三谷幸喜のシャーロック | NPOの民間図書館  窓口日誌ブログ

三谷幸喜のシャーロック

残暑晴れ晴れ晴れ∑ヾ( ̄0 ̄;ノお見舞いくれぐれも申し上げます。
皆さんご無事ですかしら?

しかし灼熱の太陽が落ちる頃、夕暮れにフッと涼しい風が吹くのは好き。
窓を全開にして風を通し、蝉の鳴く声を聴いているのは好き。

どんな時にも心がホッとできるような楽しみがあるといいね!

今夜の楽しみはNHK地上波19:30~20:00
三谷幸喜さん脚本の人形劇「シャーロック・ホームズ」かな。
春に最初の三話だけを先行放映し(その三話はお昼に再放送中)
待ちかねた第四話が今夜放映なのですよ。

過去に何度もドラマ化・ケモアニメ化までされた古典です。
最近ではBBCのベネディクト・カンバーバッチが大人気!!!
何度もお料理された材料を新鮮な作品として提供するのは、
しかも少し前に大ヒットしたばかりの作品と同じタイトルでは
いくら三谷さんでも……
しかし三谷さんなのでした!!!

三谷版シャーロックはなんと「学園ミステリー」
舞台はロンドン郊外の寄宿学校イートン校です。
落ちこぼれ男子生徒ホームズがトレードマークのパイプの代わりに
「吹き戻し」を、そうあの懐かしい「吹き戻し」をぴろぴろぴろーー。
世界的な名探偵から、変わり者の生徒シャーロックへの翻案はお見事としか。

そして人形が「生き人形」と呼びたくなる凄みのある色気。そう色気。
シャーロックの人形がまばたきをするだけで視聴者はゾクッとします。
首や、手を動かす演技の時の、その間合い、などにも。
江戸川乱歩の『人でなしの恋』を思い出してしまいますよね。

次にコナン・ドイルの作品を紹介するのも不自然な流れになってきたので
人形劇の裏舞台を知ることができる小説をご紹介。
乃南アサさんの『幸福な食卓』です。
主人公は元・アイドル志望だった人形使いの女性。
子どもたちに人気のテレビ番組の人形劇でレギュラーを持つ実力派。
憧れていた芸能界の片隅で「顔の見えない」役を演じきる葛藤と敗北感。
乃南さんには他にキャラクター着ぐるみの「中の人」のサスペンスもあり、
芸能界の表に見えない場所で生きる人たちについて多く取材なさったのかなと。

人形制作者のかた、そして人形使いのかたのお名前は
あまり知られることはないけれど(キャストには一応出るんですが)
脚本や声優のかたと同じかそれ以上に
人形の演技をつかさどるかたがたにスポットライトが当たるといいなあ。




by今日のちばぎんざ図書館メリヤス