最近売れている、
『人生がときめく片づけの魔法』 (45万部)と
『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』 (20万部)、
両方に共通する点を考えてみました。
ビジネスの世界では、
よく「選択と集中」ということが言われます。
これは、「20世紀最高の経営者」と称された
GEの元CEO、ジャック・ウェルチが広めた言葉です。
なぜ事業において「選択と集中」が大事なのでしょうか?
それは、企業が持っている資源には限りがあるからです。
では、資源とは何か?
通常、企業活動に関して言われる資源とは、
ヒト、モノ、カネですが、個人においてはこれは正しくないと思います。
特に、ヒトもモノもカネも持っていない若年ビジネスマンにとっては、
「時間」以上に大切なものはありません。
しかし、情報化が進み、容易に人と人がつながる現在においては、
われわれの時間は奪われる一方で、誰もが時間に追われて、
バタバタしています。
『人生がときめく片づけの魔法』、『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』の
2大ベストセラーは、この時間資源を有効活用する視点を提供した、
という点で売れているのだと思います。
「選択と集中」と言っているはずのビジネスマンの机の上が、
およそ「選択と集中」とはほど遠い状態にある。
それは、彼が「捨てる」ことをできないでいるからです。
『人生がときめく片づけの魔法』は、まさにそこに切り込んだ一冊です。
そして、『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』です。
なぜ財布が膨らんでしまうのか?
それは、彼がお金を欲しいといいながら、
実際にはお金を生む活動に集中できないでいるからです。
本書には、こんなことが書かれています。
<稼ぎ続けることのできる人たちは、財布をはじめ、お金の周辺にあ
るあらゆる部分にこだわりをもっているからこそ、そしてお金その
ものをもないがしろにしないからこそ、高い水準のお金を引き寄せ
ることができている>
『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』は、
単なるジンクス本ではなく、こういった心構えを教えてくれる本なのです。
ここまでわかっていて、なぜわれわれは今もなお、
机や財布にゴミをため続けるのでしょうか?
それはおそらく、われわれが「不安」だからです。
不安だと、とっておきたくなる。
関係を切るのが怖くなる。
だから、訪れることのない「いつか」のために、
とりあえず、とっておいてしまう。
そうしているうちに、「とりあえず」の人生が訪れるのです。
今、個人にとって必要なのは、「選択と集中」。
たくさん情報があふれている時代だからこそ、
読んでおきたい2冊です。