『ネオ・ウルトラQ』第8話「思い出は惑星を越えて」解説 | 多言語マスターを目指して

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今回も前回と同様オープニングクレジットが縦書きだ。たった2回だけでこう書くのは早計なのかもしれないが、縦書きのオープニングクレジットはいつもとは違うことをやるぞという予告のように思われる。今回は『ウルトラQ』および『ネオ・ウルトラQ』の第7話まででは見られなかったアクションシーンが多かった。

さて、ギ・ノール星の転生する教皇というのはチベット仏教のダライ・ラマから着想を得ているのはほぼ間違いないだろう。ギ・ノール人が使っていた武器は密教の法具に形が似ている。そして、この法具というのがもともと古代インドの武器をかたどった物なのだ。

このチベットとのつながりから、ギ・ノールという地名がどのようにして考えられたのか推測できる。ウイグルやモンゴルには○○ノールという地名がある。最も有名なのはロプノールだ。この「ノール」というのはモンゴル語で湖という意味である。ちなみに、ダライ・ラマの「ダライ」はモンゴル語で大海という意味だ。

それでは、ギ・ノールの「ギ」は何なのか。これについては、番組の冒頭付近でバーのカウンターでハタ・ギ・ノールが『武士道』と『葉隠』という2枚のDVDを取り出したことから推測できる。このシーンは一見すると唐突で不可解な印象を与えるが、実はこれは製作者から視聴者に向けて出されたヒントだと思われる。このシーンによって、ギ・ノール星侍従武官ハタ・ギ・ノールは日本の武士のようなものだということを示しているのだろう。そして、武士が重んじたのが義。つまり、ギ・ノールの「ギ」とは義だと解釈できる。

最後に、ハタという人名はハタ・ヨーガの「ハタ」、すなわちサンスクリット語で力または強さという意味の単語に由来があると思われる。仏典の多くはサンスクリット語で書かれている。