美肌の野菜&果物(各論:マンゴスチン)
東南アジア原産のオトギリソウ科の常緑の 小高木
で、マンゴスチンの実は果物の女王と称されて
います。オトギリソウ科の中では最も食べられて
いる種の一つです。名称がマンゴーと似ていますが、
関係はありません。ただし、マンゴーやチェリモヤ
とともに世界三大美果としてその名が轟いています。
ドリアンを果物の王様と呼ぶのに対し、マンゴスチン
は柔らかい果肉、繊細な甘みのため女王と呼ばれて
います。 マンゴスチンのデリケートな食感を楽しむ
ため生で食べるのが一般的ですが、ジュース、ゼリー、
缶詰に加工されてから食べる場合もあります。
マンゴスチンの食べ方としては、固い果皮に被われて
いるため、ナイフで果実側部に切れ目を入れ、蓋を
外す様に果皮をずらすと綺麗に果肉を剥き出すことが
できます。果肉は5~7つの房状に分かれ、種子は
果実1個に対し0~2個程度です。
日本ではマンゴスチンの生での輸入は2003年に解禁
されましたが、それまでは、ミカンコミバエという
害虫がいるため、植物防疫法によりマンゴスチン輸入
は長年規制されていました。しかし、蒸熱処理による
殺虫試験で、ミカンコミバエ種郡3種についても有効
であることがタイ国より試験結果提出され、輸入解禁
となりました。
原産地であるマレー半島を中心に東南アジアでは古く
から作られていました。現在では、フィリピンや
タイ、ハワイ、カリブ海諸島や中南米といった熱帯・
亜熱帯地域で栽培が行われています。19世紀、大英帝国
のビクトリア女王(1837~1901年)は「我が領土に
マンゴスチンがあるのに、これを(食べたいときに)
味わえないのは遺憾の極みである」と嘆いたと
伝えられています。当時は現在のような冷蔵技術
がなく、日持ちが悪いマンゴスチンをイギリスまで輸送
する手段はありませんでした。今では冷凍でも生果でも
比較的簡単に手に入るので、ビクトリア女王に言わせる
とすごく贅沢な環境といえましょう。
マンゴスチンが取れる地域では、果実の外皮は粉末にして
整腸、消毒に使われます。 葉は乾燥してお茶にします。
また、 皮に含まれる赤い色素は黄色の染料になります。
これら、伝統的に使われてきた方法に対して、現代科学は、
関心を持って研究を行い、その理由をつきとめようと
しています。
マンゴスチンの旬の時期は短く、雨季の二、三ヶ月だけです。
しかも、栽培が極めて難しく、多くは天然の物が収穫されて
います。栽培が難しいばかりか、日持ちが悪く、しかも下手
に加工すると果物の女王の面影がみじんも感じられないほど
味が劣化します。実際マンゴスチンを個人で育ている人が
いるそうですが、種を植えてから芽がでるまで5~6ヶ月、
結実まで15年必要だそうです。これで高価なわけが分かり
ましたね。
マンゴスチンには、カテキンやポリフェノール、抗菌
作用のあるポリサッカライト、さらにカリウム、
カルシウム、リン、鉄などのミネラル成分、ビタミンB1、
B2、B6、Cなどの各種ビタミン、食物繊維など130種類
以上の豊富な栄養素が含まれています。
マンゴスチンに含まれる様々な有効成分の中でも特に注目
され、多くの研究報告が出ているのがキサントンです。
キサントンはポリフェノールの一種です。
キサントンは、活性酸素に対して、抗酸化作用が強い驚く
べき合成物で、マンゴスチン(特にその果皮)に非常に
豊富に含まれてます。キサントンは250数種類以上確認
されていますが、マンゴスチンの果皮の中には、分かって
いるだけで約40種類のキサントンが存在しています。現在
まで、マンゴスチンのように大量にキサントンを含む物は、
他の既知の植物や果実さらにハーブでも知られていません。
特に強い活性が判明しているα(アルファ)マンゴスチン、
γ(ガンマ)マンゴスチンと呼ばれる2つのキサントンは、
現在もっとも研究されています。キサントンをはじめと
する抗酸化物質が、強力に美肌効果を発揮するというわけ
です。実際にマンゴスチンは、食用だけではなく、化粧品
にも使われています。今回はここまでとさせて頂きます。
医官は、遺憾でいかん。笑
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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