7月ももう半ばが過ぎ、
本格的な夏が到来しようとしております。
皆様は、如何お過ごしですか?
夏バテしないようにお気をつけてお過ごしください。
それでは、今日も皆様の楽しみになればと祈りつつ、「ジアルの日記」をお贈り致します。
「2385年1月30日。
それまでは忙しかったが、昨日の晩は暇が有ったので、ノーグ君にゼリーについての連絡をした。
『本当ですか?ゼリーなんて、地球では一番安いお菓子じゃありませんか。』
ノーグ君は、懐疑的だ。
『本当よ。ゼリーが嫌いなカーデシア人なんていないわ。』
『そうですか?じゃあ、今度通商協定の件でカーデシアから来る使節にゼリーを出してみて、評判が良かったら、カーデシアでの展開を考えますよ。何かカーデシア人が好きそうなレシピを考えて送ってくれませんか?来週の金曜日までにお願いします。そのレシピで、ジェイクに作って貰いますよ。』
『ええ、分かったわ。』通信を終えた後、日記に追加して書くのが面倒で、そのまま寝てしまった。
次の日は、ピオニ-の為の花のイラストを描いて午前中が終った。午後には、編集長に意外な事を言われた。
『ジアル、貴女の描いているイラストが、読者の方々にとても評判がいいの。あれは誰が描いたのかっていう問い合わせが、随分来ているわ。それで上とも話し合って、シールやギフトカードに出来る映像素材のアイソルニア・ロッドを誌上販売する事になったのよ。色々な題材で、沢山イラストを描いて頂戴。貴女に著作権料も入る事になりますからね。」と言われた。両親やキラ大佐や他の人に絵を褒められた事は有ったが、それでクレジットを得られるとは夢にも思っていなかったので、驚いた。
終業時間近くには、何時ものようにエリムから通信が入った。定刻通りに仕事を終えて、ビルの外に出ると、いつものようにエリムが待っていてくれた。それが私の日常になりつつあるのが、とても嬉しい。
喫茶店に入って、土曜日の事について話し合う。エリムは、
『君の母上は、音楽や本はどんな物が好きかな?』とか、
『こういう時、君の母上ならどうする?』と聞いてきた。一応エリムの質問に全部答えてから、
『ありのままの貴方を見てもらえばいいのよ。』と言ったら、
『そうだけど、君の母上に失礼な事はしたくないよ。』エリムは言う。
映像素材の話の事は、何となく恥ずかしくて黙っていた。
お茶を1杯飲んでから、エリムに家まで送って貰った。
母と一緒の夕食を終えてから、ノーグ君に言われたゼリーのレシピの開発にかかった。外交使節用だから、華やかにしなくてはいけないだろう。ゼリーの中に角切りのゼリーを入れて、大きくて凝った型に入れる事にした。最初に中に入れるロカサジュースゼリーを作って、クランベリーゼリーを少し冷やしてとろみを付けた中に混ぜてから、大きなブリオッシュ型に入れてみた。明日が楽しみだ。」