ヒマラヤ杉に降る雪 | 映画を観よう

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ヒマラヤ杉に降る雪 (ユニバーサル・セレクション2008年第3弾) 【初回生産限定】 [DVD]
¥1,394
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アメリカ 1999年

イーサン・ホーク、工藤夕貴、リーヴ・カーニー、鈴木杏、リック・ユーン、マックス・フォン・シドー、ジェームズ・レブホーン、ジェームズ・クロムウェル、エリック・タール、サム・シェパード、ケイリー=ヒロユキ・タガワ、ジェリコ・イヴァネク、セリア・ウェストン、リチャード・ジェンキンス


監督・脚本:スコット・ヒックス 『シャイン』、『アトランティスのこころ』

脚本:ロナルド・バス 『モーツァルトとクジラ』



【ストーリー】

1954年、ワシントン州のサン・ピエドロ島。この小さな島で、漁師のカール・ハインが水死体で発見され、状況証拠から日系ニ世のカズオ・ミヤモト(リック・ユーン)が逮捕される。すぐに殺人事件として裁判が始まり、そこでカズオの妻ハツエ(工藤夕貴)と、ハツエの幼なじみで隻腕の地元紙記者イシュマエル(イーサン・ホーク)は再会する。二人は幼馴染で、かつては互いに愛し合った仲だったが、日米開戦の翌年、ルーズベルトの大統領行政令9066号によって、日系人の多くは強制収容所に入れられ、財産や市民権までも奪われた。事件の被害者カールとカズオもまた、そんな歴史に翻弄された二人だった。根深い人種差別のもと裁判が始まり、カズオの有罪が濃厚になるなか、イシュマエルはある真実に辿り着くのだが・・・。



切ないけれど、映像が美しい作品でした


何度か観るチャンスがあったのに

なぜか今まで観ていなかったのですね・・・


物語は、幼馴染の二人が

戦争という哀しい出来事で引き離されて

それぞれに違う立場で再会し

互いのそれぞれの道を歩きだす・・

そんな感じでしょうか


日系人であるがために

収容所に送られ

土地も財産もすべて奪われてしまう

自分自身ではどうすることもできない


私はアメリカ人になりたい!

と叫びながらイシュマエルのもとに走る

ハツエの少女としての気持ちは

痛いほどにわかります

でも、彼女は現実を知り

受け入れて生きていくことを選ぶ


一方のイシュマエルは

ハツエの本当の想いを知ることはなく

傷心のうえに体まで傷ついてしまう

再会した彼女に

昔のままときめく・・


ただハグすることですら

イシュマエルとハツエの感じ方が違う

人種の違いとはそういうものか・・・


女は現実的で

男はロマンチスト


ラストのハツエとイシュマエルの抱擁

本当の意味で解放された

イシュマエルの寂しげな表情が

なんとも切なかったです!


イーサン・ホークは

こういうちょっと暗いというか

影のある役が似合いますね・・

ハツエをみつめる表情は

ネルス弁護士が気づくほどに

熱くて切なかったです


工藤夕貴は

アメリカ人になれない

でも日本人でもない・・

そんな少女時代から夫を守る妻まで

芯の強い目が印象的でした


脇をサム・シェパードや

マックス・フォン・シドー

ジェームズ・クロムウェル
豪華な方がそろっていたのが嬉しかったです!


原作はサスペンスということなのですが

あまりそんな感じはせず

時代と人種差別に翻弄された彼らの

ヒューマンドラマという感じでした


幻想的なヒマラヤ杉の並木と雪景色が

この作品の重さをより一層際立たせるけれど

美しいと感じる映像で

作品の長さもさほど感じずに見ることができました




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