新しい決意
[僕の奥さんになる人は世界一幸せです。本当の安心がありますから」
タイミングってあるんですね。
夜になって、私は猛烈に体調が悪くグッタリしていた。
そこへ、先日お付き合いをお断りした方からメールが来た。
ずっとお仕事一筋の真面目な人。嘘や不信感とは恐らく無縁だろうと思う。
クラブイベントに出かけている彼が、顔だけ出してメールすると言っていたけど、多分盛り上がって最後まで残るんだと思う。仕事と言って…。
少しだけ期待したけど、そんなの、意味はないこと。
ウキウキの彼に、今更何も思わない自分が居る。
そんな時、こんな言葉は正直心に刺さります。
きっとこの人は、クラブイベントに言っても、私に話したことを忘れはしないんだろうと思うから。。
きっと、本当の心が見えると思うから…。
私は、彼を信じられない。
過去の蓄積からだけでなく、やり直した後の彼の色んなことに、矛盾と不信感を抱く。
言葉なんて所詮、不確かなもの。
何ひとつ、確かなものなんて無いんだ。
言葉は想いを伝えるためのもの。
伝える相手は…誰なんでしょう。
その言葉に重みを出すのも、軽薄なものにするのも、その人次第だ。
私の言葉が軽いのか、私の存在が軽いのか…。多分、両方。
彼はニーチェの本を、恐らく読んではいないだろう。
言葉が不確かなら、何で感じる?何で信じる?
感情?
もっと揺れるものだ。
愛?
あるかさえ、わからない。
夢?
やっぱり言葉が主体。
「あなたの言葉は思いが詰まっていて、重いですね。安心します」
私はこう返した。
それに続くメールが、ブログの始まりのメールだ。
「僕には才能なんてありませんが、emiさんを一生楽しませるならマジシャンにもなります。その努力が好きなんです。僕の仕事の成功は家族の安定の元だから、つまりは奥さんが幸せじゃないとね。。emiさんの笑顔は凄いんですよ」
もう2度もお断りしたのに、こう言ってくれる。
本当の想いを感じます。
私は何故、この人を好きになれなかったんだろう。
信じられない人が、何故好きなんだろう…。
言葉も感情も、約束も…無意味な自由な人。
対外的には素晴らしく、きっとアイドル。
私に向ける姿勢とは違う。
彼の言葉は、その場のみ生きる。一瞬先は分からない。
だから、私も彼の未来の思いに期待もしない。
約束も、その場限り。私も守る意味が分からない人間になった。
それは裏切り?いいえ。自由です。
信じるものは馬鹿。
その時間、良い気持ちになったでしょ?
だから文句言わないで頂戴。
お互い様なんだから。
それが、彼の生き方。言葉の効力。
そして、私の生き方も。。もう真実の重要性を失った。さぁ、どうしようか。
私はずっと、信じられない人の、信じられないその場の言葉にしがみ付く?
答えは見えてる。
本当に愛されていない。
彼はその場、その瞬間に生きるから。。
だから愛情も、その場なんだ。
「結婚、前向きに検討します。私で良いのなら…」
下書きに保護している返事。
期待よ、さようなら。
もう、まやかしは、いらない。
賢くなってしまったの。悲しいくらいに…。
全然望んでなかった、こんな賢さ。
信じさせて欲しかった。
信じたかった。
あなたは信じてと言ったけど…。
どこを?どうやって?
あなたの真実が、私には見えない。
きっと、幸せな結婚になる気がした。
本当の信頼関係を結べる気がした。
派手で刺激的な生活なんて本当は望んでいないから…。
安心。安定した関係が欲しかった。。
でも、悪いのは私なんだ。
結局、自分に負けた。
信じられない関係を作ったのは二人だけど、彼は何度も終わりにしたのに、諦めなかった私が悪い。
自分も彼をも苦しめた。。
恋人を終えて、アシスタントとしてだけ、、これからが新しい本当の関係。
どうか、皆が過去を笑えるようになりますように…