トーキョー女子映画部のご招待で「ラストスタンド」の試写会にはせ参じて参りました♪

だってシュワだし。

腐っても鯛、たるんでもシュワです。

いや、たるんでなかったけど。

というか、ずっと服着てたんでたるんでるのかどうかを見定めることもできなかったんだけど。


でも、シュワだし。


そう、アーノルド・シュワルツェネッガーといえば大スターで、その主演映画は一種のイベント・ムービーとして来れば見に行くという、盆暮れの寅さん映画並の扱いだったものですよ。ええ、かつてはね。


この10年、政界に身を置いたり隠し子&浮気がバレたりで主演作品は全然なかったけれど、それでも私にとってのシュワの地位は不動でした。なんか、別格なのよね。もはや一種神格化してるといってもいい。彼の映画にハズレはないって(実際には全部が全部超おもしろいわけではないんですがね)。


とはいえ10年のブランクは長いです。シュワの映画をテレビでしか見たことのない世代というのがひとつ立派にできあがっているわけです。一応、「ターミネーター4」とか「エクスペンダブルズ」とかには顔を見せてますが、それらは決して「シュワの映画」ではありませんものね。


「シュワの映画」で傑作といえば「ターミネーター」。それからその後シリーズになった「プレデター」。最近コリン・ファレルでリメイク作られた「トータル・リコール」。スティーブン・キング原作の「バトルランナー」。これらは皆SFで、それは私がSF好きだから贔屓目に見てるのも差し引いて、今でも語られるのはやはり時代を超越したおもしろさが伝わるからなんですね。それは舞台が近未来だからとかそういう表面的なものではなく、普遍的な物語としておもしろいからなんですよ。そういった作品の中では、シュワは常に世界の命運を握る役でした。サラ・コナーを殺して未来の運命を変えるべく過去に送り込まれたターミネーターとか、或いはジョン・コナーの用心棒としてタイムトラベルしてきたターミネーターとか、地球のジャングルを狩り場としているプレデターに引導渡すダッチとか、火星に住む人々に未来を与えたクエイドとか、テレビに支配された世の中でその欺瞞を暴いたベンとかね。


シュワルツェネッガーは、ヒーローでもヴィランでも、その手に人々の未来の運命を握っている時こそ、最高に輝く俳優なのですよ。


「コマンドー」では彼が命がけで助けに行ったのは実の娘という設定だったけれど、娘助けるついでに世界の平和も守ったわけで。この辺が最近の娘息子溺愛タイプの「おとーさま」や「オヤジ」とは違うところだったりします。


そのシュワが主役を演じるにしては「ラストスタンド」はちょ~っと世界が小さかったんじゃないかな~というのが正直な感想でした。


いや、おもしろいんですよ「ラストスタンド」。はい、それは間違いなく。

もしこれの主演がシュワじゃなく、脇役もこれ程名の知れた俳優達のてんこもりじゃなかったなら、間違いなく去年の「ドライヴ」並に話題になったことでしょう。或いは往年のジョン・カーペンターの「要塞警察」みたいにね。まあそれは「期待しないで見に行ったら、その薄い期待を遙かに凌駕するほどおもしろかった!」という、思わぬ拾いものをした時に感じるほくほくした気持ちが評価を高めているわけですが。


でもシュワが主演で、フォレスト・ウィテカー(オスカー俳優)が脇を固めてて、ピーター・ストーメア(「コンスタンティン」のルシファー)が悪役で、「300」で超絶美形王者のクセルクセスだったロドリゴ・サントロと「バンテージ・ポイント」等で知られるエドゥアルド・ノリエガがダブルでラテン系の二枚目要員で、戦う女性キャラとしては「マイティ・ソー」からジェイミー・アレクサンダーが加わって、そのつながりかどうか分からないけど「アベンジャーズ」で元気なところを見せてくれたハリー・ディーン・スタントンが変わらずの気骨あるところを見せてくれてて、それだけ揃っててこの話のスケールだとちょっとあまりに勿体ないでしょ、この役者陣が! もっと壮大な世界観で、地球とか宇宙とか守って戦う方が似合ってない?!


世界の命運握ってこそのシュワでしょ?!


というのがありますよね~、やっぱり往年のファンにはね~~~。

昔はやっぱり「アーノルド・シュワルツェネッガー主演」ってだけで壮大な世界観でオリジナリティーの高い脚本が期待できたものなんですがね~~~。なかなかもう、そうはいかないんでしょうかねえ。


まあ、そんな期待を抱かずに、余計な先入観も持たずに見に行くと、きっととってもっ楽しめちゃうのではないでしょうか。うん、実はね、何を隠そう、この映画、コメディーなんですよ、驚いたか!