ワールドカップ開幕2か月前に切るという前代未聞のサッカー日本代表監督の解任劇に、私の率直な感想を書き殴る。簡潔に言うと、日本人に冷静な議論など不可能だということだ。


1-今回の解任で今後のサッカー日本代表が背負うことになったハンデ
2-海外と国内のハリルホジッチへの評価のズレ
3-現実が見えていない日本サッカー。関係者、メディア、ファン、全てがお花畑。
4-西野新監督が挙げる日本人の長所に疑問符。ハリルホジッチは日本人の長所を生かさなかった?
5-W杯予選突破後のテストマッチで不振だったから解任したのは正解だったのか。冷静な判断だったのか。


■(1)今回の解任で今後のサッカー日本代表が背負うことになったハンデ

まず、「日本は異常な国」ということを世界に告知したので、海外から外国人監督を呼びにくくなる。W杯開幕2か月前の監督解任は、1990年に3か月前で解任したコスタリカを超え、世界ワースト記録のようだ。こんな国の協会と契約することは、自身のキャリアを考えると危なっかしくて仕方ないので、今後は彼らと交渉する際に大きなハンデとなるだろう。

次に、新戦力の積み上げや、戦術・システムの引き出しを増やすことが期待できなくなる。日本という国では、テストマッチでも公式戦でも主力選手を大量に出して、勝たなくてはいけない。そうしなければ解任されてしまうからだ。こうなると、新しく呼ばれた選手は中々起用できなくなる。戦術やシステムを実験する余裕も当然なくなる。仕方がない。この国ではテストマッチは公式戦と同じような意味合いを持つのだ。

ハリルホジッチに対して、「いつまでテストしてるんだよ」という批判があった。W杯で日本と対戦するセネガルもこの前は主力を休ませ、普段やらない3バックを試して、アジア予選プレーオフにすら進めなかったウズベキスタンと引き分けている。ポルトガルも主力を10人近く外して、ホームでオランダに0-3で大敗している。的外れな批判である。

そして、W杯本番直前だろうと本気でやらなくてはいけないので、4年後からは情報戦で極めて不利な立場に置かれることになった。Footballistaという雑誌に書かれてたが、今はプロチームのスカウティング班は簡単に相手チームを丸裸にできるようだ。「対戦相手に手の内を晒したくないので、今はなるべく隠せる部分は隠したい」と言っても、この国のサッカー界では許されない。本戦で惨敗する原因の一つになっても良いから、とにかく目先のテストマッチの勝利を血眼になって彼らは追いかけるのだ。

まあ、サッカー後進国かつ戦前から情報戦を軽視している日本人は、この時期の試合は「最後のテスト期間」「騙し合い合戦」の側面があるのは理解できないのだろう。なにせ、4年前の本番直前のコスタリカ戦も相手はラインの高さに応じた守備の強度の実験をしていたのに、
日本はそんなことも知らずザッケローニ時代お得意のテストマッチのときだけ使える後半大量交代で、後半に3得点して勝利して悦に入ってたのが日本のファン達だ。その後の両国のW杯での戦績を見ると日本はピエロでしか無かった。

■(2)海外と国内のハリルホジッチへの評価のズレ

サッカー雑誌を読むと、今回ほど海外の評論家と自国の評論家及びファンとの間で、そのときの代表監督の評価が乖離したことは無かった。ベルギー戦を見たトリノの戦術担当コーチは「日本は攻守両局面で非常に良く組織されたチーム。監督が明確なコンセプトをチームに与えて根づかせている」と言っていたし、イギリスの高級紙・ガーディアンで戦術分析を寄稿するマイケル・コックスは、「柔軟に守備戦術を使い分ける、極めて優秀な戦術家」とハリルホジッチを評していた。セビージャの元幹部も「アウエーの豪州戦は、選手間のポジショニングが抜群に良く、各ラインが強固なブロックを形成して、相手選手を殆ど危険なエリアに入れなかった。戦術的に日本が豪州に完勝した試合だった」と褒めていた。ハリルホジッチはメディアとの関係が良くなかったから、恣意的に彼を褒める海外の専門家を抽出したとは考えにくい。一方の国内の評論家やファンの殆どは、ひたすら解任コール。この現象は、それだけ日本のサッカー観が、ガラパゴス化してる証左なのかもしれない。日本の常識は世界の非常識。

