信用できる」ということも選ぶ理由になります。

真樹:地域の電力会社を支持してもらうためにはファンをつくることと言われましたが、それと同じことですね。

高橋洋:そうです。自分の住んでいる自治体が電力小売をするから応援したいとか、生協の組合員だから生協から買うとかいうのも信用ですよね?始めは再エネ100%でなくとも、その事業者を応援して、いずれは再エネの比率を高めるようにとの意味を込めて選んでもらえるようになれば良いのではないでしょうか。

忘れてはならないのは、電力自由化は自由競争をもたらすということです。単に「良いことをしているのだから、誰か助けてください」というような姿勢では生き残ることはできません。

欧州の電力小売り会社はどこも、ブランドイメージを創ることにすごく気を使っています。ドイツの再エネ小売りの草分けであるグリーンピースエナジーもそうです。「我が社はすごくエコな会社です」というアピールをかなりやっている。

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各国の電力システム改革の状況。現状では、日本は先進国の中で最も遅れていると言える(製作、提供:高橋洋さん)

グリーンピースエナジーの電力は、平均的な電力料金よりも1割程度高いのですが、どこの発電所で作った再エネ電力を仕入れ、CO2をどれだけ減らし、放射性廃棄物も出していないといった情報を細かく出して、企業イメージを創ってきました。それが信用されているので、多少高くてもそこで買いたいという固定ファンができている。

もちろん電源表示を義務化することや再エネ何%をめざすというのは大事なことですが、人々が選ぶ価値というのはそれだけではありません。

再エネの電源がそもそも少なく、電源表示も義務化されていないという今の日本の状況を考えると、あまり再エネ100%の小売りにこだわるよりも、どうやったら地域や再エネに関心のある消費者から支持を得られるのか、という方法を考える方が近道なのではないでしょうか?

実際に、アメリカのテキサス州では契約した消費者の電力料金から一定割合の金額を積み立てて地域に投資している小売会社もあります。消費者にとってわかりやすい仕組みをつくって、電気料金だけではなくその会社自体を支持してもらうことが大事だと思っています。

※次回は、電力自由化を含む「電力システム改革」のカギを握る、「発送電分離」についてお聞きしています。

◆関連リンク
高橋洋さんが特任研究員を務める自然エネルギー財団のサイト




電力自由化は地域から始まる

高橋真樹著『ご当地電力はじめました!』
(岩波ジュニア新書)
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いよいよ電力小売自由化が始まりましたね。でも「電力会社を選べる」と言ったって「値段以外の比較対象がない」「結局どうしたらいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか?

そこで今回は参考のため、ぼくが取材した新電力会社の取り組みを3つほど紹介します。2016年3月半ばの現時点で、その会社の特徴、家庭向けの小売をいつから始めるのか、自然エネルギー電源の割合や調達先、といった概要をまとめました。いずれにしても、3社とも様々な課題がある中で前向きに社会を変えるための仕組みにチャレンジしているのが印象的です。自然エネルギーの電源が限られているため、まずは小規模な募集から始める予定になっています。

今回は概要のみということになりますが、詳しい話は今後のリポートでも伝えていきます。

生活クラブが秋田県にかほ市に風車を設置。建設1周年記念で地元の人々と生協組合員とが交流会を実施した様子(©生活クラブ生協)

◆「顔の見える発電所」を応援する:みんな電力(東京都世田谷区)
 コメント・大石英司社長

◇「みんな電力」の特徴とは?

電気を人々の身近な存在にしていこうというコンセプトで、小さな発電グッズの開発から、発電所の運営などをやってきました。その延長線上で、小売事業にも参加しています。特徴としては、「顔の見える発電所」として、みんな電力が電力を買い取る発電所の情報を公開し、需要家が応援したい発電所を選べるようになっています。そして選んだ所には、電気代の一部が還元される仕組みです。このように、電気を通じて人と人とをつなぐ役割をしていきたいと思っています。


みんな電力のオフィスがある「世田谷ものづくり学校」には、電力供給も行っている。みんな電力の大石英司社長

◇家庭向けの小売について

受付は2月末から開始しました。4月から30世帯を対象に実験的に小売を開始しています。その状況を受けて、6月以降に段階的に枠を拡大していく予定です。ご興味のある方は、サイトから申し込みができるようになっていますが先着順で、希望者が多いため、契約開始まで時間がかかる可能性があります。

◇自然エネルギー電源について

関東の市民発電所33ヶ所と契約し、また三重県にあるバイオマス発電所からも調達予定です。自社の電源開発事業で手がけた発電所(太陽光やバイオマスなど)からの買取も計画していて、合わせて3万世帯程度の電源供給ができればと考えています。電源構成は3月中には開示する予定で、当初は自然エネルギー70%から始めます。その割合は、各発電所の発電状況やどれくらいの家庭が契約するかということで変動します。

※みんな電力のサイトはこちら

◆エネルギーの共同購入を/生活クラブエナジー(東京都新宿区)
 コメント・半澤彰浩社長

◇生活クラブエナジーの特徴は?

