私もそれ程多くを知っている訳ではないので断言はできないが、

ドイツ人の子育てはかなり緩いというか

日本で言う「叱らない育児」系の母親が多いのかな、と最近薄々感じている。

子供が何かをしでかしてもあまりくどくど言わず、

良く言えば非常にのびのびとした子育て

悪く言えば奔放な子育てとでも言うべきか。


もちろん世代や価値観、御家柄等もあるだろうが、

少なくとも私の周りのドイツ人の母親たちは

アメと鞭の比重が大体8:2くらいの人ばかりである。



さて、私の知人にまさにこのドイツ版叱らない教育を実践中の人がいるのだが、

彼女の娘の通う小学校の1学年下に、偶然にも日本人の子供がいる。

当然私とはこれ以上ない程に真っ赤な他人なのだが

実はこの子供のバスの通学路線がちょうど私の通勤路線と被っており、

話しかけたことこそないものの

何度かバスの中でこの子供と母親を見かけたことがあった。



以前ひょんなことから私と知人の間でこの母娘が話題に上ったのだが

私の知人はこの母親のことを

「まぁ、良い人なんだけど、ちょっと子供に厳し過ぎよ。
いつもいつもガミガミ叱られる娘が気の毒。」


と結構辛口評価。

彼女が言うにはこの日本人の母親はいつも小さなことで娘を叱っており、

そのせいで子供が大人しく、引っ込み思案になったのだと言う。




とは言え、この母娘をちゃっかりバスで観察していた私から見れば

この母親がそこまで極端に厳しいようには思えない。


確かに子どもは大人しいし、たまに母親に叱られているのも見かけるが、それは

「手提げを振り回してはいけない」「走行中にうろうろしてはいけない」


と言った一般常識の範囲内。

私的には特に問題ないように思うのだが、同じクラスのドイツ人の母親たちは

「軍隊か!」


と、この母親の影口を言っているのだという。

まぁ、彼らは常に日本語で会話しているから、

ドイツ人の母親達が何かしら誤解をしている可能性は大きいが・・・。




ちなみに私の知人の子供(9歳)は

非常に愛嬌があり、元気で表情の豊かなお嬢さんだが、

こんにちはもありがとうもごめんも言えず、食事中は常に片膝を立てて手づかみ、

ゴミは床の上に平気で投げ捨てるという一面も持っている。

のびのび育っていると言えばまぁ確かにその通りなのだが

なんとも釈然としない考え方の違いを目撃し、

何が正しいのかと自問する私である。






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