あと、他の人が指摘してたが、フランスと日本でハリルホジッチへの扱いが異なるのも興味深い。フランスでは解任直前の4月1日に現地のサッカー番組にコメンテーターとして出演していたし、レキップやフランスフットボールなどのメジャーメディアにおいてハリルホジッチがコメントを寄せていることが何度かあった。勿論、日本サッカーの話題ではなく、フランスやその他のヨーロッパサッカーについての意見。今回の解任騒動も、日本メディアだけではなく、フランスメディアも自宅周辺にたくさんいるとか。ハリルホジッチに敬意を払うサッカー大国フランス、ゴミのように扱うサッカー弱小国日本。

そもそも、プロの指導者でなくても、ハリルホジッチは結果が全てのW杯予選のような公式戦では、ちゃんと自分の色を出して結果を出す監督だというのはわかると思うのだが。上記のアウエー豪州戦などまさにそうで、自分はそれまでハリルホジッチへの評価を保留していたが、あの試合以降は彼への見方を変えた。しかも日経新聞に掲載されてた本人のインタビューよると、あれは豪州到着後の選手の疲労が想定以上に溜まっている為に導入したプランBだったとか。元々はホームでやったとき同様に、もう少しアグレッシブに行く予定だったとも言っていた。大きな大会で欠かせない柔軟性もあったわけだ。

数日程度の練習で、あれだけの守備組織を作れるのだから、彼が豪語してた「(今はテストしてるだけで)W杯直前の3週間の合宿でチームを作る」という主張はある程度の説得力があった。2部だったリールを一気にCL出場まで導いた監督だ。戦術で差別化できない監督のわけがない。

まあ、W杯予選を見ても「ハリルホジッチに戦術など無い」という中傷が市民権を得るサッカー後進国のファンとは相性が悪かったのは確かだろう。

■(3)現実が見えていない日本サッカー。関係者、メディア、ファン、全てがお花畑。

ハリルホジッチ解任で軌道修正? 協会トップの見解は「しっかりとボールをつなぐこと」
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=38534

協会トップの田嶋の意見である。彼は「私見」と前置きしてるが、ボールを繋ごうとしない監督をこの時期にわざわざ解任したのだから、田嶋の意向が西野新政権に及ぼす可能性は否定できない。西野がアトランタ五輪のときと同様に現実的に挑むつもりなら、彼には要求を突っぱねてほしいが、もし協会の望み通りのサッカーとなったら、残念ながら今回のW杯は惨敗は不可避であろう。

現実を直視してほしい。先日のウクライナ戦の相手のパススピードを見たのだろうか。あのパススピードとトラップ技術が、日本の選手にはない。そんな日本が、世界の舞台でパスサッカーなど身の程知らずである。

世間は「ハリルホジッチの哲学は日本に合わない」というが、実際は日本が世界大会で躍進するときは、程度の差はあるにせよハリルホジッチと同じ方向性のサッカーをやるときである。パスサッカーで通用したことなど1度もない。なぜ、過去の経験から学べないのだろうか。

日本のように、パス技術が疎かなチームがボールを繋ぐ意識を持っても、相手からしたらカウンターの起点ができて有り難いだけである。「現実的になって堅守速攻をベースにすべきだが、ある程度はパスを織り交ぜることも必要だろう」と主張する穏健派のパスサッカー導入論者もいるが、彼らもまた現実が見えてない。どんな匙加減であろうと、どんな位置で繋ごうと、日本程度の国が手数を増やすことは、とてつもないリスクを背負うことになるのである。カウンターを食らっても、少ない人数でも相手を潰せる対人の守備力があればまだ許せるが、当然大半の日本人選手にそんな能力などない。だから、現状の戦力でパスサッカーで挑んでも、戦前のバンザイ突撃と同義。

