クィーン | 映画を観よう

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古くても、新しくても、映画はイイよね!

素敵な映画に出会えた時の気持ちを、誰かと共有したいな♪

クィーン<スペシャルエディション>
¥2,612

The Queen

イギリス/フランス/イタリア 2006年

ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェイムズ・クロムウェル、シルヴィア・シムズ、アレックス・ジェニングス、ヘレン・マックロリー、ロジャー・アラム、ティム・マクラクラン

監督:スティーヴン・フリアーズ 『ヘンダーソン夫人の贈り物』
脚本:ピーター・モーガン 『ラストキング・オブ・スコットランド』


【ストーリー】1997年5月。バルモラル城でいつも通り、夏の終わりを過ごしていたエリザベス女王(ヘレン・ミレン)一家はイギリス首相選挙を静かに見守っていた。改革派として知られるトニー・ブレア(マイケル・シーン)の勝利が予測される中、エリザベス女王は古き善き伝統とは異なる、時代の新しい波の匂いを感じていた。そして、ついにブレア新首相が誕生し、国政もこれから・・という8月、パリでダイアナ元皇太子妃の事故死のニュースが飛び込む。エリザベス女王にとって、ダイアナはいつも頭痛の種で、チャールズ皇太子(アレックス・ジェニングス)と正式離婚してからもそれは変わらなかった。今や民間人となっていたダイアナの死は、王室にとっては本来関係のないことであり、イギリス国民として、静かに喪に服すのが正しいと信じる女王はコメントを避けるが、ダイアナを称える国民の声は次第に高まっていく。若き首相ブレアは、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、僭越ながら女王にある提案をするのだが・・・。

ずっと気になっていました

去年のアカデミー賞の前から見たいと思いつつ

劇場へ行くチャンスを逃し

レンタルでも静かに旧作になるのを待ちました(汗

というより・・いつもレンタル中でした!


そして、やっと観たこの作品は

期待を裏切らない秀作でした♪


ヘレン・ミレンという女優さんは

BBC放送のシェイクスピア劇場で

初めて観たのがもう何十年前だろうか・・(苦笑

まだ学生だった私は

その頃から彼女が好きでした


その人が、エリザベス1世を演じた作品でも

こんなに説得力のある。。と唸ったのですが

こちらはもう溜息でした

ソックリという言葉でも足りないほどの

見事な演技


この作品に描かれていたのは

伝統と格式を守り

自分の感情のままに行動することも

深い悲しみを表に出すことも許されず

意に沿わぬことでも

国民の望むとおりに受け入れる

一個人としてではなく

国民の女王として生きる女性でした


特に一人で四駆の車を運転して

途中でシャフトを折ってしまった・・と電話をする

気丈な女王が見せる涙

たった一人で、こんな森の中でしか

自分自身になることができない・・・

そう思うと胸が苦しくなりました



そんな彼女を一番理解したのが

夫でも息子でも母親でもないブレア首相

新人、しかも改革派でありながら

女王の真の姿に触れ

マスコミに対して怒りを表す首相


初めて女王にあったときから

電話でのやりとり

そして、ラストでの二人

あまりにも、うまくまとまり過ぎな感はありますが


すごく説得力のある

きめ細かい作品だなと思いました


首相の提案を受け入れ

宮殿に戻った女王が

少女の持つ小さな花束を

手向けてあげましょうか?と聞くシーン


いいの・・と応える少女に一瞬心が凍りつき


けれど次の瞬間

ジワーッと暖かいものが胸をいっぱいにしてくれました


イギリスという国

古くから続く王室とそれを守る女王

たとえどんな風に言われようとも

女王はやはり女王なんだ・・・


この作品がどこまでフィクションで

どこまでノンフィクションかわからないけれど

一国の女王という立場が

どれほど孤独で

けれど、どれほど愛されているか

そんなことを感じる作品でした




<蛇の足>

城、景色、庭園・・・

物語のストーリーだけではなく

英国映画好きな私にとっては、観ているだけで嬉しくなる映像ばかりでした♪