全生物の共通祖先 | 【 未開の森林 】

全生物の共通祖先

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1837年、チャールズ・ダーウィンが描いたスケッチ。生物の進化と枝分かれを「系統樹」と見立てた最初の図だとされています。彼が図上に「1」と記した点は、全生物の共通祖先を示しています。

このスケッチは、彼自身が採取した珊瑚(サンゴ)の標本から着想を得たとも言われています。「私は考える」("I think") と上方に綴られているのが学者らしい。

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こちらは1866年にエルンスト・ヘッケル博士が作成した図です。動物、植物、そして菌類を含む原生生物の三界が、共通の幹を持った樹として描かれています。

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遺伝子配列解析のデータに基づいてコンピュータ合成された進化系統樹。中心の点が生物の共通祖先を示しており、その後の進化の枝分かれが円形にまとめられています。大半を占める緑の部分が真正細菌、赤い部分が古細菌、そして左上の青い部分が菌類・植物・動物を含んだ真核生物です。
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0.001ミリメートル(1μm)の超微小生物から100メートルを超える巨樹、体重150トンの鯨、ライオンやダチョウ、シクラメン、蜜蜂、屋久杉から苔まで、地球上の多種多様な生物進化の流れを遡っていくと、共通の祖先として約38億年前の一つの原始生命体に辿り着く。それは好熱菌の一種だったとされています。

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「真核生物の家族写真」

2000年発行の「博物誌」に掲載された、ロバート・グロスマン (Robert Grossman) の挿絵。背景に見られる「LUCA」(Last Universal Common Ancestor) とは「最後の共通祖先」を意味します。目に見えないほど小さかった、ルカお婆ちゃん、といったところでしょうか。

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このような姿だったと想像される「太古の祖母」から全生物が派生したとすれば、私たちは事実上、地球に住んできた大家族だと言えます。