生活クラブ生協が母体となって「生活クラブエナジー」という新電力を立ち上げました。よく「食べ物をあつかっている生協がなぜエネルギーをやるんですか?」と質問されるのですが、エネルギーは、食と同様に生きるのに欠かせないものです。食の共同購入と同じように、エネルギーも自分たちで選んで共同購入できないか、という思いは長い間、私たちの間で議論されてきました。

私たちは電力自由化が見えてきたことで、唐突にエネルギー事業を始めたわけではないのです。風車の建設などを含めて長年、組合員の中で議論をしてきた積み重ねがある。そこで培ってきた実績や信頼関係を元に、取り組みを進めていきたいと思っています。


生活クラブエナジーの半澤彰浩社長。生活クラブ風車を建設した秋田県にかほ市の人々と共同開発した日本酒について語る


◇家庭向けの小売について

生活クラブの組合員向けに、6月から供給を始め、段階的に広げていきます。6月から開始する分は首都圏の4つの生協(東京、神奈川、埼玉、千葉)が対象で、1500世帯の枠で募集したところ、東京だけで約1500世帯の応募があるなど大きな反響があり、3月現在ですでにいっぱいになっています。まずは抽選ということになりますが、その後10月からは全国の生活クラブの組合員を対象に、枠を1万3千世帯まで広げます。3年後には4万世帯に供給できる体制になることを目指して動いています。すでにクリーンな電力を購入するために生活クラブの会員になるという人も出てきています。

価格は、東京電力の従来のシステムと同じで、生活クラブを選んでも高くならないようにしています(※ただしオール電化住宅については高くなります)。小売業としては採算的にかなり厳しい面もあるのですが、自前の発電所を増やすことでトータルに回していけるように工夫をしていきたいと考えています。また、新電力の出しているプランの多くには省エネしている家庭にメリットがない、という問題が指摘されていますが、それについても今後検討していきたいと思っています。

◇自然エネルギー電源について

今のところは幅があるのですが、自然エネルギーの割合は30%から60%ということにしています。今、自社で持っていたり契約している発電所が限られているということで、首都圏だけが対象なら60%くらいになるのですが、全国に広げた時に他からも調達しなければ足りなくなるのです。もちろん、このような情報はきっちりと公開して、発電所の数も増やしていく予定です。

◆日本初の「自治体新電力」:中之条電力(群馬県中之条町)  
 コメント・山本政雄代表理事

◇中之条電力の特徴は?

中之条町が、電力の地産地消を通じて地域活性化に寄与することを目的として、民間事業者と共同して出資し、新電力会社「一般財団法人中之条電力」を設立しました(2013年)。自治体としては全国で初めての新電力事業者となります。設立のきっかけとしては、東日本大震災と原発事故をきっかけに、前町長がエネルギーの地産地消をめざしたことにあります。将来的には、中之条町の世帯を中心に、発電から小売までを担い、災害にも強い街づくりを目指していきたいと考えています。

※中之条電力は、電力自由化を見据えて2015年11月に「株式会社中之条パワー」を設立。同年12月に電力小売事業を引き継ぎました。

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建設中の小水力発電の導水管と、中之条電力の山本政雄代表理事

◇家庭向けの小売について

高圧の小売事業はすでに2014年から始めていて、中之条町の公共施設に電力を供給しています。これによって町の予算が年間でおよそ1000万円削減されたという効果も出ています。家庭向け(低圧)の小売は、2016年7月からまず中之条町内の家庭、約1000軒を対象に実施する予定です。

すでに町民の方から「第一号はうちにして欲しい」という問い合わせもいただいています。料金も現在の東京電力の価格より高くならないように設定する予定です。

◇自然エネルギー電源について

中之条町には、町所有のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が2機あり、合わせて約4000キロワットの出力があります。ただ、太陽光発電は朝と昼しか発電しません。家庭では電気を夜間に使うことが多く、その分を電力市場から調達しなければならなくなります。中之条電力にとっては割高になってしまうので、事業としては課題が残っています。そこで、小水力発電所の建設を進めるなど自社の太陽光以外の電源開発も進め、多様化を図っているところです。

中之条電力のサイトはこちら




電力自由化は自然エネルギーで!

高橋真樹著『ご当地電力はじめました!』
(岩波ジュニア新書)


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