SWEET SIXTEEN | 映画を観よう

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アミューズソフトエンタテインメント
SWEET SIXTEEN

イギリス 2002年

マーティン・コムストン、ウィリアム・ルアン、ミシェル・クルター、アンマリー・フルトン、ゲイリー・マコーマック、ミシェル・アバークロンビー、トミー・マッキー


監督:ケン・ローチ 『ケス』、『カルラの歌』


【ストーリー】

15歳の少年リアム(マーティン・コムストン)は、幼いころから養護施設で一緒だった親友のピンボール(ウィリアム・ルアン)と学校にも行かず好き勝手な毎日を送っていた。リアムの母ジーン(ミシェル・クルター)は恋人で麻薬の売人スタン(ゲイリー・マコーマック)のせいで服役中で、リアムの16歳の誕生日前日に出所予定だった。リアムは母親が出所したら、シンブルマザーの姉シャンテル(アンマリー・フルトン)とその息子のカルム、そして母の4人で、麻薬もスタンも居ないところで静かに幸せに暮らしたいと願っていた。

たまたま湖畔で理想的なコテージを目にしたリアムは、自分の夢を実現させようとその家の購入を決意する。家を買うお金などないリアムが考えたのは、スタンから麻薬を盗んで、ピンボールと売りさばくことだった。それは思った以上にうまくいき、ついにコテージの頭金を払うことに成功!だが、二人は町を牛耳るビッグ・ジェイのもとに連れて行かれる・・・。



心がヒリヒリしている・・・。


ケン・ローチ監督作品は・・・痛いです。


男の子というものは

こんなにも、母親を愛し、母親の愛を欲するものなのでしょうか?

リアムの数ヶ月の人生は、まさに心が痛く、切なくて苦しいです。

「心がヒリヒリ・・」まさにこの一言に尽きてしまいます



リアムは、母と一緒に住む家を買うお金のために

スタンから麻薬を盗み、売り始めます

最初に麻薬を手に入れる方法を見ていても

彼の頭のよさは抜群で、度胸も満点!!

親友のピンボールに持っていろといわれたナイフも持たず

しっかり、家の頭金を稼いでしまいます



親友のピンボールは・・・残念ながらリアムのように賢くなく

本当は麻薬を売るよりも、タバコを売って小銭を稼いで

静かに暮らしているのが好きな小心者

でも、リアム以上に最悪な家庭環境で育った彼は

天涯孤独の身だから、リアムを兄弟のように慕っています

そのために、リアムに置いてけぼりをくらったような寂しさが

彼の人生を狂わせてしまいます



姉のシャンテルは、一番現実的で・・同じ女性だからでしょうか

早くに母の真実を見抜き、自立していました

自らがシングルマザーで息子を持っていたこともあって

リアムを母親のように愛していました

でも、所詮・・姉は姉でしかなく、母親ではないのです



私自身、3人兄弟の一番上で育ったせいか

弟に現実を見て欲しいと願う気持ちはよくわかりました。

現実を見る・・どちらが幸せでしょうか

何度裏切られても、母に向かっていくリアムと

もう裏切られたくないと目をそむけるシャンテル・・・



女の子と男の子の違いはあるけれど

子供にとって母親の存在は大きいですよね




この作品が描いているもの・・それは


貧しい人々

養護学校で暮らす子供達

学校に行かずにたむろする少年少女

普通に通りで売り買いできる麻薬

たった15歳の少年を仲間にする売人達



イギリスっていうと、貴族が今でも居るし

豊かな田園風景やフィッシャーマンセーターや

マフィンにお茶、炭鉱町・・・というイメージ

でも、貧富の差も身分の差も激しい国なんですよね


もちろん、親や兄弟や社会がどうであれ

自分がしっかりしていれば・・・ということもあるのだろうけれど

ケン・ローチ監督の作品に出てくる彼らは

本当に自分ではどうすることもできないような

そんな理不尽な社会だったりするのです・・・



ラストで海辺を歩くリアムにかかってきた電話

「今日は誕生日よ、今日から16歳なのよ!」と言う声に

ああ、まだ16歳なんだ・・とハッとしてしまうと同時に

あなたを愛している。。と伝える姉の気持ちが痛くて・・


わずか2ヶ月で、彼の人生は大きく変わってしまって

その重さに気づくのは、ずっと何年も先のことだろうけれど

少なくても、リアムが死を選ぼうと海に向かっているのではないと



未来とか希望とか、そういう言葉では言い表せない

あの、妙な感覚でエンドロールを見ていました




一度見て、感想が書けず・・

再度鑑賞したのに、やはり何が言いたいのか、うまく書けません

さらに、記事を書きながら何度も消えたりしたもので・・・



でも・・・やっぱりダメですね(汗