運動単位と栄養 | リハビリ茶屋

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理学療法士/抗加齢指導士のエイジング情報

最近、リハビリテーション分野にも栄養管理の概念を取り入れよう!と、


日本リハビリテーション栄養研究会 」が発足されました。






病院でリハビリ勤務をしていると、


筋力低下の強いご年配の患者さんの症状を考察していくと、「こりゃ、栄養不足が第一原因ですな」という方が、やたらと多い。


いわゆる、サルコペニアという状態が起こっており、食事摂取量も確保されていない場合は、筋負荷量も上げていけない。






そこで、Motor Unit(運動単位)に注目します。



リハビリ茶屋-motorunits
(UNIVERSITY OF MINESOA Physiology Lab HP)




運動単位 は、α運動神経に支配される筋線維の集団のこと。



リハビリ茶屋-motorunits 2

http://cubemonkeybreakout.com/ より)





筋出力は、筋肥大の前に、こういった神経筋メカニズムが第一に賦活されます。


要するに、上手いこといけば、1度のリハビリで筋力は上がり、動作改善につながります。


それは「Potential(潜在能力)」とも言えるかもしれない。




●筋肉や骨格アライメント不整(歪み)

●皮膚や筋肉、関節の柔軟性不足

●血流不全

●温度

●注意力

●意欲、気分、倦怠感…   など、


たまたま、何かが原因でその能力が出なかっただけかも知れない。


目の前のクライアントの筋力不足の原因が、運動単位の賦活不足である可能性はゼロでは無いことを期待して、


私は常に「姿勢」を見ていきたいと思っています。


すると、栄養欠乏の方でも運動できちゃうかも!






なんて、甘い期待があります。


…が、やはりエネルギー(筋グリコーゲン)が無ければ動けませんわ。(;_:)


運動単位を賦活出来た!と感じても、耐久性がなく、「あ、枯渇した…(._.)」と感じる時があります。







それでも、やみくもに筋肥大を起こす目的で栄養を投与するのではなく、神経機構にも目を向けたい私。





通常は、神経の電気信号が筋細胞に入力されると活動電位が生まれ、筋細胞内のカルシウムイオン濃度の増加など、興奮収縮連関が生じる。


骨格筋細胞の静止膜電位そのものは加齢の影響を受けないものの、


  ①膜抵抗の増加

  ②活動電位発生の閾値低下

  ③活動電位の縮小

  ④再分極の遅延   など、


膜の諸性質に変化がみられて膜の興奮性を低下させ、力の発生の低下や疲労を引き起こす。


(参考:後藤勝正 細胞膜興奮機構の疲労と老化, 2003)




よって、神経も筋肉も、やはり「細胞膜」を維持しておくことが大切ということですね。(⇒以前の記事






また、横行小管膜や筋小胞体膜の受容体が加齢に伴い低下するが、摂取カロリーを制限するとそれらは増加するらしい!

(⇒Effectiveness of caloric restriction in preventing age-related changes in rat skeletal muscle.






どんな栄養素を摂取するか?だけでなく、


カロリー制限(栄養状態)が何らかの良い影響を及ぼすかも知んない。


高齢者には不適応だと思いますが…。



リハビリ茶屋-washoku







Masa