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地球村研究室

厳しい地球環境制約の中で心豊かに暮らすには?沖永良部島で実践しながら考えたいと思っています!!

2013年あけましておめでとうございます。

地球村研究室のサイトを今日から運用させて頂きます、代表の石田秀輝です。

まず、このサイトへの想いを少し御話しさせてください。

 

私は、25年間会社務めをし、その後半では、技術戦略と環境戦略の責任者をしていました。企業の中で環境と経済(利益)の両立を目指したわけです。結果は御想像のとおり、両立のための矛盾が深まるばかりで、光明は見えず。。。。一方では、これに答えが出せなければものつくり立国としての日本はそのうち立ち行かなくなるという、残念な確信をもつに至りました。

 

では、人と地球のことを考えたものつくりや暮らし方のかたち』とは一体何なんだろう?これを考えるために2004年会社を辞して東北大学へ移りました。そして、『ネイチャー・テクノロジー』と言う概念をやっと創り上げました。それは『自然のすごさを賢く活かす』という考え方です。具体的には、①バックキャスティングという思考法で、厳しい地球環境制約の中でも心豊かに暮らせるライフスタイルを描き、②それに必要なテクノロジー要素を自然の中に捜しに行き*1、③サステイナブルと言うフィルターを通し、テクノロジーとしてリ・デザインしてやろうというものです。

このような手法を使って今まで、水のいらないお風呂、無電源エアコン、マイクロ風力発電機、汚れにくい・汚れが落ちやすい表面などをつくり、一部のものは市場に投入されていますし、それに続く研究開発も次々と進み始めました。

 

一方では、このような新しい価値観でライフスタイルやテクノロジーを考えるには、『心豊かな暮らし方のかたち』をどうしても明確にしなければなりません。例えば、ロハスやスローライフ等の新しいムーブメントは、確かに心を癒し、豊かにする一つの価値提供であることは事実ですが、何故それが豊かさに繋がるのかは曖昧です。何となく自然が必要なのだ。。。という領域から抜け出せていないのです。私たちは今まで、沢山のライフスタイルをバックキャスティングと言う手法で描き、その社会受容性を調査・分析する中で、やっと『心豊かな暮らし方のかたち』の構造が見えてきました。詳しいことは、追々お話しすることにしましょう。

 

これから、やっと見えてきた『心豊かな暮らし方のかたち』を実践して確かめてみようと思うのです。実践場は、奄美諸島 沖永良部島です。何故、沖永良部島なのかもそのうちお話しするとして、この島に何となく惹かれ、通い始めて今年で16年目に入ります。2004年には小さなジャングルの中に小さな庵(酔庵(すいあん)と言います)をつくりました。この酔庵を地球村研究室の実践基地として、『心豊かな暮らし方のかたち』を考えてみようと思います。

 

これから1年をかけて準備をし、2014年春頃に家族で生活基盤を仙台から沖永良部へ移す予定です。この島には、日本人として失ってはならないものがたくさん残っています。ずっと都会のマンション暮らしをしてきた私が、沖永良部島で何を感じ、それをどのように咀嚼出来るのかまだわかりません。でも、今まで机の上で考えてきた『心豊かな暮らし方のかたち』を具体的な形にしなければならないと思っています。

 

例えば、『心豊かな暮らし方のかたち』を構成する柱の一つには、『制約下の成長』と言うのがあります。魚釣りも、農業もしたことの無い私が、島の言葉もわからない私が、果たして成長できるのか、不安でもあり、楽しみでもあります。

 

どうぞ、このサイトを通して、私の成長に力をお貸し頂ければ幸甚です。

宜しくお願いします。

 

                          2013.01.04 Emile H. Ishida

 

*1:何故自然か? それには2つの理由があります。一つは、自然は完璧な循環を最も小さなエネルギー(主には太陽エネルギー)で駆動する、この地球上で唯一の持続可能な社会を持っているからです。そこからメカニズムやシステムさらには、淘汰と言われるような社会性まで学ぶことができるからです。二つ目は、現在のテクノロジーのほとんどが18世紀のイギリスでの産業革命以降の賜物といっても過言ではないと思いますが、この産業革命の成功は自然との決別を原理としています。では自然と決別しない産業革命、自然と決別しないテクノロジーとは一体どのような価値を生み出すのでしょうか、それも明らかにしたいと考えています。