美肌の野菜&果物(各論:ノニ)
ノニは熱帯アジアからポリネシアにかけて広く
生育している常緑潅木で、学名はモリンダ・
シトリフォリアです。わが国では沖縄県の八重山
地方で植えられており、ヤエヤマアオキと言う
名前で呼ばれています。
ノニは高さ6mぐらいにまで成長すると楕円形
の緑色の葉をつけ、黄色いごつごつした果実を
つけます。これを採取して日光に当て、完全に
熟したものを搾ってジュースにします。味は
チーズのような腐臭がある(そのまま飲むのは
非常につらいそうです)ため、グレープフルーツ
ジュースなどとミックスして飲まれることが多いよう
です。ノニには、ビタミンCやビタミンB群などの
ビタミン類、カリウムやカルシウムなどの
ミネラル類、アミノ酸、β-カロテン、
プロキセロニン、スコポレチンに加え、根に多く
含まれているモリンジン、芳香成分であるテルペン
、オレイン酸、リノール酸など140種類以上もの有効
成分が含まれています。
β-カロテンは体内で必要な分のみビタミンAに変換
されます。脂溶性のビタミンでもあるビタミンAは
油との相性が良く、油と一緒に摂取することで
吸収率が上がります。
ビタミンCやβ-カロテンには強い抗酸化作用があり、
紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生
する活性酸素を除去し、体が酸化することを防ぐ
働きがあります。鉄クギを放置し空気中にさらして
おくと鉄クギがサビついてしまいます。この現象が
酸化であり、人間の体内で酸化が起こると、病気や老化、
肌トラブルの原因となってしまいます。ノニに
含まれるビタミンCやポリフェノールが体内で強い
抗酸化作用を発揮して酸化から体を守ることで、
病気や老化、肌トラブルが予防されます。それでは
ノニのファイトケミカル(プロキセロニン、スコポレチン、
モリンジン、テルペン)についておのおの見てゆきたい
と思います。
プロキセロニン:プロキセロニンは、パイナップルに
含まれる消化酵素ブロメリンの研究で知られる米国の
生化学者ラルフ・ハイニッケらによって見つけられた
天然アルカロイド成分で、スプーン1杯のノニ果汁に
パイナップル10個分のプロキセロニンが含まれます。
プロキセロニンは、プロキセロニナーゼという酵素の
存在下で他の物質と結合したとき、体内でキセロニン
に変換される前駆物質です。キセロニンは人体の自然
治癒力を高める働きをするほか、一連の生化学的反応
を行って細胞が正常な機能を維持する作用があるため、
ガン細胞の増殖を抑制する効果もあるようです。
スコポレチン:スコポレチンは、1993年にハワイ
大学でノニの果実から抽出された物質ですが、その後
の研究で①血圧降下作用、②バクテリアなどに対する
抗菌作用、③鎮痛作用、④うつ症や睡眠障害の改善作用
のあることがわかっています。スコポレチンは、
セロトニンという神経刺激伝達物質の合成に関与して
おり、セロトニンが欠乏するとうつ病、アルツハイマー
病などの原因となります。
モリンジン:ノニのフラボノイド(色素成分)である
モリンジンには鎮痛・鎮静作用があります。また、
ノニの実に含まれるテルペンには体力増強作用が
あるそうです。
テルペン:テルペンには精神状態を安定させる働きが
あります。そのため、ノニにはストレスをやわらげ、
イライラを鎮め精神状態を安定させる効果があります。
シミ・そばかすの原因となるメラニン色素は、アミノ酸
の一種であるチロシンから作られます。ノニに豊富に
含まれているビタミンCはチロシンを生成する酵素である
チロシナーゼの働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐ
働きがあるため、シミ・そばかすの予防につながります。
ビタミンCはメラニン色素を素早く分解する働きも持ち、
日焼けした肌を早くもとの状態に戻す美白効果も期待
できます。さらに、亜鉛やプロキセロニンには新陳代謝
を活発にする働きがあるため、肌の細胞の入れ替わりを
正常に導き美しい肌をつくり出す効果も期待されて
います。今回はここまでとさせて頂きます。
来たい、着たいと期待される。笑
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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