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没落するアメリカ2 ‐NYのデモ‐

今現在NYでのデモが報道されているが、原動力となっているのはTVで報道されているような「貧富の格差」では無い。


そんな事が理由なのであれば、当の昔からデモは多発していたはずだ。 低俗なデモ参加者はそうだろう。しかしながらデモの原動力となっているのはウォール街の高慢な態度に対する「許せない」といった気持ちだ。


一昨年、米大手証券のCEOが議会証言にて「我々が救済されていなければ、国民生活はさらに悪化していた」と言い放ち、今でもこの発言が取り沙汰される事がある。 生活が落ち込んだ一般国民からすると、自分達の税金によって救われた企業が、わずかな時間で巨額のボーナスを享受した揚句、自分達に感謝をするどころかふんぞり返っている訳だ。このような態度に怒りを覚えるのは当然だ。


当時は、その救済方法も随分と叩かれた。AIGと(CDS)取引のあった金融機関から泣き付かれたポールソン(前財務長官)が、「前職場」であるそのゴールドマンをAIGに公金投入する形で間接的に救ったからだ。



以下、公表されたカウンタ-パ-ティ (過去エントリー)から。



Some banks that were paid by AIG after it was bailed out by the government

Goldman Sachs

Deutsche Bank

Merrill Lynch

Société Générale

Calyon

Barclays

Rabobank

Danske

HSBC

Royal Bank of Scotland

Banco Santander

Morgan Stanley

Wachovia

Bank of America

Lloyds Banking Group

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FRBと財務省はゴールドマン、モルガンスタンレー、バンカメCEOから泣き付かれ、AIGは救済される事になった訳だが、市場の原理を無視した救済方法にも反感を覚えた人が多かった。何故ならポールソンは「前職場」を救済する一方で、そのゴールドマンと敵対関係にあったリーマンは倒産したからだ。



ウォール街の金融機関を、日本国内企業で例えるならば、やはり東電だという事になる。



東北の人達の人生を粉々にした結果、のうのうとボーナスまで貰っている。

政治家との繋がりで、市場の原理を無視して助けてもらおうとする上に、電気料金まで引き上げようとする。東電経営陣が経産省に泣き付いたのなんかは、米大手金融がFRBや財務省に泣き付いたのとそっくりだ。 さらには「原発が無かったら国民生活は悪くなる」と言わんばかりの態度は、「我々が救済されなかったら国民生活は悪くなった」と言い放った証券CEOの言葉とどこが違うのだろうか?



NYのデモを「貧富の格差から」として報道しているメディアは、根本的なところが分かっていない。低俗なデモ参加者ばかり映して、本質的な事実を説明していない。日本メディアの浅はかな報道は、誤ったメッセージを発信しているという訳だ。