FRBの「トリプルマンデート」 | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

FRBの「トリプルマンデート」

危険水準を察知して、10月4日に株式介入は実施された。 残り1時間のスパートは、まるで全盛期のゲブレシラシェ(エチオピア)。


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ポリシーミックスが機能しないので、PPTが活発化する、と言っていた 自分ですが、4日、10日と露骨な介入が実施、数字だけは整えてきた。10400ドルから11600ドルまでの騰げは市場の原理を「完全シカト」の無茶ぶりが覗える。この10日間、何があったのかといえば欧州の口先政策とグーグル好決算のみ。 今後の行方を占う銀行セクター、JPモルガンの決算は結果的に重要視されず。(こちらの方がよほど重要)


JPMは、会計上の利益(債務の評価替え)によって33%の損失を誤魔化す事に成功、基調ベースでは明らかに制御されている。本日発表の財政赤字連年1兆ドル突破も、悪材料どころか「赤字歓迎」、といったところ。


米財政赤字、3年連続1兆ドル突破


「財政出動歓迎」、と前向きに捉えてみよう。であれば年間2兆ドル赤字にでもなれば、株価は熱狂相場と化す事だろう。その為にもティーパーティーには、どんどん赤字拡大に賛成して頂きたい。そうすれば実際の経済もよくなる可能性があるからだ。


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ツイストオペによって、長期金利を抑えつけ、実態経済を良くするとFRBは言う。

しかしながら過去がそうであったように、長期国債を買い入れる事によって起こり得るのは株価上昇のみ。結果、国債イールドは上昇、数字(株価)だけを整えて、実態経済を悪い方向にリードしている事になる。ハッキリ言って、何がしたいのか分からない。


一見、支離滅裂に見えるこの行動、政府の息が掛かっている事が覗える。株価を買い支える事によって、実態経済を良くするどころか悪くしている事に早々に気付くべきだろう。 1%(富裕層)の金融資産を上げたところで、経済全体に波及しないのは過去に証明された。幅広い層に直接消費を喚起させるような政策に、もっとアクセルを踏み込まなくてはならない。ツイストオペは(効果が薄いながらも)それを反映させた政策だが、株価を買い支える事によって、それは完全に相殺されてしまうわけだ。


「偏った富」、実態経済より上辺(株価)が重要な国であるアメリカは、実は中国とDNAが似通っているようにも思える。FRBの責務は2つではなく、実は3つだった。彼らが「トリプル・マンデート」を抱えている限り、雇用市場が回復する事はないだろう。