「しゃべったはず・・・」 


 クロネコのクロは再び丸くなり寝てしまう。ボクは呆気に取られつつも、クロネコのクロを揺すった。朝ごはんも食べずに、我慢するかのように無反応。


 「ごはんと言ったら、ト・イ・レ? トイレ? ごはん? トイレってなあに? あなたはだあれ? あなたはネコ。私はだあれ? ミャアアアー?」


  ネコ語の勉強とか言って頭がおかしくなったのかしらと自己診断するのもおかしな話。でも確かに「トイレ、トイレ」と聞こえたのである。


 クロネコのクロは、もうお腹が波を打ち寝入っているように見えるけれど、まだ早い気もする。ますますクロネコのクロの態度が太々しく見えた。