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FFレート「0.35%」予想について

7月最後の第5週にはFOMCが開催されるが、相場への影響力としては第2四半期GDP速報値の方が注目される事になる。


第1四半期はマイナス成長となった米経済だが、力強く反発するか否かが注目されており、大方の予想レンジは1%台後半から3.5%となっている。中央値は2.8-2.9%といったところ。 「数値の振れ」があれば、よりインパクトを与える事になるだろう。いわずもがな、インフレ率に改善の兆し無き今、政策変更に影響を与える数少ない材料の1つであると、市場は見做しているからだ。


FOMC参加者による直近6月会合時点での経済予想(2015年)では、3月予想(2.3%-2.7%)から(1.8%-2.0%)へと、いつものごとく一段下落している。 第1四半期のマイナス成長をカバーするには今後大きな数値が必要になってくるが、FOMCメンバーではなく調査統計局スタッフ(ボードスタッフ)の予想では、より慎重な予想になっていて、今それが改めて話題になっている。


先日より「FRBの情報漏洩」といった見出しで報道されているグリーンブックの誤掲載の問題だが、本来は5年後の議事録全文と同時公開される事になっていて、今回早期に掲載された事が少々の波紋を広げている。がしかし、これは蛇足といえるかも知れないが5年後に掲載されるのは全容の事であり、毎回の会合冒頭に準備・提出され議事録においても概要、要点自体は公表されている。


そういう事から今回は、数々の報道媒体のヘッドラインにある「情報漏洩」というよりは、全容、厳密にいえばリサーチスタッフによる政策金利予想が注目を集め話題になっている、という事になる。(同じ事だと思われるかも知れないが)


公開されたFFレートのQ4レベル(10月-12月)予想では、今年は0.35%で、来年は1.26%、再来年は2.12%となっている。その後、18年は2.80%、19年3.17%、20年3.34%となっており、平時の金利水準に戻るには相当な年数が掛かる事を物語っている。


云うまでもなく、最も注目されたのは「今年中の政策金利0.35%」であって、リサーチスタッフ予想では、25bpではなく10bpという「1度の緩慢利上げ」が予想(提案?)されている事が判明した。


ただこれも市場で噂されている内容やイエレンが濁すように話している内容の範疇である事から、さしたる驚きは無い。今年中に利上げできるのか否かも怪しい。10bpの利上げであれば、強迫観念に駆られたパフォーマンスレベルであり、逆に景気が良いとは見做されず、利上げ後には材料出尽くし感に包まれたドル高ストップとなる可能性をも秘めている。


政策金利に関し、平時の水準に時間が掛かる事が分かった、と前述したが逆に自然失業率自体は「5.2%」としており、ここ最近における失業率の水準を利上げの証左としたい意図が窺える。冒頭で述べたように、インフレ率が当面の間、「利上げレベル」とならないからだ。(ただ実際には利上げの時期・その幅は、賃金インフレ等と同時並行で判断される事になるだろう)