基本的に「減塩は不健康である」と、私は敢えて言いますメラメラ

 ただし、心不全と透析していない腎不全は、塩分の調節能力が機能しないため、減塩はやむを得ないのできます。


*コラム*
減塩で血圧が下がるナトリウム感受性の高血圧患者さんもいますが、かなりの少数派です(1%程度と言われる)。ちゃんと調べてナトリウム感受性高血圧という明確な診断を受けた方は減塩してみても良いと思います。しかし、医療機関で指摘される高血圧は、殆どが本態性高血圧である。「本態性」とは、「原因不明」という意味である。医学で「分かりません」というのは格好が悪いので、格好良く「本態性」「特発性」「尋常性」という漢字を冠している。


 減塩の歴史ですが、1960年に、Dr. L・K・ダールが塩を食べないアメリカ先住民族では高血圧者がいないことを聞き、逆に日本の東北地方でも1日30g程の塩分摂取で高血圧患者が多いことから、塩分と高血圧の関係が推測されました(胃癌とは関係有るようです)。しかし、後にこの調査では「調査条件が明確でないので科学的に正しいものとは考えられていない」と結論づけられたのにも関わらず、あたかもこの「仮説」が「真実」と勘違いされたまま現在に至っています。

ちなみに、青森県は東北地方で高血圧は少ないのです。その理由は、リンゴの産地だからと言えます。カリウムやら色々な栄養素が豊富なことが影響していると思われます。リンゴに医者いらず リンゴが赤くなると医者が青くなる というのは正しいと言えましょう。

 1988年にスタムラー博士が実施した追試験は、ダール博士と同じ誤りをしないように、調査条件を厳格化しました。その結果は、「塩と高血圧症との関係は明確でなく、バラツキも大きく、食塩摂取量と高血圧発症率との関係は無いか、あっても弱いものである」と評価しましたが、この話しを知っている人は恐らく殆どいないでしょう。更に調べて見ると、その後も減塩が「良い」「悪い」という論文が乱れ飛ぶも、結局、明確な結論は医学論文上では現在も得られていない事がうかがい知れます。
 このような賛否両論で結論が出ない理由は、広い視野で考えると関係が無いからだと言えるでしょう。狭いところを突き合うから、その場所では良くなり、別の場所では悪くなるのです。

また、塩類と高血圧の関係を説明する時に、下記の様な理屈が示されます。
1 塩化ナトリウムを多く摂る
2 体内の細胞内ナトリウム濃度が上昇
3 水分を取り込んでナトリウム濃度を調整
4 血液中に水分が多くなる = 血液量が増加
5 血管にかかる圧力が上昇
6 血圧の上昇を招く
ということです。

 そもそも過剰な塩分は腎臓から尿へ排出される機能を健常人(と、心臓・腎臓障害なしの病人)は備えているので、ここでは「排出」という理屈が抜けています。たとえ圧が上がっても、血管の弾力があればその程度の上昇圧は吸収されます。本物の動脈硬化で、この弾力を失って、パリパリのお煎餅のようになった人であれば多少の影響は受けるかも知れません。
そもそも身体の機能は、そんな “へなちょこ”ではないはずなのです。


考えてみて下さい。

食事の度に出入りの激しい塩分濃度でですね、血管の伸縮がいちいち影響を受ける訳にはいきません。自律神経も合わせて血圧の調節を行い、生命維持に深く関わる機能の恒常性は厳しく管理されているからです。

ついでに言いますと、血管を広げたり縮めたりする血管平滑筋はカルシウム(Ca)イオンの影響を受け、ナトリウム(Na)ではありません。

*コラム*
降圧剤に、カルシウム拮抗剤があります。カルシウムに相対する薬剤です。これは、血管平滑筋に出入りするカルシウムを阻害する事により、血管平滑筋の伸縮を弱め、開きっぱなしにして血圧を下げようとする薬剤です。ナトリウム(Na)ではありません。


*コラム*
降圧剤の一つであるARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)は、レニン・アンギオテンシン系の腎臓から分泌される一連の昇圧ホルモンであるアンジオテンシンIIと拮抗し、血圧の降下作用を示す薬物である。簡単にしますが、極端に減塩をすると、血液と血圧の変化が起こり、それを腎臓が関知して血圧を上げるべきと判断し、血圧を上げるホルモンを分泌します。それが、レニン・アンギオテンシン系のホルモンです。 ちなみに、このことは標準生理学という医学生の教科書に記載されています。

いいですか?

減塩をさせて、 腎臓から血圧上昇ホルモンを分泌させておいて、 そのホルモンをブロックするARBという降圧剤を出す アクセルを踏ませておいて、ブレーキを踏み込む これが医学です。




減塩すべきは精製塩です。

NaCl:99.9% という表示の精製塩は、最初からミネラルバランスを失っている調味料のため、身体にとっては毒です。使ってはいけません。全身の細胞の細胞膜にはNa+・K+チャンネルがあり、ナトリウムとカリウムが対になって動くように出来ています。Naだけ入れてはいけません。血液に入ると濃すぎるのです。バランスを取る為に身体は血液を薄めようとします。結果、「喉が渇いた」という指令を脳に送り、飲水を促します。やたらと喉が渇く外食をした経験はありませんか? 回転寿司では必ずと言っていいほど起こります。喉が渇いた外食は、この精製塩を使っているはずです。身体の事を思うのであれば口にするのはやめましょう。