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May 12, 2017 01:18:24

FBI長官罷免について ‐テールリスクを比較したトランプ‐

テーマ:米国経済

先日の記事の最後の箇所に、大尾としてFBI長官解任の話を補完してたんだけど、閲覧者の方であればピンときた方がほとんどかと思われる。以下恐縮ながら当ブログ3月21日記事から抜粋。

 

FBI本格介入でドル下落の兆し (3月21日)

 

ロシアのサイバー攻撃問題にFBIが本格介入する可能性が(皆が思っていた以上に)高くなった事によって現司法長官の議会証言が偽証なのではないか、という事で突かれている。日本でも稲田防衛相の虚偽答弁が問題になっているが、米国のセッションズおよびトランプ大統領がこの流れを乗り切れるかはわからない。やや分が悪いように映る。

 

なぜなら米下院情報特別委員会で20日に開かれた公聴会にて、FBI長官がロシアとの接触問題だけでなく、トランプのいうオバマの盗聴問題についても証拠不十分と明言したからだ。これはFBIの立ち位置を鮮明にする、若しくはそのように印象付けるもので、この事によって共和党内でも経済政策をまとめ上げる事が難しくなったことを意味する。意味する、は現時点ではまだ過言かもしれないが、逆風が鮮明になったのは間違いないといえるだろう。

 

セッションズが辞任に追い込まれた時のマイナスインパクトは、ちょっとしたマクロ統計のプラスインパクトより大きい。 (部分抜粋)

 

結果的には、この事を誰よりも危惧していたのはトランプだった、という事になる。逆の結果になった。

 

つまりマーケットに関わるほとんどの人は、セッションズとトランプ政権が打撃を受ける可能性を考えていたものの(ドル下落)、トランプは①コミー長官を解任する事によるテールリスクと、②在任させる事のそれ(テールリスク)を比較し、後者の方がより危険だと判断した事になる。

 

大統領と議会との兼ね合いを考えた場合、今回の解任判断は愚かな判断だった、といった風に(さっそく)叩かれているが、この2つのリスクを比較すれば今回の判断は妥当だった可能性がある。あとは巻き返しにの問題になる。

 

たとえばこのままコミー長官の下、捜査が進捗していればセッションズはほぼ間違いなく辞任に追い込まれていただろう。 トランプ(並びにその取り巻き)は批判される事を承知の上で、リスクの大きさを天秤にかけ、小さい方を拾った可能性がある(当然ながら、クリントンがFBIを批判したタイミングに合わせたもの)。 ここでは司法副長官が送付したという解任通知の内容・建前は全くといっていいほど重要でない。セッションズとトランプが劣勢の中、彼らは排他的に、それでいて正当な権利を行使した、といった点が重要になる。誰もが不意を衝かれた形になった。

 

セッションズが辞任に追い込まれていれば(転載文のように)ドルは下落したであろうし、今回の件でもドルにはちょっとした重しになる可能性は残るが、通貨の視点でみれば彼はそれを望んでいる。いずれにせよ議会との兼ね合いでは火種を残し減税公約は蜃気楼のようになる可能性が出てきた。しつこいようだがトランプはそれを承知の上で判断を下した。

 

世間的には第二のウォーターゲート事件、なんて言われているが、当ブログでは上記記事ののち、(FBIの)トランプの扱いはニクソン以下、としていた(4月14日)。 つまり、FBI長官の発言内容がウォーターゲート事件当時より酷いと感じていたし、そういう情報がチラホラと流れていた。 それを考えれば然るべき判断に行き着いただけなのかもしれない。ウォーターゲート(事件)より直接的、不意を衝く形でやってのけたという事。

 

今後はFRBとの関係が一層フォーカスされる事になる。FRBが連続的利上げを実施し、機械的にドルが上昇するような事になれば議長再任はなくなる可能性あり、こちらの方が世界経済にとってはより直接的な影響がある。

 

 

付記: 「ゲェ」と思ったのはトランプ自身だったんでしょうね

 

 

 

 

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May 10, 2017 08:29:27

Update2: 6月FOMC期待と「北リスクへの下火期待」による円安リスクオンについて

テーマ:経済全般・株式・為替市場

米朝非公式協議は今年に入ってもなかなか実現せず、今月8・9日にオスロで実現するとの事だった。 そしてその当日?に、協議を覆すような形で、北朝鮮の駐英大使が6度目の核実験の準備がある事を示唆した。(skynewsのインタビューに答えた模様)

 

日本時間深夜、為替相場は一時これに反応、米短期金利先物相場が高水準で織り込む6月利上げ可能性からのドル高に、瞬間的ではあるものの水を差すような形になった。

 

