#170 Everything

曲名Rap詞作詞作曲編曲ソロサクラップサトフェイク
Everything-100+Shingo AsariISBAMNOS××


auのCMソングになっている曲は名曲が多いですね。
歌詞は嵐のことを言っているようにも聴こえたりして…ファンとしては思わずぐっときます。

作詞はBSM所属の100+さん。作曲はPOOCS所属の浅利進吾さん。
どちらもジャニーズに多くの楽曲を提供している事務所のクリエイターです。
(BSMはSPIN、youth case、北川吟、北川暁、三上吉直、Erykah、小川貴史、みうらともかず、HYDRANT、Axel-G、Wonderland…といった、嵐さんのここ数年の楽曲にかなり関わっている方が勢ぞろい。POOCSは『One Love』や『僕が僕のすべて』を作曲した加藤裕介さんもいます。)

さて、この曲も歌詞に注目していきたいと思います。
まず始めに…タイトル。
この曲はどうして「Everything」と名づけられたんだろうか…。
かれこれ1年以上モヤモヤしていたのですが(笑)
辞書を引いてみると、「全て」という意味から転じて「かけがえのないもの」という意味があるそうです。
さらに転じて解釈すると…この歌詞でいう「ゆずれない思い」といったところでしょうか。

なんだか、この詞の主人公は私に「背中」(姿勢)を見せてくれている感じがしました。
聴き手に同じような行動とかを求めているわけではないんですよね。
詞の主人公の決意がただ淡々と「自分語り」として綴られているだけで、
「前を向いて行こうぜ!」とかいう呼びかけが、一切ない。
それなのに、聴き手に力を与えるんですよね。
「自分もそうなりたい」とか「そうだよね」っていう気持ちを沸かせる。

人生=「戻ることのできない旅」。
戻ることができないのなら、前を向くしかない。
まぁそれで前を向ければ誰だって苦労しないんですが(笑)
この歌詞では、つい振り返ってしまうことも立ち止まってしまうことも
大切なことを見失いそうになることも容認してくれています。
だからほっとする瞬間があるのかも。

そういうことになっても、僕には「ゆずれない思い」があるから前を歩いていくよーっつって。

それを知った私はじゃぁどうなんだよーっつって。

私だってちょっとくらい思いはあるよーっつって。

頑張るよーって。

なんか、こうした方がいい、とストレートに言われる曲も好きだけど
こう…背中で語られちゃうと同じような歌詞でもグッときますね。

ちなみに「ゆずれない思い~♪」の部分を翔くんにしたのもすごくイメージとピッタリで…
ほかのメンバーよりドライな声なので泥臭さを感じるというか(笑)
嵐の中で一番「熱さ」や「思い」を前面に出してくるのが翔くんだと思うので、
このパートは他のメンバーではありえない。
いい譜割りありがとう、という感じです。

#171 season

曲名Rap詞作詞作曲編曲ソロサクラップサトフェイク
season-youth case石塚知生AMNOS××


#89 風見鶏でもお伝えしましたが…この曲、一部特徴的な音階を使っています。
イントロ聴いて、「あ、伊右衛門!」と思ったあなたは、ぜひコメント欄までご連絡ください(笑)
そうです。あのお茶のCMで使われている久石譲さんの「Oriental Wind」という曲も同じ音階を使っているため、似ているように聴こえるんです。
「Oriental Wind」かけながら「season」のサビを歌っていても、途中まで違和感ありませんでした。
面白いなぁ。

この曲の歌詞は、旅立ちを決めた後の確たる決意が伝わってきますね。
人に決められた旅立ちは未練がたくさん残るけど
自分で決めた旅立ちは多少の未練があっても「絶対やってやる」とか「ワクワクする」とか
そういうプラスのエネルギーが湧いてくるもの。
この曲の主人公は、想い出も大切にしながら、その先に踏み出してゆける強さも持っている。
「分からなかったこと少し~」とあるように、
旅立ちという選択に確信を持てるような”兆し”を感じているようだし、
「何度でも咲き誇るように」というのも、たった一度花を咲かせるための旅立ちではなくて「花が咲く時もあればそうじゃないときもある」ということを覚悟した上での旅立ちだということ。
夢を追っているけれども、至って現実的に夢を見据えているというのが、
すごく心に響くポイントなのかなーと思います。

<余談>
なーんて語るのも、この曲、東京から地元に引っ越すまでのテーマソングでした。
ものすごく思い入れが強くて…カラオケでもたくさん歌って。
大学で東京に出てきたのに地元に戻るというと、
「もったいない」とか「何かに挫折した」とかよくないことを言われたりして、
自分で考えて決めたことなのに応援してもらえなくて、時々心が折れそうになったんです。
だから「絶対に後退じゃない、前進だ」って自分に言い聞かせるためによく聴いていました。
特にラスサビ前のリーダーのソロは……マイクを握る手に力が入りましたね。

「ひらひらと花が舞う頃 旅立ちを決めた思いは 今 誰のためでもなくて」

(自分のために決めたこと)、と心の中で勝手に付け足していました。
自分のために決めたことだから、
自分の想いなど大して聞く耳も持たないような、誰かの言葉に左右される理由もない。
もちろんそうやって心の中で突っぱねる代わり、
うまくいかなかったときには全部自分で責任を取ってやると思ってましたけどね…。
それもまた大変なことになるから、自然と必死になります(笑)

CMでニノが脱サラして役者になるというので仲間と引っ越しの荷造りをしているのがありましたが…
その姿を自分と重ねていた、というのもあったのかもしれません。
今でもこの曲を聴くと、引っ越すと決めた時の強い気持ちを思い出します。