2010年W杯で、出場国の中で最低のパス成功率を記録する醜さを晒しても、割り切り続けた岡田ジャパンを見習ってほしい。ハリルホジッチはその覚悟はあった。彼は中盤を省略することを徹底して、その結果、カウンターを浴びる機会は激減した。トルシエ曰く、守備の文化がない日本においては、そういう事実は全く評価されることは無かったが。ハリルジャパンが最後に本気モードでプレーしたのは、去年の11月のベルギー戦だった。あの試合は後半途中から例の如くハリルホジッチは実験モードとなって、守備が軽い久保や森岡などを投入して、案の定その2人の怠慢守備から決壊して敗戦したが、それまでは相手の決定機は前半終盤にオフサイドトラップを失敗したときくらいで、今や世界屈指のタレント集団となったベルギーに対して敵地で中々の守備を見せた。あのような試合運びなら、「本戦でも相手もそう簡単に勝てないだろう」と思い、前回よりは期待していただけに残念である。

W杯なんてどこもリアクションサッカーばかり。強豪国だって、前回のオランダのように、5バックなど極端なことをしてくるチームもいる。場合によっては、「先に手を出したほうが負け」みたいにチキンゲームの感すらある。そんなリアリズムが激しく衝突してる大会で、日本ごときの下手なチームが殴り合いを挑んで来たら、相手からしたらカモにしか見えないだろう。

ハリルホジッチへの集団ヒステリーで感じたことは、日本サッカーにはリアリスティックなアプローチで試合を進めるプランが受け入れられる土壌が無いことだ。リスクを抑えた戦い方をしようとすると、一斉にブーイングの嵐となる。今回それを痛感した。「リスクをかけることの代償」について甘く考えるファンが多すぎる。偉業を成し遂げた岡田ジャパンに対しても、「あの戦い方では未来が無い」などと、身の程知らずの批判を展開した粘着アンチが多かった。批評する側のファンやメディアも勘違いしてる馬鹿が多いので、守備の文化が根付く気配が一向に無い。

そういうファンやメディアあってのJリーグである。上位から下位まで、チマチマと繋ぐサッカーしてるリーグなんて世界でJリーグだけ。日本人が憧れてるスペインのリーガは、少数のクラブを除けば退屈なサッカー上等。彼らは娯楽性なんぞより、勝つための最短距離の戦略を立てて、試合に挑んでいる。戦術なんていたちごっこなのに、18クラブもあって殆どが繋ぐことを意識してるのは異様。勝つ為の最善の策をしているとは言い難い。いつだかの鳥栖のように、弱い戦力ながらも非日本的なサッカーをやったら、あっさり優勝争いに参戦などの例がいくつかあるにもかかわらず。これはACLで苦戦する理由の一つでもあって、とにかくJリーグチームは「相手に合わせる、相手が嫌がることをする」という発想が無い。相手を見ないで自分たちのサッカーをすることに夢中になりすぎている。去年、久々にACL優勝した浦和は、J勢にしては珍しくリアクションサッカーだったことが、その事実をより強調する。国内リーグは代表の鏡であり、Jチームの勝負に徹する姿勢の欠如が、日本代表の勝負弱さにも繋がっていると考える。繰り返すが、そんな甘ちゃん主義のJリーグを支えているのは、同じ甘ちゃんの日本のサッカーファンである。ファンがリスクを抑えたサッカーを許さないのだから、Jリーグはあんなことになってるのである。私は以前から主張してるが、Jリーグは勝ち点配分を勝利3引分1から、昔のW杯や海外リーグのように勝利2引分1にすべきである。ドローの価値を高めることで、Jリーグはやっと海外リーグと同水準のリアリズムの文化が根付くのではないだろうかと思っている。

■(4)西野新監督が挙げる日本人の長所に疑問符。ハリルホジッチは日本人の長所を生かさなかった?

