「オブリビオン」公式サイト


この監督の前作、「トロン・レガシー」もそうだったのですが、「オブリビオン」も全編至る所○○だらけの作品でした。


○○、伏せ字じゃないです、見たとおりの形。丸というか輪というか、サークルなのかフープなのか、一番近いのが昔のCMで見たパルックの蛍光管、輪っかになって光るヤツ、あれ。天使が頭の上にのっけてる光輪のイメージと言ったら美しいのだけれど、映画の中で常に白くどぎつく光を放っているのを見ると、やっぱりパルックだなと思ってしまう。なんでしょう、監督、パルックの丸形に何か特別な思い入れでもあるのでしょうか。ちょいと尋常ならざるものを感じます。


ま、しかし、何か心に一つ取り憑かれたイメージを持っている方が芸術家として強みになることもあるわけで(「エイリアン」のギーガーのようにね)、この監督のジョセフ・コシンスキーさんもそれを上手く生かして類い希なるビジュアルを「オブリビオン」に与えてくれたんだと思います。気象の変動のせいで荒廃した地表のイメージはまさに素晴らしいの一言。これぞSF映画ですよ。近未来なので、自分達の知っている建築物が壊れながらも残っているという見せ方がまたいいのね。


ほとんど砂漠化して、でも所々にかつての地上の姿を思い出させるような部分も残っている地球の上を○○で構成された無人機(ドローン)や偵察機が猛スピードで縦横無尽に駆け巡るわけですよ。このスピード感、空間そのものが圧倒的な勢いでこちらに迫ってくるド迫力、これこそまさにSF映画見に行った観客が見たいと思っているシーンですよ。それをちゃんと見せてくれるコシンスキー監督はサービス精神が豊かなんだと思いましたね(ちょっぴり「スターウォーズ」思い出したりして♪)


でもSFなのはその世界観や舞台設定だけじゃないんですよ。話の骨格が完全にSF。泣けます。それなのに根っこにあるのは純粋なラブストーリーなんですもの。さらに泣けます。


「トロン・レガシー」は太陽の光の届かない世界のできごとだったんですが、それを今度はお日さまの下でやったのが「オブリビオン」なんですね。共通するモチーフがたくさんありました。でも全体としては違うお話になっております。美術的には○以外にも幾何学的なモチーフが多用されているのも共通してますが、「オブリビオン」の方には自然の美しさを愛でるシーンもあって、それがまた雄大でいいのですわ♪


登場人物は極端に少ないので、ほとんどのシーンでトム・クルーズを見ている状態ですが、トムならどれだけ見ても苦にはならないのです。もう、究極のキャスティングですね! そういえば彼が演じたジャック・ハーパーをモーガン・フリーマンが「人類の中で最も優れた男」とかなんとか表するシーンがあったんですが、そんなこと言われたキャラ見て観客がうんうんと納得しちゃうのも、トム・クルーズだからこそですよね。あそこでわざわざ異議はさむ勇気のある人、まずいないわ。


その他共演者も男女とも美しい人ばかりでしたが、目立ってたのがニコライ・コスター=ワルドー。彼は「ゲーム・オブ・スローンズ」に出てて、ラニスター家の双子の片割れでその姉がサーセイ、んでもって弟がティリオンで通り名がキングスレイヤーなんだけど、果て、肝心の名前は何だったっけと家に帰るまで思い出せず、結局調べたらジェイミーでした。ジェイミーなんて他の登場人物に比べたら普通の名前すぎて、忘れてもしよーがないわよ! と思ったりして。「オブリビオン」ではサイクス軍曹でしたが、これも忘れそうだ。


不思議なことにオリガ・キュリレンコがあまり魅力的なビジュアルで出てきませんでした。ほとんど化粧してないように見えるせいもあるでしょうが、髪も服もやたら地味。もう一人の女性キャラを演じたアンドレア・ライズブローが非常に人工的に見えるように外見を整えられていたので、オリガの方はあえて自然そのものに見えるようにしたのでしょうか? 私としてはボンドガールやってるような彼女の方が好きだったのでちょいと残念でした。凶暴性がないと彼女って物足りないのよ。


ストーリーに関しては、ネタバレしないようにすると何にも書けないのですが、トム・クルーズが身につけている帽子やバンダナ一つとってもちゃんと意味があるのですよね。ゆめゆめ映画見ている最中にうたた寝などしないよう、体調万全でおのぞみください。音響も非常に凝っていて、よくできていると思います。「モーニングコール」のシーンでレッド・ツェッペリンが流れたのが私としては嬉しかったわ♪


結構激しいアクションが繰り広げられ見ている間は手に汗握っているのですが、し見終わると何故か静かな印象しか残っていないというのも珍しい作品ですが、なにはともあれ劇場でご覧下さい、「オブリビオン」。女性にも楽しめるSF映画だと思います。