このタイミングで核実験を仄めかすというのは、オスロミーティング(非公式協議)の内容に関係した牽制なのかと一瞬思ったものの、駐英大使のインタビューを見ればオーソドックスなものであり何とも言い難い。

 

「6回目の核実験はリーダー(キムジョンウン)の決めた場所と日時により推し進めるがスケジュールはわからない」 (駐英大使、インタビュー主旨)

 

前回記事冒頭では対話路線の可能性について触れていたが、その後、その経緯はどうであれ対話シナリオに沿う形になっているように映る。

 

前回、対話路線に触れた理由としては北朝鮮側から米側への働き掛けがあったとする報道が、今年に入ってチラホラ流れていた事も挙げられる。 2月にはトランプ政権が北朝鮮外務省の北米局長のビザ発給を認めなかった事で、3月米朝会合が見送られた、という推測情報?も目立った。 それが北朝鮮の強硬姿勢に繋がり、今回のオスロ協議に至った、という見方もできる。北朝鮮の姿勢が先月15日から25日に掛けて軟化したことで(少なくとも自分にはそう映った)、従来路線に回帰する予兆はあった。

 

5月9日は韓国大統領選の日でもありキムジョンウンが労働党委員長に就任した記念日でもある。よって9日・10日、またはその直後に核実験や弾道ミサイル発射テストが(従来より)懸念されていた事もあり、それに釘を刺す形で非公式協議が設定される事になった。(という見方が有力だといえる)

 

4月には大陸間弾道ミサイルと核実験の話が横行したが、過去を振り返れば、3月‐4月はミサイル発射が行われるものの、5度の核実験が行われた日付はバラバラで、一貫したスケジュールが存在するわけではない。

 

1.06年10月9日

2.09年5月25日

3.13年2月12日

4.16年1月6日

5.16年9月9日

 

 

駐英大使のコメントの意図はわからないが、マーケット、為替相場はその内容というよりこのタイミングでの発言という「唐突感」に一時触れただけ、と考えられる。

 

 

利上げ期待と低金利を望むトランプ

 

尚、そんな為替相場を取り巻くコアな材料といえば、6月FOMC。ここにきて利上げ期待がグッと高まってきた。 FRB議長は市場の期待を裏切る事はできないが、直近のデータを見る限り、本当のところではマクロ統計のモメンタムが現時点よりやや上向いたところ、インフレ率もターゲットの数値よりオーバーシュートしたあたりまでFFレートを現行レンジで維持したいはず。 不安要素を抱えた景気上昇局面におけるエバンスルールの必要性は、議長自身が2015年12月利上げ(失敗)から切に感じた教訓だと推察している。(よって利上げは年1.5度、と予想している)

 

しかし保有証券を徐々に減少させていく、といったバランスシート戦略が連銀総裁たちから徐々に発信されるようになった今、イエレン議長は例のごとく周囲の期待に配慮し、自身の考えを押し通す事ができないのかもしれない。 当ブログではバランスシート縮小につき「保有証券のロールオーバーは停止ではなくテーパリング」と2014年に記載した。予期していた事でもあった。そういう議論が高まってきた中で議長はどのような決断を下すのだろうか。 トランプはここにきて低金利を望んでいるようだが「ドルは強すぎる」といった構造が段々とわかってきたようだ。トランプはFBI長官を解任したが、今度はFRBとの兼ね合いが注視される。(Update2)

 

 

 

 

 

 

 

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April 26, 2017 00:57:16

安全神話崩壊の中で

テーマ:経済全般・株式・為替市場

在韓米国人への避難勧告が米国からなされていない、という公の事実から「米国による北朝鮮攻撃の可能性」は減退している。 口では罵り合っていても目の前の事実を観ていれば、対話路線へ傾いているように、見えなくもない。

 

そしてそれは北朝鮮にもいえる事であり、電磁パルス含む攻撃的軍事オプションの視点から有事が語られているが、それ以前の問題として、食糧・エネルギー事情が、北朝鮮国内にて(想像以上に)深刻化している事が、ここにきて伝わっている。 結論だけいえば米朝ともに各々固有の事情の下、あるいは相応のベネフィットなく、リスク(コスト)を負ってまで踏み込めない、先制するだけの合理的根拠がない、といった現況に陥っているようにみえる。

 

状況は日増しに変化、金融の世界でいうところのブラックスワンはいつ何時生じてもおかしくない現況であり、何事についても言い切る事はできないが、以下は個人的レポ。

 

 

北朝鮮

 

