モンタージュ 三億円事件奇譚(2016年) | 勝手に映画紹介!?

モンタージュ 三億円事件奇譚(2016年)

モンタージュ 三億円事件奇譚

この間の土日にフジテレビで二夜連続放送したスペシャルドラマ「モンタージュ 三億円事件奇譚」をエアチェックしておいたのでイッキに鑑賞…三億円事件をモチーフにした人気コミックの映像化で、存在は知っていたけれども原作未読。予告を見てキャストがやたら豪華だった…っていうか、エンケン、遠藤憲一が出てたので気になったというのが正直なところなんだが、部分的にはまぁまぁ面白かったです、フジテレビにしては…。Amazonでも見逃し配信していて、プライムビデオ対象なのでプライム会員だとタダで見れますよ…いや~太っ腹ですなぁ。

2009年の長崎、高校生の鳴海大和と幼馴染の小田切未来は下校途中に瀕死の男を発見。その男は大和の父・鉄也が“三億円事件の犯人だ!誰も信用するな”と言い残し息絶える。警察で事情聴取を受けた2人は、男が東京から来た東海林という名の元刑事だと知らされるが…東海から聞いた言葉は黙っていた。その直後、鉄也が失し、後日…東京で遺体で発見される!警察は事故と断定するが大和は信用できなかった。2016年、未来の両親に引き取られ成長した大和だったが…過去の事件に捕らわれ、フリーターとして無為な日々を過ごしていた。

とにかく始まって直ぐに、老けメイクした香川照之が出てきてあっという間に死ぬ…主人公に向かって、お前の父親が“三億円事件の犯人だ、誰も信用するな”と言い残し。2人に事情聴取する刑事がエンケン…一見、穏やかで優しそうな刑事を装っているが、なんか怪しい…だってエンケンだもん。やがて、警察に迎えに来る幼馴染のねーちゃんの両親、デビット伊藤と西尾まり(この夫婦も胡散臭い)から父親が失踪したという話を聞かされ、間髪を入れずに…その失踪した父親が東京で死んでしまう。父親の顔はわざと隠してあるが、唐沢寿明と一目瞭然。

警察は父親の死を事故と断定するが…もちろん信用できない。その後、主人公は幼馴染の家に引き取られ一緒に生活(幼馴染萌え要素確定)し成長するが…“父親が三億円事件の犯人”という見知らぬ男の言葉に捕らわれていて、うだつのあがらんフリーターになっている。そんな時、7年ぶりに事件が進展、それも悪い方向に…育ての親である、幼馴染の両親が失踪する。どうやら、主人公の親父の死について、何か気づいたらしい。警察に届けを出しても真剣に調べてくれない、じゃあ、自分たちで行方を探そうとなるが…そこで浮上する情報が軍艦島。

死んだ主人公の父親が軍艦島出身で…その資料が失踪した幼馴染の両親の持ち物から見つかる。じゃあ、行ってみるかと…幼馴染と一緒に軍艦島に忍び込み、そこで見つけてしまったのだ大量の札束を!わぁ、やっぱり親父が“三億円事件の犯人だった”のか?。札束を持って軍艦島から帰還…そこにタイミングよくエンケンが現れるが、チンピラを使って主人公たちを襲わせたり、目撃者をぶっ殺して主人公たちに罪を擦り付けたりする…やっぱりエンケン悪い奴。エンケンから逃げながら、日本各地を飛び回り事件の真相に迫るというのがその後の流れ。

主人公たちがピンチになるとどこからともなく颯爽と現れるのが、知人の塾講師・劇団ひとり。いや、コイツも明らかに胡散臭い(実は主人公もまったく信用していない)、なんせ劇団ひとりだもん。冒頭で香川照之の“誰も信用するな”という言葉通り…怪しい人間ばかりぞろぞろと出てくる。本当に父親が、あのモンタージュの男と同一人物なのか?だったらどういう経緯で事件に関わったのか?父親視点の過去なんかもオーバーラップさせながら物語は核心に迫っていく…なんと最初に死んだ香川照之は、過去シーンで出番がいっぱいあった!!

最初にも書いた通り、話は面白い部分もあったんだけど…原作コミックは全部で19巻もあるそうで、未読だからそれらの最初から最後までをきっちり描いたのかどうかはオイラにゃわからんのだが、さすがに2夜連続、合計3時間越えの本編でも一つ一つのエピソードが駆け足気味で、ダイジェストっぽさが否めなかった。あれだけ不気味で、陰惨な事件に巻き込まれたのであれば、もっと主人公たちがピンチに陥り、もがき苦しむ姿などが見たかったなと。テンポがよすぎて、スリルが足りなく思えた。フジテレビは、なんでコレを連続ドラマにしなかったんだろう?

また過去にも三億円事件をモチーフにした映画、ドラマ、小説は数限りなくあったので、それらで見聞きしたものと似ているものも少なからずあったりするのも事実。最近だとTBSでやった、やっぱりコミックものの映像化作品「クロコーチ」なんかとも似た雰囲気はあったよね。あっちの方が毎回興味を持続させなきゃいけない連ドラだった分、緩急のリズムは感じられたよね。本当に回を増すごとに薄気味の悪さが増殖していった。本作にはそういうものが足りなかった…全体的に駆け足だったのもあり、ミステリアスな導入部に比べると盛り上がりに欠けた。

とはいえ…エンケンさんは期待通りに暴走してくれた。NHKの朝ドラとか出て以降、渋いオジサマやちょと可愛らしいオヤジ萌えキャラの役が増えてきたが…本来の“日本一の飛び道具俳優”と呼ばれていた頃のエンケンに近い演技が楽しめた。途中から…“撃たれても死なない”ターミネーター状態のエンケン…どんどん変態的なヤバイ本性が出てきて、まぁ、最後のあの行動は必然かなと。あと、主人公の幼馴染を演じた女の子が意外と可愛かった…逃亡中なので、何度も変装したりするんだけど、中でも眼鏡をかけた姿にキュンとさせられたよ。

まだ見てないんだけど…ネットではTV放送された前後編の他に「モンタージュ 三億円事件奇譚 特別編 ―船に消えた三億円―」という50分強の別の映像が配信されており、もちろん本編同様、Amazonのプライムビデオ対象になっている(フジテレビオンデマンドの公式サイトでも月額会員は無料で見れるそうだ)…あとでFire TV Stickを使って見てみようかなって思ってる。ちなみに、TV放送版は二夜とも放送画質のDRモードで録画しましたが、余裕で25GBのディスク1枚に焼けました。こうなると配信用作品もアーカイヴしたくなるのが本音だよ(笑)


演出:水田成英
出演:福士蒼汰 芳根京子 劇団ひとり ムロツヨシ 杉咲花 香川照之 遠藤憲一 西田敏行 唐沢寿明


【Amazonでプライムビデオ対象】
モンタージュ 三億円事件奇譚(フジテレビオンデマンド)







人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!