西野監督、第一声「すいません」 大幅な方針転換匂わす
https://www.asahi.com/articles/ASL4B61QFL4BUTQP029.html
>日本人の持つ技術、規律、組織力を生かしたチーム作りを進めていく。

まず技術について。日本人に技術などない。シュート精度、クロス精度、ヘディング精度、ロングパス精度、トラップなどあらゆる基礎技術で、日本人選手はW杯に出てくる国の殆どに劣ってる。細かいとこだとスローイングも凄くいい加減。ボールがタッチラインを割る→その間にカメラが日本のベンチを映す→ピッチに戻ると日本側のスローインだったはずが、なぜか相手チームにボールが渡っている、というような流れはしょっちゅうある。特にハリルホジッチも指摘してたけど、加速中のボールの扱い方が本当に下手で、これは高速化してる今のサッカーで致命的な技術的欠点。彼は「日本人選手が本当に巧いかは疑問だ」と言ってたが、全くの同感である。

規律について。日本人選手に規律など無い。気に入らないと、選手が造反して監督は解任に追い込まれる国。ザッケローニも初志貫徹で自分のポリシーを貫いたら、同じようなことが起こっていただろう。彼だって就任当初は、「もっと縦に速く!」「もっとインテンシティを高めて!」と、ハリルホジッチと同じようなことを言っていたのだから。アギーレ時代も豊田を入れても前線の仲良しグループは徹底的に無視。ザック時代のハーフナーに対してもそうだった。トルシエが言ってたが、日本人はサッカーに関しては、言うほど真面目ではない。あまり語られないが、ハリルホジッチのラストマッチとなったウクライナ戦は、ボール保持局面で横パスとショートパスが増え、「自分たちのサッカー」に変貌しつつあって呆れた。たまに思うが、日本の選手って本当にプロなんだろうか。自分達の好きなサッカーが最優先事項なら、アマチュアのサークルと変わらない。

組織力について。日本サッカーはブラジルの影響を受けてるから、戦術的な引き出しなど殆どない。チーム戦術、グループ戦術、個人戦術。あらゆる面で低質。ザッケローニも言ってたがイタリアでは10代の選手達が教わる守備戦術が、日本のA代表選手の頭の中には入ってないのが現実。  

日本人の強みを指摘するなら、それは敏捷性と運動量が優れている点。アギーレ時代のフィジカルコーチが驚いてたが、日本の選手は外国人よりも遺伝的にそれらの身体能力が優れている。実際、いつも国際大会で躍進するときは、敏捷性と運動量がベースになって堅守が出現する。1人1人の守備力が弱くても、複数で囲い込むシーンを増やせばカバーできる。南アフリカW杯では、平均的な走行距離のチームと比較すると、12人で戦ってたようなものだったとか。ハリルホジッチは本戦でターンオーバー導入を示唆するなど、走力重視の意向を示していた。それは相手DFのヴェルマーレンが日本の運動量に驚いたベルギー戦などを見てもわかる。よく「ハリルホジッチは日本人の長所を生かしてない」と批判されてたが、それは本当なのだろうか。「日本人選手はテクニックがある」という神話にすがる輩よりも、よっぽど日本人の長所をチームに取り入れようとしてたように思える。前述の加速した際の下手糞さもそうだが、彼は日本人の長所と短所を冷静に分析していた。「日本人選手は上手いし、頭も良いし、規律も守る」という幻想を信じてる人達からすると、鬱陶しくて仕方なかっただろうが。

■(5)W杯予選突破後のテストマッチで不振だったから解任したのは正解だったのか。冷静な判断だったのか。

一番重要な疑問だ。これに対する答えは、実に簡単である。ハリルジャパンが出場権獲得後のテストマッチで不振だったのは、ただ単に「選手をたくさん試していた」からに尽きる。ハリルホジッチからすればテストマッチなのだから、文字通り本戦に必要なピースを探す為に、彼はテストをしていただけ。ザックジャパンと比較すると、如何に彼がテストマッチは結果を度外視していたかがわかる。日刊スポーツで、アルジェリア時代の腹心が「ハリルホジッチはテストマッチではとにかく試すタイプなんだ」と言っていたが、まさにその通りだった。

