- ヴェラ・ドレイク [DVD]/イメルダ・スタウントン,フィル・デイヴィス,ダニエル・メイズ
- ¥3,990
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イギリス/フランス/ニュージーランド
イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ダニエル・メイズ、ピーター・ワイト、アレックス・ケリー、エイドリアン・スカボロー
監督・脚本:マイク・リー 『秘密と嘘』
【ストーリー】
1950年ロンドン。自動車修理工場で働くスタン(フィル・ディヴィス)と、2人の子どもたちに囲まれ、貧しいながらも充実した毎日を送る主婦ヴェラ・ドレイク(イメルダ・スタウントン)。複数の家で家政婦として働きながら、近所の人にも自ら進んで身の回りの世話をする。決して華やかではないけれど、心優しい彼女の存在は家族にとって幸せの象徴だった。けれど、彼女は望まない妊娠で困っている女性たちに、堕胎の手助けをするという家族にも秘密にしている顔があった。
イメルダ・スタウントン
彼女の出演作は
不思議とけっこう観ています
「ハリー・ポッター」シリーズのピンクの先生
「ナニー・マクフィ~」の強烈な結婚相手
「荊の城」の悲しい母
どの役も素晴らしい存在感で
心に残る女優さんでしたが
この作品での演技は・・・
あまりにも見事で
息をのんで見入ってしまったほどでした
マイク・リー監督といえば
作品を作るときには、役者を想定して作っていくことや
台本がなくて、リアルにその感情がでてくるまで
とことん時間を掛けて撮影することで有名ですが
その独特の手法と
イメルダ・スタウントンという女優との才能が
こんなに静かに、けれども圧倒される
秀作を生み出したんだな~と思いました
どこからどうみても
人の良さそうなオバちゃんのヴェラ
彼女が”人助け”を行うときも
ニコニコしていて
罪悪感や不安を感じさせずに
サササと帰っていく・・
そのあまりにも淡々としていることに
どこか恐ろしさを感じつつも
彼女がそんな”人助け”をしている理由に
女性であることの悲しさが滲み出ていました
もちろん、違法行為であり重犯罪であることは
まちがいないわけで・・
これまでに、死んだ女性がいなかったことが
奇蹟だったはず(知らなかっただけかも・・・)
”人助け”の重さを何十年も
考えずに続けてきたヴェラは
娘の婚約パーティで逮捕され
自分の行動の浅はかさに気づくのですが
そこからの家族の行動が
とてもリアルでよかったです
妻の罪も全てを赦し理解する夫
自分の母親が・・と嫌悪感を露にする息子
ただ悲しみに暮れる娘
それでも、彼女を知っている家族は
罪を償って帰ってくることを
静かに待つ・・・
その食卓の寂しそうな表情と
生まれて初めて家族と離れて過ごす
ヴェラの不安いっぱいの表情
罪を犯したものの悲しい現実を映し出しながら
家族の絆の強さを描いている・・・
マイク・リー監督の描く
人の心のつながりは
この作品でも、複雑なようで
強くてしなやかなものでした♪