今週、台湾中の話題をさらった人物…。
アメリカの有名誌「タイム」の例年特集「世界で最も影響力のある100人」に台湾人が選ばれました。
その人はこの方。
台東という片田舎で八百屋さんをしている陳樹菊さんという、普通のオバサンです。
この陳さんの何がすごいって、小さな八百屋さんを営み、質素な生活を送りながら、これまでになんと累計1000万元(日本円約3000万元)も弱者の為に寄付をしてきたことです。
日本より所得水準の低い台湾、大卒初任給が2.7万元(約8万円)という国で、庶民が1000万元を寄付するというのは、天文学的な高額なのです。((((((ノ゚⊿゚)ノ
これまで、450万元をかけて母校に図書館を建設し、他にも孤児院へ寄付したり、里親になるなど数々の慈善活動をしてきました。
それを知った著名な映画監督アン=リー(台湾出身のハリウッド映画監督)が推薦文を書いたのも世間の注目を集めるきっかけになったようです。
この陳おばさんは13歳の時に母親を難産で失くし、その時から進学せずに八百屋さんをして6人の兄弟たちの生活を支えてきました。
今も毎日朝の3時には市場に到着し、それから野菜の仕入れ、店のきりもり、夜9時にやっと就寝。一年で休みは旧正月の一日だけで、あとの364日働きっぱなしという生活を送っています。
そんな働きづめの日々の中、誰に自慢することもなく貯めたお金を寄付し続ける陳おばさん、もちろん「タイム100」特集の百人に選ばれても「へ?なんですかそれ?」状態でしたが、馬総統から直々に電話で受賞を説得され、今週授賞式に出席する為に米国を訪問しています。
この、貧困でさんざん苦労してきた陳おばさんの金銭観を表すひと言が新聞に載っていました。
「お金は、必要な人に渡ってこそ生きるもの。」
この陳おばさんのスゴいところは、自分が特別よいことをしているとは全く思っていないことです。
それには、理由がありました。
前述のように陳おばさんは、13歳の時に母親と肝臓病の弟をなくしています。
貧しい一家で母親の帝王切開手術の保証金が払えず、命を取り留めることができませんでした。
でもその時、彼女の母校が募金を集めてくれて、なんとか二人を入院させることが出来たのです。(結果的には手遅れだったのですが)
彼女は、「自分こそが人の世話になり、助けてもらった人間」だと思っていて、なんとか社会にお返しをしたいと思っているのです。
私たちが日頃気にしている、恵まれているとかいないとか、運がいいとか悪いとか、そういう視点から見れば、彼女の人生はとても厳しいものかもしれません。
でも…。
この人にもはや、運とか命ミンのよい悪いが関係あるでしょうか
もう全く超越したところへ行ってしまっていると私は思います。
こんなふうに生きている人が、同じ台湾の空の下にいる…、そう思うだけで「人生には生きる価値がある。」と思えてきます。(T▽T;)私も、もうちょっと頑張れそうです…。
※ ついでに↓もポチしてくれますか?