W杯出場決定から本番までに行われた海外組も招集できる国際Aマッチデーでのテストマッチにおいて先発出場した選手の数。非常に面倒な作業だったが、大切なことなので調べた。

ザックジャパン
19選手/11試合(選手数に試合数を割った数値は1.72)
ハリルジャパン
31選手/6試合(選手数に試合数を割った数値は5.17)

残念ながら、ハリルジャパンは監督が3月で解任されたので6試合のみとなってるが、ザックジャパンより5試合少ないながらも12選手も多く起用している。選手数に試合数を割った数値は、「どの程度テストマッチを実験場扱いにしたか」という指標だと思ってもらえれば良い。その数値でハリルジャパンはザックジャパンの約3倍もある。確かにハリルジャパンは、わざわざ確認しなくても「このチームは今までより試してる選手が多いな」とわかったものだが、実際に調べてみると予想以上だった。

例えば、ハイチ戦のスタメンの中盤は小林祐希、遠藤、倉田という現状では本番で誰1人先発しないだろう、それどころかメンバー入りできるのか疑問と断言できる面々で構成されていた。そんな試合の結果でも、日本では「本戦に相応しい指揮官なのか」と重要な判断材料にされてしまうのだ。

上のデータでは、国内組のみで戦ったE1が含まれてないが、ハリルホジッチの首筋が一気に涼しくなったのはE1の韓国戦だろう。実際、あの惨敗の後に田嶋会長が解任を提案して、岡田と西野に監督就任を打診したという報道があった。ファンもメディアも協会関係者もあの試合の結果で大発狂。正直、なぜあんなに集団ヒステリーを起こしたのか理解できなかった。ちゃんと状況を確認すれば、「ああ、この結果はありえるよな」と思うしかなかったからだ。

あの試合は、構図としては日本3軍vs韓国1.5軍みたいなものだった。先発の平均キャップ数(大会開幕前の時点)は韓国が24.1、日本は10.7で、日本が経験値の面で不利だったのは明らか。ちなみに日本側は、100キャップ近くある今野が1人で平均を爆上げしてて、今野以外の10人だとたったの4.6。あの大会でデビューした先発選手は韓国は0、日本は5。更に言うと、韓国は大会前に長期間の合宿をして、準備面でも優位だった。なお、2013年に優勝したときの日韓戦の先発平均キャップ数は、韓国が8.7、日本は10.2で拮抗していた。だから優勝できた。

こんな試合で立場が一気に危うくなるなんて、監督からしたらたまったもんじゃない。集団ヒステリーは怖い。

長くなって申し訳ない。まあ、はっきり言って日本人に冷静な議論は不可能。これはもう病気みたいなもので民族的欠陥。理性よりも感情で物事を考える民族なのだ。海外で暮らすとよくわかるし、一連のハリルホジッチ叩きで再確認した。不気味なくらい付和雷同の国民性なので、一度渦が発生すると、際限なくそれが拡大してしまう。解任については大人の事情もあったのかもしれない。しかし、そうだとしても、感情的にハリルホジッチ憎しとなったファンやメディアが、世間に解任モードの雰囲気を蔓延させ、その空気が解任を強く後押ししたのは否定できない事実のはずだ。この流れは深刻に受け止められるべきだ。

サッカーはたかが娯楽なので、100歩譲って笑って済ませられる問題。ただ、政治などで、その国民病が時として国に害悪を与えることがあるかと思うと、非常に暗鬱とした気分にさせられる。圧倒的に不利な予測があったのに、真珠湾を爆撃して国が1度滅んでしまったのは、当時の国民やメディアが集団ヒステリーを起こして冷静な判断ができなかったのも一つの要因であろう。戦前に例えると、ハリルホジッチは米国との国力差を理解するも、世論の圧迫を受けて隅に追いやられた対米協調派、パスサッカーはバンザイ突撃かな。