Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

3歳から18歳までピアノを習うも大学以降はクラシックとはほとんど接点なし。というより全く興味なし。
2013年にあるきっかけから突然クラシックにはまるようになりました。
時々行くクラシックコンサートやクラシックに関する話題が中心になりますが、誰かに見てほしいというよりも、単純に自分への備忘録の目的なので長たらしい自己満文章をお許しください。。。ペコリ

2024. 9. 20(金)  19 : 00 ~  福岡シンフォニーホールにて

 

<第424回 定期演奏会>

 

ベートヴェン:「コリオラン」序曲 ハ短調 Op.62

 

      :劇音楽「エグモント」Op.84より 序曲

 

      :「レオノーレ」序曲 第3番 Op.72b

 

      :交響曲 第7番 イ長調 Op.72

 

 

指揮:ユベール・スダーン

九州交響楽団

(コンサートマスター:西本幸弘)

 

   

 

スダーンさん、昨年2月に続いて早くも再登場ビックリマークビックリマーククラッカークラッカークラッカー

めちゃめちゃうれしいビックリマークゲラゲラゲラゲラ

 

前回のスダーンさん&九響の演奏下差しが本当に素晴らしくって、私は昨年12月のスダーンさんの東響公演のチケットを買ったくらい(仕事が入って実現しなかったが)。

 

 

 

今回はオール・ベートーヴェンで演目もポピュラーなものばかりで定期演奏会というより名曲・午後のプログラムみたいなんですよねにやり スダーンさんならもっと別のものを聴きたい気もしたが・・・

 

ただ今回聴いて、やっぱりスダーンさんはすごい!やっぱりスダーンさん、大好きだぁ~!!

となりましたゲラゲラ

 

前半は序曲集。コリオラン、エグモント、レオノーレ序曲の第3番。

 

これらの曲はどれも”キャッチー”な旋律がちりばめられていて私も大好き。

この日のプログラムで思い出したのが、2013年4月13日にサントリーホールで聴いた、ロリン・マゼール&ミュンヘン・フィルの公演。下差し 当時マゼールさん、御年83歳。

 

 

この公演の演目がコリオラン序曲、交響曲第4番、第7番、アンコールにエグモント序曲だった(当時はまだブログをやっていなかったので記事はないのでコチラの方の感想を)。

この公演、私がクラシックを聴き始めて初めて生で聴いたフルオケ、初めて生で観た”指揮者”さんだったのです指差し 

なのでとても印象に残っている。とても感動して、マゼールさんいいな、また聴きたい!と思っていたら、翌年7月に急逝されてしまった。 ソロ・カーテンコールに首を横に振りながら出てこられたときのマゼールさんのお顔がいまだに忘れられない。

 

 

スダーンさんのこの日の序曲集もめちゃめちゃよかったビックリマークビックリマークゲラゲラゲラゲラ

特に私が感動したのがコリオラン序曲とレオノーレ序曲第3番。

 

コリオランの冒頭の第一音から身震いした。な、なんか今日九響の弦、違うビックリマークはてなマーク

(ちょうど2週間前に九響の「名曲・午後」も聴いたオットによると、オケの音が全く違って聴こえた、と言っていた) そしてふーっDASH! ふーっDASH! というマエストロの息遣い。私の3階席まで聞こえてきた。

弦はいつもと同じ14型だったと思うが、まるで大編成のような迫力だった。ドイツのオケのような分厚い骨太の木調のような音色。そして特に低弦、チェロやコントラバスがとても素晴らしかった。低弦はこの日最初から最後までヒジョーに素晴らしかった。

コリオランはテンポは結構速めだったが、ガシガシと弾きまくるときだけでなく、弱音がこれまたよくって・・笑い泣き 最後のビン、ビンっ と弦をはじいて消えるように終わってしばらくの静寂、マエストロが肩の力を抜いてからの拍手・・・感動した。 まさかコリオラン聴いて泣くとは思ってなかったな~w 途中から涙が止まらなかったw

 

レオノーレ序曲第3番も同じくめちゃめちゃよかった! 

千葉フィルの金子健志氏の詳しい解説はコチラ下差し

 

 

マエストロのこうやるんだ!というような確固たる信念 (?)のもと、独特の”ため”、間合いの取り方、流れるようなテンポの揺らし、などなどとても新鮮。途中のバンダのトランペットのファンファーレ、大村さんのフルートの難しいソロなどもとてもよかった。最後のコーダでホルンの4人がベルアップしてましたがこれはスダーンさんの指示なのかな?

