伝えるために | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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戦略コンサルでマネージャーを務める筆者が日々の出来事を独自の視座で書き綴る


効果的なプレゼンテーションをおこなうには、最低限のデザインに関わる知識は必要じゃないかと思います。

デザインの世界で“Serial position effects”と呼ばれる位置の効果の理論がありますが、これは、連続的なデータの中で、どのデータが最も記憶に残りやすいかという点についての理論です。

情報を見て、しばらくしてから思い出すとき、研究から、いくつもの項目を含むリストでは、最初に提示された情報の再生率が圧倒的に高くなることが分かっています。

また、次に再生率が高いのは、最後に提示された情報になります。

こうした効果は投票にも影響を及ぼすことが分かっており、最初と最後に提示された候補者というのは、順序の効果から高い得票率を挙げられることが分かっています。

もし選んでもらいたい情報があれば、最初か最後に示すべきです。

再生率だけでなく、最初に提示された情報は全体の印象にも影響を与えることが分かっており、「順調に進捗しているが、一部で問題も発生」と書くのか、「一部で問題も発生しているが、順調に進捗」と書くのかによっても、メッセージは異なって伝わります。

また、配置で言えば、人の視点は左上から右下に動くために、右側にあるものほど、視点の終点として印象に残ることも分かっています。

つまり、より強く伝達したいことは、右側に配置するべきです。

こうした配置だけでメッセージの伝達に差がでるのであれば、やらない手はありません。

以前もメッセージを伝達するため、できるだけシンプルにプレゼンはすべきということを書きましたが、こうした基本的な知識というは、効果的に組織を動かしていくために重要だということを最近特に感じます。
(以前書いたシンプルの重要性はこちら 。)