富樫さん
大好きなサッカージャーナリスト、ジャンルカ富樫さんが亡くなりました。
かなりのショックを受けています。
富樫さんの原稿でサッカーのオモロさを教えてもらった。
子供の頃から、「サッカーダイジェスト」の愛読者で、今も実家には、捨てられないバックナンバーがずらっと並んでいる。
富樫さんはそこで2ページくらいのコラムを持っていらした。
記憶が正しければ、「極楽サッカーマニュアル」というタイトルだったと思う。
これが、今思うとアホ原稿のオンパレード。
「縦じまのユニフォーム、ストライプの割合は何対何が上品か?」とか
「シャツ・パンツ・ソックスの3点が同じ色のユニフォームはダサい。短パンのカラーを変えるべし」
なんて指摘を延々と続けている。
アホなんだけど、最後まで読ませる原稿だった。 こうして、一つ一つのネタを15年後の今もよく憶えているくらいだから。
正面切った選手インタビューや分析記事とは一線を画する楽しさがあった。
おかげで、マラドーナやプラティニがいなくても、そこにサッカーの映像・写真・原稿があるだけで、すんごく楽しい時間を過ごせるようになった。自分ひとりで、ユニフォームやスタジアムの品評会を始められるんだから!!
今、仕事をさせてもらっているライバル誌「サッカーマガジン」にはちと悪いが、このコラムがあったから、ダイジェストを選んでいた。ハッキリ言うと、かなりの影響を受けています。仕事では直接ご一緒できなかったけど、01年の秋に名刺の交換をさせてもらった。すんごく嬉しくて…実家のお母さんに電話しちゃいました。
僕の知らないところで、真面目な原稿もたくさんを書かれていたんでしょう。
でも、記憶に残っているのはアホ原稿です。自分も何かを遺せるような書き手でありたい。
今はまだ亡くなった現実を受け入れがたい。昨日の深夜に訃報を聞き、理由がわからず悶々とした。今朝、インターネットを見るとアフリカ選手権の取材中に、急に容体が悪化したのだとか。
富樫さんがこの大会をライフワークのひとつとしていたことを知っています。たしか、90年頃の大会を取材した原稿で「大会の空き日に、ホテルのプールで遊んでいた黒人選手を日本にスカウトした」なんて話が載っていた記憶がある。取材者ってこんなことも出来るんだ!! って子供心に思った。
この1月末に僕が移籍したチームにも、黒人選手が一人いる。
こっちは2トップ結成でも狙ってみよう。富樫さんには負けられません。