 

2曲目のエグモント序曲。これを聴くと2020年7月に聴いた九響の定演下差しをどうしても思い出してしまう。コロナのため5か月ぶりに開催された九響の公演だったが、しょっぱなの曲がこのエグモント序曲だった。色んな想いがつまったエグモントだったよなぁえーん

 

 

この日のエグモントもとてもよかったんだが、あえて言わせていただくと最後のフィナーレのところ、タッタカタタタ~♬というあたりから最後までの金管、結構何度か音をはずしていた。

あれはトランペット?それともホルン?それとも両方? 素人の私にはわからないけどあそこは技術的にも難しいのでしょうか・・・ 私的にはそれが残念で結局最後が締まらなかった。 これを言っても仕方ないがTpの松居首席のあのつきぬけるような爽快な音が偲ばれてならなかった。

 

ただ前半の序曲いずれも短いのにそれぞれの作品の中にストーリー性を感じてワクワクした。

ただの前座的な立ち位置ではない、指揮者もオケも一体となって”一球入魂”的な気概がほとばしっていた。そういえば、昔バッティ&九響で序曲3連発のあと「カヴァレリア・ルスティカーナ」(演奏会形式)があったが、あのときの序曲集を聴いたときもおんなじように感じたな。

バッティとスダーンさんはまったくタイプは違えども、作品への対峙の姿勢はまったく一緒だと思う。

 

 

後半は交響曲第7番。俗にいう”ベト7”。

今までももう何度も聴いてきた。個人的には正直言ってあんまり好みではないんですが、聴くとやっぱりワクワクする。ベートーヴェンってほんとすごいんですよね~にやり

個人的なベト7のベスト1は、2016年5月にサントリーホールで聴いたラトル&BPOの公演(ベートーヴェン・チクルスの1公演)

 

 
このときの4番、7番は作品と筋肉質のBPOとがガチッとがっぷりよつに組み合ってそりゃあすごかった。8年経ったいまでも強い印象が残っている。
 
この日のスダーン&九響の7番もそれにひけをとらない素晴らしい熱演だった。
全リピートあり。注目していた第2楽章はさほど重くなかった。
ヴィオラ、チェロ、コントラバスの低弦は相変わらずのどっしりした響きで高揚したし、フルートやオーボエソロも非常に美しくてウルウルした。
ただ全体のバランスでいえば、弦が強奏しているときはやや管がかき消され気味に聴こえたし(席の関係も大きいかと思う)、この作品で私が最も萌えるのは、最終楽章のコーダに入る前くらいからのチェロのギーコ、ギーコといううねり始めるところ。チェロはしばらくこれを延々をやってるのだが、ここが最高に萌え~~となるw 最高に"ROCK!”ですよね~にやり BPOでは対向配置でチェロが真正面にいたせいか、ここのうねりがすごかった。 九響でもここに注目していたのだけどチェロのうねうねは思ったよりは響いてこなくて他の音にかき消され気味だった(要するに内声部の聴こえがいまひとつだった)。
 
そして・・またあえて書きますが、やっぱりホルンとトランペットがいまひとつ心もとない。
特に最終楽章の最後のコーダあたりの金管のこのふたつ、どっちがどうなのかわかんないけどとにかく音が何度もはずれまくっていたような。しつっこいけど松居さん(Tp)が吹いてたらどんなにか違っただろうな~と思わずにはいられなかった。
 
私もちょっとした吹き損じをいちいち目くじらたてて口うるさく言う気はありません。全体の音楽の流れを俯瞰した場合、たいしたことではないならことさら気にならないです。 ただですね、この日のこの二つの金管は全体の勢いある流れを損ないかねないものだったかなと個人的には思いました。
ひとつもミスするなとまではまったく思わないけど、あそこは大事な箇所だと思うので、もう少しどうにかならんかったのかなと思いました(あくまで個人的感想です。色んな意見はあるでしょう)。そういう意味ではスダーンさんの目指した要求には応えきれてなかったかも(もちろんこれだけが、という意味ではないです)。厳しいことを言うようだけど九響内でどうにかできないなら客演を呼んでいただきたいです。
 
 
終演後は前回と同じように、各奏者の方々の近くまでいって讃えるスダーンさん。
真っ先に立たせたのがフルートの大村さんだった。 スダーンさんのこういうお姿を拝見するだけでもマエストロの人間性が垣間見える。カーテンコールで毎回腕時計を見る仕草をする方たちとは大違いやと思うわ~にやり
スダーンさん、今後も年一くらいで振りにきてくださればいいのにな。こういう方が定期的に振ることで九響もきっとさらに進化するだろうに。
 
この日はマエストロは自ら書き込んだ楽譜を持参されていたそうだ。
一番最後には拍手に応えながら指揮台の楽譜を持ち上げて指さして、ベートーヴェン先生を讃えておられた。
あぁ~、スダーンさんの早い再登場を心から願っていますビックリマークビックリマーク
 
終演後舞台袖にもどるスダーンさん
(画像は九響の公式ツイッターよりお借りしました)
 

 

 

この太一さんのツイート内にもあるように、マエストロはこのブログラムなのでプレトークは勘弁して~と仰ったそう。

個人的にはプレトークって必ずしも必要ないと思う。 ダラダラしゃべられるくらいなら「我々の音楽を聴いて、そして理解して」っていうので全然いいんです。

だからマエストロのおっしゃることには完全に賛同いたしますです。

 

終演後拍手に応えるスダーンさん

(この画像は私が撮ったもの)