日本国内ではミサイル発射の映像が北朝鮮の脅威として度々流されているが、今目の前にある危機、の論点でいえばKN14やTD2等のレンジ・破壊力以前の問題として、北朝鮮にはミサイル発射までに時間を要する、連続的発射実験を行うといった資金的余裕がない などといった不安要素を抱えており、防御力が脆弱で太刀打ちできない北朝鮮は、米国と軍事衝突となれば奇襲攻撃しかあり得ない。そこに全てを注ぎ込み、しかもその後は神頼み、といった風にみえる。(過小評価というわけではない) それを踏まえれば非合理的な行動は考えにくい。

 

最近起こった関東圏の連続停電や米国の大規模停電は、それら北朝鮮による工作とかそうでないとか議論になっているが、実際の軍事衝突の場合には米国はそれら(電磁パルス、いわゆるEMP攻撃含む)サイバー空間ですらコントロールできる可能性残し、「自暴自棄にならない限りにおいては」北朝鮮からの先制攻撃の可能性は米国同様、徐々にだが低下しているようにみえる。

 

 

米国

 

一般的には今回の問題が軍事的側面から語られるのは当然な事ではあるものの、以前お伝えしたように、トランプとしては政権が誕生した当初の柱である雇用創出、そのための大減税、といった基調的内政につながっている点は見逃せない。大減税の話が吹き返してきたがシリア攻撃でそれまでの批判(逆風)を覆し、北朝鮮問題でさらに機運に乗るといった計算は確実に介在している。トランプがここにきて、「いもを引いているんじゃないか」(カールビンソン航路の件)なんて事をいわれるが、それは軍事的視点の一側面に過ぎない。

 

北朝鮮の過剰な挑発に乗らず、前掛かりな攻撃をしない、といった「我慢のオプション」は連邦議会における長期的成功につながっており、何より彼の「アメリカ第一主義」を支持した基盤はそれを望んでいる。彼を支持した投票層は雇用創出と賃金拡大を望んでおり「トランプの我慢」は何よりそれを優先しているように窺えるし、そういう意味で軍事的圧力から経済的圧力に軸足の比重を変えているようにもみえる。もっといえば現在の忍耐は、直近の米国の長期金利上昇につながっている。(外交と内政を無理に繋げているわけではない、率直な感想)

 

 

経済オプションへの帰結

 

近年では07‐08年に表面化したサブプライムローン問題、11年には日本国内で東日本大震災といった、いわゆる冒頭のタレブ理論、ブラックスワンが生じた。

 

日本国内では一般的にも安全神話の崩壊に目を向ける現実的な論調がようやく展開されている。現実に目を向ければ中国軍やロシア軍は北朝鮮との国境付近に移動増員され、第2次世界大戦前夜、つまりWW3のシナリオすら連想させている。米大統領が「全ての選択肢」を仄めかした時点ですべてのシナリオが存在し、「予想だにしなかった事(ブラックスワン)」が発生してもおかしくない、といった現況になっている。

 

がしかしそれらを考慮しても米国から中国への働きかけ、経済制裁(石炭輸入禁止や原油供給制限、北朝鮮の口座凍結)は効いており、06‐07年に米国が採った措置(BDA口座凍結、マカオの北朝鮮口座凍結措置)によって北朝鮮が交渉のテーブルにしぶしぶ着いた事が回顧される。 

 

最近では日本国内において、白昼堂々の金銭強奪事件であったりサイバー攻撃による預金強奪が生じているが、北朝鮮による米国からの金融封鎖への予防的対処なんじゃないか、といった傍から見れば馬鹿馬鹿しい話も知人間の中では執心したりする。貴金属の現物(取引)やサイバー攻撃による強奪事件において彼らの噂話はどうしても出てくるし、直近では連邦準備(FRB、NY連銀)にあるバングラデシュ中銀口座から不正送金されたことに北朝鮮が関わっている、といった事が話題になった。

 

 

中国に銀行口座がなくとも北朝鮮は皆が思っている以上に国交があり、ロシアはじめとする逃げ道は複数存在するように映るが、原油禁輸はじめとする経済制裁は対コストの面で軍事的圧力に勝るように映る。 ここにきての中韓ロ反対から米国が手を出さないことにタカをくくった北朝鮮による挑発行為がこれ以上エスカレートしない、といった事を前提とした話ではあるが。(タカ派で覆われたトランプ政権はプツンとキレる可能性がある、その予兆はコメントにでている)

 

ブラックスワンはいつでも発生しうるが、軍事的緊張は各々固有の事情から緩和しているのではないか? といった話。ニューノーマル閲覧者の方へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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